Juke Little Walter 2005-03-04 FRI. | 昨日の My Little Machine じゃ、めっちゃ陰気かつヘヴィに持ってった主犯格(?)の Little Walter でございましたが、一転して、華のある名曲(?)でございますよ。 この Juke は 1952 年 5 月12日に録音され、Checker 758 としてリリースされるや大ヒットとなったもので、カップリングは Can't Hold on Much Longer でした。 で、みなさま、ご自分がベーシストとなって、あるいはサイド・ギタリストとして、楽器を持ってこの曲に合わせて弾いてみたことがおありでしょか? ま、ドラマーでしたら、なにもフル・セットじゃなくても、手で膝を叩くラップ・トップ・ドラミングでもいいのですが。 そーしますってえと、2 コーラス目に入ったとこでリズムが「ひっくり返る」んですねえ。 うへっ!なんてこったい! ブルースでも、「聴くだけ」で楽しんでおられる方はお気づきにならないかもしれませんが、一緒に弾いてみると、もう一目瞭然(ん?一目じゃなく「一耳」でしょか?)です。 2 コーラス目がグズグズ。 しかしそれでもそこで止まって全員で爆笑、ってこともなくなんとか帳尻合わして最後まで行っちゃうんだから面白いですねえ。 でも、それじゃあ、そこんとこがひっくり返ってない Alternate Take( CHESS/MCA 9168 Super Blues に収録)のほがいいか?ってえと、そこらはちとビミョーでして、Little Walter のハープ自体のイキオイっつうかプレゼンスじゃ、やはり別テイクより遥かにいいんですよ。 あっちじゃ曲全体としちゃあテンション上がってるよな感じなんですが、相対的に Little Walter センセ、ちょっと「気が抜けた」感じがするんで、ま、ワタシがプロデューサーだったとしても、やっぱこっちでリリースしてたでしょね。 それに Juke ときたら、あのイントロ!っつう、もう「刷り込み」が完成されてるせいか、別テイクは、え?これ Juke?ってなっちゃうんですよ。 もちリズムはひっくり返らないし「形式」としての音楽っちゅー意味じゃ出来は上かもしんないけど、エモーショナルなもの、「熱」みたいなとこで差が出てるよな気が⋯ それにイントロからバックが入ってくるとこの「視界が開けてく感じ(?)」これがある種の快感なんですねえ。 別テイクじゃ、そこがちとせせこましい、っつうか窮屈な印象。 さて、某板で話題となっておりましたハイハット・ワーク、「エコー・チャンバーはたまたマニュアル(?)エコー」もこの曲では実にたっぷりと楽しむことが出来ます。 別テイクでは音密度が上がってるせいか、さほど鮮明ではございません。ま、だからこっちがいい、ってんじゃないんですけどね。 CHESS 9192 The Best of Little Walter 他に収録。 さて、ここでとある資料では『バックはその後の the Jukes(このときは確か Little Walter & His Night Cats だったんじゃなかったっけ?)』とあるのでございますが⋯ さて、この Little Walter、1952 年には有名なインスト・ナンバー(彼自身は "Your Cat Will Play" と名づけていましたが、発売されたときのタイトルは)Juke をリリースして R&B チャートのナンバー・ワンを獲得、イキオイに乗って(?)Louis & David Myers、そして Fred Below を揃えたバンド、the Jukes をスタートさせております(ただし、Little Walter And The Night Caps って名前になってる資料もあります。─theiceberg.com─ 「Sad Hours」や「Mean Old World」の後で the Jukes になった、と)。 一方の Alternate Take もたぶん同じメンツだと思いますが、もっとギターもウルサいし、ドガチャカ度もアップしておりますですよ。 これはこれで別な面白さもありますが。 ワタクシ自身がギターであるせいもあって、どしてもギター弾いて歌うブルースマンに流れちゃうんですよね〜。 ですが Little Walter はなんかしらんけど「別格(?)」なんですわ。 ってのには曲の良さ、ってのが大きいよな気もしますけど、彼のヴォーカルの距離感がイイってのも大きいのかもしれません。 さてバックでのハープ、っちゅう位相ですとまたぜんぜん「ちゃう」かたがたが浮上してまいります。 まずは Frank Frost の Mojo Workin' のバックでリフを配しておる Arthur Williams ですね。このハープが異常に(?)好き! そしてバッキングでのハープってだけじゃなくヴォーカルも好きな Carey Bell。特にファンキーなナンバー( Low Down Dirty Shame とかね!)でもこなしちゃうとこがまたイイ! そして「もろブルースじゃない曲ではいっそう輝く(?)」Billy Branch もいいっ! でも⋯もしメンバー募集するにしてもギター、ベース、キーボード、ドラムが対象で、ハーピストは募集するプレイヤーには含めないだろな。 それって「こじつけじゃない?」なんて言われそうですが、ワタクシの「好きになったブルース歴」を見てくと、Albert King に始まって Freddie King、Elmore James、Hound dog Taylor、そして Gatemouth、Albert Colins てなふうに続いてくんですが Elmore 以外は「バックにハープなんて合わないだろ」てなかたが圧倒的な気がするんですよね。 どしてもギターに目が⋯じゃなく耳が(?)行きますから Eral Hooker や Jimmy Spruill てなとこが好きになって⋯どしてもハープの「いない」音場がメインになっちゃう。 手拍子やフット・スタンプ「だけ」にアカペラで歌うブルースってのがミニマムなフォームだとすると、それに楽器を足してくとしたら「ワタシ的には」真っ先にギターなんですよね。次に加えるったらヴォーカルに絡めるアシストのギター。 そっから先はベースかピアノ。次は「いなくってもかまわないけど」ドラムかな。 で最後(?)がブラスとハープ、って感じ。 そう。ワタクシが自分で演るブルースに関してはハープが欲しい、なんて「ぜ〜んぜん」思わないんですよ。別にハープが嫌い、ってことはないですけど「いらない」てな扱いかな? ってのは、ハーピストのナンバーで「そのまま」演りたい曲ってのが無いせいかも⋯ Carey Bell の Low Down Dirty Shame だけはハープがメインのリフ入れてるんですが、その部分はオートワウかましたファンキーなクラヴィネットでやりたいくらいで! |
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No.1046