2005-01-19 WED.


さて、Elmore James が Durant 周辺で演奏をし始め、チップを稼ぐようになったのを 1932 年、彼が 14 才のときから、と書きましたが、そのころ、ヨーロッパでは 1918 年に休戦となった第一次世界大戦後の様々な変化が色々な位相で発現してくるのですが、中でももっとも重要な変化として捉えられるのが、敗戦国ドイツに於ける政治的な潮流でしょう。
まず、第一次世界大戦の後半にロシアで起きた「革命」は当然、ヨーロッパにもその火種を移植しようとする動きを招いたのですが、ドイツにあっては「ドイツ社会民主党」がそれを阻み、もはや国家というよりはドイツ各地の都市国家の連合体であるかのような国民議会がドイツの都市 Weimar(日本ではもっぱら「ワイマール」として教科書にも記載され、その名で通用していますが、正しくは「ヴァイマール」です)を中心として設立され、そこで 1919 年に成立した「憲法」に相当する「ヴァイマール=ライヒ憲法」(ワイマール憲章、という言い方もあったかも)に基づく「ヴァイマール共和政」がスタートします。
ただし、この政体は敗戦にともなう「戦争賠償金」の調達に苦しみ、国内的にはインフレが進む中、全国的な規模の政党がないせいもあって政治は迷走し、国民の政治に対する不満が嵩じていったことで、ついにはある政党の独走を許すこととなります。

1889 年 4 月20日、オーストリアに生まれた Adolf Hitler は 1903 年には父を、そして 1907 年には母を失ったことにより遺産で生活しつつ疑似科学にハマって行ったと言われていますが、ちゃんとした教育に「ついて行けない」ヤツに限ってその手の怪しい「似非科学」に傾倒する、ってのはマーティン・ガードナーが指摘したとおりです。
しかも 1913 年にはオーストリア・ハンガリー帝国に徴兵されそうになってミュンヘンに逃亡(?)。
翌年からの第一次世界大戦では、それでもドイツ軍の「伝令」として生き延びるワケですね。
敗戦後は、ドイツ労働者党に参加した彼はその中で頭角を現し、やがては独裁が可能なように党規も改訂し「国家社会主義ドイツ労働者党」とし 1921 年には党首となっています。
しかし、イタリアでのファシストの示威行動に触発されて起こしたクーデターが未遂に終り、党は非合法化され、彼も収監されてしまうのですが、その獄舎内で執筆した、とされるのが「我が闘争」でした。

1924 年末に釈放されるや翌年にはナチ党を復活し、次第に右翼政党などを吸収して党勢を伸ばします(ここら最近のフランスにも似た動きがありますよねー)。
「世界大恐慌」の中、第一次世界大戦の戦後処理を配剤したヴェルサイユ条約はきわめて過酷な賠償をドイツに強いるものであったため、ドイツの国民感情に刺さった「トゲ」だったワケですが、それを無視し、むしろ国民のプライドをくすぐるようなヒトラーのアジテーションは次第に国民の多くに受け容れられてゆくのでした(ま、民族としての「誇り」だとかを持ち出す政治家にロクなのはいないのよ。ミロシェヴィッチを覚えてる?)。

ただ、この「国家社会主義ドイツ労働者党=ナチ党」の台頭を許したのはドイツ国内の意向ばかりではありませんでした。
時のローマ法王、ピオ 11 世(ピウスとも言う。1857-1939、教皇として在位したのは 1922 年から)は、1931 年に回勅「社会秩序の再建」の中で、共産主義の、一切の宗教を排斥する姿勢を「非人間的」であるとして糾弾する一方、労働組合の意義については是認し、善良なキリスト教徒である労働者には、「共産主義に与しない」良識ある中立的な組合への参加をうながしています。
それが 1933 年に、支持者の増大という事実を突きつけられた、時の大統領ヒンデンブルグによって(不本意ながらも)ヒトラーが首相に任命された時にピオ 11 世は、「共産主義と、アナーキズムに対抗し、秩序を守ろうとしている」ヒトラー政権の誕生を 3 月の枢機卿会議の席上で「支持する」と発表しているのです。
この時のローマ法王の発言は現在でも、様々な位相で論議の元となっています。

よく、ブルースは悪魔の音楽、ゴスペルは神の音楽、といった選別が話題になりますが、たとえそれが法王庁であれ、人間のいるところ、思惑と言うか、「敵の敵は味方」的な「政治」が介入してしまうもののようです。
共産主義者に比べたら、悪魔の方がまだマシだ。なぜなら悪魔は「神」を認めて「対立」しているのだから。というワケですね。
ま、ローマン・カトリックの対立勢力による、もっとも「非好意的な」誹謗では、法王庁がユダヤの民への「嫌悪(なにしろイエス・キリストはユダヤによって処刑されたのだから、と)」を持っていたがために、ナチス・ドイツのジェノサイドを制止しなかったのだ、なんてことまで言われています。モチロン法王庁は、ドイツ国内の聖職者を守るために、やむを得ず「多少」すり寄ったのだ、という見解もあるのですが。

ただし、Elmore James がやがて関わりを持つことになる「悪魔(?)」はそれではなく、西の方角、日付変更線の彼方から現れることになります

DVDを送るために郵便局に行ってみたら、また新しいサービスが出来ていて、それをススメられました。
個別にバー・コードが打たれ、それで管理するので、全流通ルートから配達終了までが完全に把握できる、というもので、新しもん好きのワタクシとしちゃあ、とーぜんそれで頼んでしまいました。
こないだ、えげれすまで書籍を送ったときも、郵便局の方がいろんなサービスを調べてくれて出来たばかりのサービスを教えてくれたものですが、ホント最近の郵便局での応対は「かなり」ちゃんとしててキモチいいです。

なにやら「あの人」は「郵政民有化」を、なんとしても強行したがっているようですが、それで、いまのこの状況はどう変わるんでしょ?
良くなる?それとも・・・

本日昼ころ、りっきーさんがミゴト、当HPの 70,000カウントをゲットされました!
郵便局へと、外出する時は 69,984(ちゃんと覚えてたんじゃなく、帰ってきて PCを開けたらこのカウントだったのねん。もちろんリセットしたら 70,034 になりましたが)だったんで、あ、こりゃもー過ぎちゃったな、と思ってたら出先でケータイに「お知らせ」が!

いやあ、また誰だか判んないひとが「踏んでって」それっきりかも?と思ってましたが、りっきーさんで良かった!

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