I've Been Loving You To Long

Percy Sledge


2005-03-15 TUE.


え? I've Been Loving You Too Long と言ったら Otis Redding でしょ!
とか、それに Percy Sledge と言ったら When a Man Loves a Woman だべ!っちゅうツッコミは、まことに「ごもっとも」。

ではございますが、そこはホレ、ちょっとオカしいワタクシのことでございますから、このよーなセレクトになるのでございますねえ。
それに Otis Redding の I've Been Loving You Too Long にしても、逆に Percy Sledge の When a Man Loves a Woman にいたしましても、こりゃもう「定番中の定番」でございましてワタクシなんぞが出る幕は「無い」のでございます。
その点、Percy Sledge の I've Been Loving You Too Long となると「えっ?」てなことになるでしょ?
ところで、誰かさんみたく '70 年代からバンドやってたりすると、まあ、一度は Otis Redding のナンバーなんて「やってみたい」なんて野望を抱きがちなものでございますが、やってみますってえと、これがアナタ!なかなか容易なことでは無いのでございますよ。

あの These Arms of Mine なんて、ああ、これをカンペキに歌いこなせるんなら魂のひとつやふたつ売り飛ばしたっていい!なんて思った(実際にはすでにワタクシの魂は多重債務ジョータイですから「売れません」?)ものですが、いやとてもとても⋯懐かしい日々でございます。

ま、それはともかく、ワタクシなんぞはとーぜんといたしましても、他のカヴァーなどでもやはり Otis Redding と比較してしまうと⋯ねえ。

以前、某女性歌手の歌う These Arms of Mine も聴いたんですが、ま、あえて論評は避けさせていただくとして、どしても「無いものねだり」みたいになっちゃいます⋯
で、この I've Been Loving You Too Long ですが、バックも含め、かなりオリジナルに肉薄はしております。されど、肉薄すればするほど、些細な相違点に意識が集中してしまうのは避けられませんよね。

それでも Percy Sledge らしい個性のきらめきはありますが、むしろ Otis Redding を意識してるんじゃ?ってとこがちょいちょい気になるのはしかたないのかな。
もちろんワタクシなんぞ足元にも及ばないレヴェルなのではございますが、どしても Otis と比較されちゃうのは、この曲を選んだものが背負わなくてはならない十字架なのね〜。

I've been loving you too long・・・

という歌い出しから、相手の女性が二人の関係に疲れ、少し距離を置きたいと思っていること、でもこちらはあきらめてはいないことを情感たっぷりに追って行くこの曲、どうやら Otis Redding と Jerry Butler(あの「大甘」の Make It Easy on Yourself やら For Your Precious Love でお馴染みの Jerry Butler ですが、馬鹿ラック⋯じゃなかった、バカラックの Make It Easy on Yourself と言えば、遠〜い記憶の中でなんだかやたらカッコつけた白人が「朗々と」歌ってたシーンが「うっすらと」残っているんですが、アレって誰だったんじゃろ?
なんだかワタクシのアヤしげなウロ覚えの断片を寄せ集めると、スコット・エンゲルたらいう「当時の」ヴィジュアル系バンド「ウォーカー・ブラザース」のが歌ってたような⋯)が Buffalo のホテルの一室で作った、とされとります。

例の When a Man Loves a Woman のヒットが 1966 年の夏ですが、その翌年の 8 月にリリースされた Atlantic SD-8146 The Percy Sledge Way に収録されたこの曲は、その同じ年の 12 月に飛行機事故で急逝する Otis Redding の運命を知る筈もなく、むしろその Otis Redding のプレゼンス、というものをあらためて認識させてくれたように思います。

そして、この Percy Sledge の I've Been Loving You Too Long を聴いた後、やはり Otis のをあらためて聴いてしまうのでした。

さて、Otis の I've Been Loving You Too Long ( To Stop Now ) ですが⋯
1965 年 4 月19日に録音されています( Volt 45-126 。カップリングは I'm Depending On You )。R&B チャート 2 位!Pop チャートでも 21 位まで登った Otis Redding にとって生前では最大のヒットです。

ところで、さほど期待せずにいきなり遭遇したせいもあるのでしょうけど、Etta James の I've Been Loving You Too Long が「エッタ節」としてミョ〜にフィットするのか、Otis とはまた違ったプレゼンスを持っているように思えましたっけ。
他にも I've Got Dreams もエッタ化(?)しててなかなかいい。
Try a Little Tenderness だってトークっぽかったり、メリハリが面白いけど、Otis 信者からは貶されるかもよ。

え?I've Been Loving You Too Long、Percy Sledge と Etta James じゃどっちがいいか?
あのねえ、いいかどうかじゃなく好き、っちゅうんなら Etta James だな。

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