Searchin’ for the weigh of gold

2002-07-24
ちょっとした用事があって、市の図書館に行ってきました。
おそらく4ヶ月ぶりくらいだったと思うのですが、今回は、中央の通路の一隅にインターネット・コーナーが設置されていることに気付きました。
2 台のパソコンが用意され、貼り紙には、ひとり30分まで、と記されてあります。
通りかかった時にはどちらもふさがっており、さらにその後では、次の人が立ったまま、順番を待っていました。画面は通る人に見える位置にあるため、「ふさわしくない」用途に使用することは難しいでしょうね。

ただ、アレキサンドリアの失われた文書館の例をひくまでもなく、「図書館」というものがそれぞれの時代にあって「知のすべて」の集積した拠点であるとするならば、インターネットは、それこそウソもマコトも、真の知識も誤解も、伝聞も伝承もひっくるめて繋がりあった仮想文書館でもある訳ですから、その門戸となるべきパソコンがただ2台だけ、というのは、明らかに「不当」というものです。
最低でも十台は並べ、さらに使い慣れていない人のためのインストラクターも充分に用意して、「I.T.格差」を無くするように努力していただきたいものです。

さて、そこを出て、同じ敷地内で隣接している、市の観光館も覗いてみると、以前から観光ポイントの案内ヴィデオなどを流していた、A.V.コーナー(は褒めすぎか?)にも、パソコンが2台用意され、立ったままで操作する高いディスクではありますが、自由にネット検索も出来るようになっています。
一応、市が作成したと思われるトップ・ページが表示されておりましたが、「教えたい」事だけに偏ったページ構成で、あまり魅力的とは言えません。
試みに「ブルース 弘前」で検索してみると、当HPも出ては来ました。アクセス制限なのかダイレクトには行けず、多少の迂回を必要とはしましたが、この日記やBBSにも入ることは出来ました。
ついでに「弘前の達人」という色々なジャンルのインストラクションをしてくれる人たちをリスト・アップしたサイトも発見し、面白いので、それを表示させたままにして来ました。もし、観光客がそれを見たら、「おっ!こんないろんな達人がいて、それを望む者なら誰にでも伝えてくれようとしてくれてるのか!」と面白がってくれると思うんですよね。
街の魅力とは、そんなところからも生まれてくるのではないでしょうか?
観光というと、歴史的な建造物や遺跡などに依存しがちですが、そこに暮らし、様々な営みを通して人々を輝かせている、そんな名人、達人、変人、奇人。この存在も忘れてはなりません。
そのような市民レヴェルでの情報ネット・ワークを、市が「とり込む」のではなく、その存在を「認知」し、市の公式サイトから縦横にリンクを伸ばして行くことで、始めて「価値のある」情報として、多くのアクセスを受けることになるでしょう。

ひところ、中央からの情報に対抗し、地方からも情報の「発信」を、などと言う寝言が随分蔓延したことがありました。
「情報の発信能力」などと言う「空疎」な呪文がひとり歩きして、多くの自治体がムダなドリョクにうつつを抜かしていたものです。
情報は「発信」なんて出来るものではありません。情報は「収集」するものです。
考えうる、ありとあらゆる情報を収集し、集積する。整理し、ディレクトリを構築し、ひとつの「体系」と言えるまでに発展した時、発信などするまでもなく、自然に情報を求める触手がアクセスを求めて来るようになるのです。

その意味で市のサイトは合格点にはほど遠いですね。
アクセスして来る側のニーズにあまりにも鈍感で、せっかくの可能性を生かしきってないのがもったいないです。
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