Phillips Goes Bananas

Brewer Phillips


2005-04-02 SAT.


なんですか、昨日はエイプリル・フールとやらで、あちこちでつまらないウソが飛び交っておったのでしょうねえ。
いやもうワタクシくらいになりますってえと、せめて 4 月 1 日くらいは丸一日、いっこもウソをつかない日にしよう、ってなもんでございます。

ところでおフランスには「四月になったからといって、糸いっぽんも薄着になるな」っちゅうコトワザ(?)があるらしいですねえ。浮かれたいキモチは判るがまだまだ寒いんだからユダンしちゃいかん!ちゅうことらしいのでございますが⋯
そのフランスでは四月一日をもって学校での暖房を停止するとこが多い、っての聞いて笑っちゃいましたよ。まさに「お役所仕事の悪しき側面」ってヤツでしょう。

とまあ、そんなこたあどうだっていいんですがあちらこちらで「新年度」を迎えててなにやらドタバタしてる世の中でございますが、この BLUES日記もいっそのこと、新しく別なブログにしちゃおか?とも思ったのですが、そーなると Blues After Dark のトップ・ページの ARCHIVES ってのにもひとつ「 III」っての作んなきゃいけないんでメンド臭くなってヤメちゃいました。
さいわいまだ容量にも余裕あるし、画像だって他のとこでアップして、っつー手を多用するよになったんで、まだまだ当分イケそうです。

さてこっからは本題に入りまして、と。
Hound Dog Taylor のアルバムには必ず Brewer Phillips の演奏するインストが収録されてるんですが、このアルバムでは Fender Bender とこの Phillips Goes Bananas、そして Brewer Phillips のヴォーカルをメインにした Kansas City までが入っておりまして、ま、あまり多くはないとは思いますが Brewer Phillips ファンには、とっても魅力的な一枚と申せましょう。

ところで Phillips Goes Bananas ってナニ?ちゅう疑問をお持ちになられるかたも多いかもしれませんねえ。
Bananas ってのは地名なの?カレがそこに行く、ってこと?なんておっしゃったかたもおられましたが、この場合の bananas は正気を失った、あるいはイカレた、を意味するスラングでして、それでいくと「フィリップス、アタマおかしくなる」って意味のタイトルなんですねえ。
まあ、音を聴くかぎりでは「それほどでもないんちゃう?」って感じですけど。

イントロこそ汚らしい⋯うっぷす、ツブれた、いかにもな Hound Dog Taylor サウンドのギターで入りますが、スグに Brewer Phillips ならではの逼迫感のある弾きまくりギターが始まります。
この隙間を作らない、次々と音を詰め込んでく一種、酸素欠乏気味のインスト・ナンバーですが、まさにこれこそ Brewer Phillips の面目躍如、そしてなにより、the Houserockers が紛れも無い「ダンス・ミュージック」のバンドであることの証しであるかもしれません。

いったん始めちゃうとガンガン呑みながら、何時間でも演奏し続けたといいますから、そりゃ Ted Harvey も演奏中に居眠りもしますよ。
そんなときは、この Brewer Phillips がそっと Ted Harvey の後ろに忍び寄り、いきなり Ted の後頭部を平手でひっぱたいて起こした(!)そうでございますからねえ。
え?ドラム叩きながら寝るなんてありえない?うへへ、あんたねえ、単調なブーギを連続で 30分も演奏したことはおあり?
完全には寝てないけどアタマがモーローとしてリズムが死んでくるのよねー。そんなときなのです、Brewer Phillips が背後に忍び寄って来るのは!

そーいえば Ted Harvey って楽屋裏の段ボールの中で仮眠して、それを誰も見つけられなくて「いないっ!」って大騒ぎになった、なんてエピソードもありましたよね、確か。
ふだんっから眠たいヤツだったのかも?
でも、なんだかんだ言ってもこの三人はワタシにとっちゃブーギ史上、最強にして最高のトリオだなあ。え?最強つ〜より「最凶」だろ? あははははは〜⋯

Hound Dog が死んだ後、かわりに誰かスライド弾くヤツを、ったっていませんよねえ。
Hound Dog のかわりなんて。

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