I Got a Rich Man's Woman

Carey Bell


2005-03-24 THU.


日本でもひところ(あ、今だってさほど話題にはならないけど、決して絶滅したワケではないよね?)一世を風靡した(?)ある種のオンナたち、やれオトコは三高でなきゃイヤだ、とか食券なんかある店にアタシ連れてく気?なんてぬかしておった高飛車な女性がたいそー目立っておったものでございますが、さすがアメリカじゃあスケールが違いますぜ。

日本じゃルイ・ヴィトンなど同じものを複数のオトコに貢がせて、ダブったぶんは売り払う、なんて貧乏ったらしい詐欺まがいのオンナが話題になりましたが、この I Got a Rich Man's Woman に出てくるのは、そんなセコいんじゃございません。
キャノジョの髪の色にマッチしたミンクのコート(!)を買ってやっても、そんなの当たり前だから、普段着にしちゃう。
無理してフル・サイズのキャディラックを買ってやったのに、へーきで、これカルマン・ギア(フォルクス・ヴァーゲンのエンジンやランニング・ユニットを流用してスリークなクーペ・ボディを架装したクルマで、日本でもタマにコアなファンがいますが、アメリカじゃ、ショボい、ボロい、ちゃっちいつー「悪いイミでの」オモチャ扱いされてます)?なんて言い放つ・・・

あ、ただし、日本盤のライナーに付属した歌詞では

I bought my baby a Cadillac
She said that just a common gift

つまり「ザラにある普通のギフトね」となっておりますが、おそらく、これ聴き取りしたひとは Cadillac と Karmann Ghia の対比(っつーか、そもそもカルマン・ギアなんてクルマ、あまり知ってる人いないか?)なんてジョークも知らなかったんでしょね。

なんて言ってるけど、Karmann Ghia ってのだって某サイト(ただし USA)のを信じればってことですから、ヒョっとしたら判んないですけどね。

もうアタマから Carey Bell のハープが全開モードで、「こってり」とへヴィーでスローなブルースを刻んで行きます。
そのバックでメーカー不詳ながらも( Fender Rhodes じゃないことは確か)サンプリング音源っぽい「電子ピアノ」らしいので時に華麗に、饒舌に、またドラマティックなフレーズを散らしているのは、さすがの Lucky Peterson でございます。
このアルバム Deep Down Alligator ALCD-4828 では、他の曲でも Lucky Peterson のとても特徴的なピアノ・ワークが楽しめますが、オーソドックスなピアノ・ブルースのファンには受けが悪いかも?

そして、ちょっとひしゃげた音で泣きまくるギター・ソロは、ライナーには特筆されておりませんが、これ Carl Weathersby じゃないでしょか?
ま、違ってたら、その道の権威(?)江戸川スリムさまからツッコミが入ると思いますので、この記載がそのままだったら Carl さん、っちゅーことでおます。
なかなか腰の座った骨太なベースは Albert Collins とこでもやってた Johnny B. Gayden、ドラムは Ray "Killer" Allison でサイド・ギターが息子の Lurrie Bell(だと思う・・・)。

この曲は不肖ワタクシめもかなり「歪曲して」演奏いたしておりますが、やはり、タマにこの Carey Bell を聴くと、ナマった感性がリセットされますねえ。
ま、リセットされてあの程度か?っちゅう声もおありでしょうが。

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