I Have the Same Old Blues

Magic Sam


2005-03-28 MON.


土曜夜のセッションは、ひさびさに気の合う仲間と充分に遊べた、って感じがありましたねえ。 ホント、いつもこんなだったらいいんだけど、それを言っちゃあおしめえよ⋯ってヤツだな。

祝祭のひとときが終わり、そしてまたそれぞれの日常に帰っていく⋯

とゆうところで、日常的なテンションでもスゴい Magic Sam でございます。
いかにも軽やかなミドル・テンポのブーギですよね。
あの Ann Arbor でのライヴに比べれば、ホントに Light で Cool、しかし、それでいてなかなか緻密な感じのするナンバーじゃないでしょか。

1968 年の 10月23日と 11月 7 日の二度にわたって録音されたアルバム Black Magic に収録されたナンバーで、Eddie Shaw のサックスがバックでけっこう利いてますが、サックス・ソロも過剰なとこがなくていいですねえ。

それと、あまり目立ちませんが、これもバックでけっこうイン・テンポな(つーか、Magic Sam のブーギのリズムにいまひとつ「乗れ」てないよな気がするんですが⋯なんかひとりだけスロー・ブルースでのバッキングみたいな散らし方をしてるみたいな⋯)ピアノをちょこちょこバラ撒いてる Lafayette Leaks もなかなか面白いんですよ。
一方、ぜ〜んぜん目立たないのがサイドを切ってる Mighty Joe Young です。
ま、別に目立てばいいポジションじゃあないんで、これはこれで正解でございましょう。まさにサイドマンの鑑(かがみ)、ってヤツですね。

I'm Tore Down みたいなリフで刻むベースは Mack Thompson で、ワタシ好みの軽いスネアの音とあっさりしたシンバル・ワークでリズムを軽く浮上させてくれてるのは、ああやっぱり、の Odie Payne です。
もう彼のドラムは弘前での Eddie Taylor ライヴの折に、至近距離で体感いたしましたが、あの「軽々と」感(?)は一方の巨頭(とワタシが決めたんじゃ) ズンドコ・ドラムの Ted Haevey と並んで、まさに理想の(?)ブルース・ドラムでございます。

ここでも彼のドラムは多少シンコペートしすぎってとこもありますが、独特の軽さを演出をしております。この、スネアのパラララララ⋯ってのが隠し味かな?

さて、もちろん Magic Sam のギターもさほどリキんではいませんが、サラっと弾いてるワリには効果的に曲をシメてますよね。
弾きまくるだけが能じゃねえなあ(⋯なんて、あの Flag Stop Boogie でバレてると思うけど、エラそーなこと言えた立場ではないのでございますが)。

そして、このけっこーリラックスしてるよに聞こえる Magic Sam のヴォーカルがまたいい!
「命を削るように」なんて形容されたりもするあの Ann Arbor もモチロンいいのですが、ワタクシといたしましては、ことこの曲に関する限り、このテンションが正解じゃないかな、と思っております。
特にイントロの軽やかなギターからすっと、このヴォーカルの距離感はまさにぴったし、っつー気がいたしますよ。

にしても、このギター、いい音してるなあ⋯

なんかタマ〜に遭遇する「ブルースっちゅうたら酒・タバコ・おんな!」てな勘違いオトコのアタマのなかってどうなってんでしょね? え?カラっぽ? かもな〜⋯

ハード・ボイルド小説の作家がこっそりホンモノの拳銃を入手してたのがバレて逮捕された、っちゅうおマヌケな事件がかってこのニホンでもあったんですが、そうゆう「なりきっちゃう」ってのが知能が足りないヤツのトクチョ〜だよね。
だから、そいつの勝手な思い込みで「ブルースマンちゅうのはこうであるハズ」と決めつけた「なんのコンキョもない」たわごと「オトコは黙って直アン(エフェクター無し、アンプ・ダイレクト)」やら「オトコならヘヴィ・ゲージ!」てなくっだらない「生きざま」をほざくワケ。

だいたい「いきざま」なんてコトバを平気で使える(あ、おちょくって使ってるんなら別だよ)ヤツってほんとアタマ悪いのばっかし。
そうそう、「オトコは〜」なんてセリフ自体、自分がオトコであることに縋り、ニンゲンテキな成長よりも、手前味噌な狭小な価値観に逃げ込んでるだけっちゅう強力な証拠でしょ。
オトコは黙って直アン!なんてホントに思ってるんなら、それは周囲がどうであれ、オレはその道をいくっちゅうことであるハズでしょ? なのに「いちいち」他人にそんなくっだらない偏見を「得意そうに」披瀝するってのはかな〜り「情けない」じゃん。
まして、エフェクター使ってるヤツを蔑むよな目で見たり、聞こえるように「オトコは黙って直アン・・・」とかつぶやくなんてねえ。 そんなの「黙って」ちゅうのに反してるぜ。

ケッキョクはオレのほうが上位だ!と「思いたいがゆえ」の「お守り」でしょ?
自分が勝ってる(と思い込んでるだけ)とこを作っとくっちゅう低レヴェルなプライドの安全弁。

こと音楽に関しては、どんなエラそなゴタク並べようと、ケッキョクは「音」で決まるんですよ。
ヘヴィ・ゲージだろがペナペナの弦だろが、あるいは直アンだろがマルチ・エフェクター使ってようが、いいプレイは聴いてるひとに「もたらすもの」があるの。
そんなご都合主義的な思想(もどき)がどうだろうと、実際のところ、直アンだから、ヘヴィ・ゲージだから、って「素晴らしい演奏が出来る」ってなワケないじゃん。
あ、直アンやヘヴィ・ゲージがダメってことじゃなく「関係無い!」ゆうてるの。 こだわるとこ間違えてるよ。 

ま、「完コピ馬鹿」同士の対決じゃ勝負がつくのかもしれんけど!

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