I'm Gonna Make You Love Me

the Supremes


2005-04-18 MON.


この曲はもちろん the Supremes のナンバーとして知られておりますが、同時にここではそのオープニングからコーラス・パートに及ぶまで、その重要なキーは the Temptations が握っているということもみなさまご存知のことでございましょう。

さて、ワタシにとっての Pre-Blues Years、それでも「なんとなく」黒人音楽に向かって行く契機となったのは以前採り上げました the Platters だったように思えるのですが、その系譜として the Ronettes の Be My Baby 、the Four Tops の I Can't Help Myself に It's the Same Old Song 、さらに Reach Out, I'll Be There そしてヒット連発の the Supremes という流れがあって、当初はどちらかというと「ヴォーカル」偏重でブラック・ミュージック(あ、ここらのポップ・コーラスなんぞ「ブラック・ミュージック」とは言えん!なんてケーベツするむきもあるようですが、ワタシにとっちゃ、あの「声質」そのものが「憧れの」ブラック・ミュージックだったワケでして、それがゴスペルのもつネイティヴな「血の熱さ」を持っていないからって「軽視」するのはサンセーできませんねえ)に親しんでいたものが、ストーンズによってギターと歌の結合、という別チャンネルが生まれ、それが黒人のヴォーカルと「スパークして」一気にブルースへ、というルートを辿ったもののようです。

そんなブルース以前の時代にあって、まず気に入ったのは、特に女性コーラス・グループのリード・ヴォーカリストの「声」そのものでした。
もちろん Be My Baby という曲自体も実によく出来ていましたが、それにしてもあの Ronnie Bennett(本名 Veronica Bennett。1943 年 8 月10日生まれ。1944 年 7 月22日生まれの妹 Estell、そして 1947 年 1 月27日生まれのいとこ、Nedra Tally の三人で 1959 年に結成した the Darling Sisters は Apollo Theater でのアマチュアのコンテストで優勝し、それが契機となって 1961 年から本格的な歌のトレーニングを開始し、Peppermint Lounge でデビュー。そして Colpix レーベルからファースト・シングル I Want a Boy を Ronnie & the Relatives 名義でリリースしています。
そこそこのローカル・ヒットにはなっていたようですが、彼女たちのブレイクはフィル・スペクターと出逢ってからのことで、まず自身のレーベル Philles に所属させ、まずヴィジュアルでも、高く盛り上げたヘア・スタイル、どぎついくらいのアイ・ライン、そしてタイト・スカートという演出を導入しました。そうやって用意された Philles レーベルからの第一弾が Be My Baby だったのです)
の声!
ホントに「卑怯(?)」です!

同じように Diana Ross の声もまた( Ronnie Bennett ほどじゃあないけど)実にキュートで、適度にふてぶてしく(?)魅力的ではありましたが、そんなときに、いつもの Wooh wooh というコーラスに乗って Diana Ross の声が聞けるものと思って待っていたら聞こえてきたのが、この Dennis Edwards の

I'm gonna do all the things for you a girl wants a man to do
Oh Baby

と歌う、あくまでも滑らかな声でした。
いやあその時のショックと言ったら!
なんという声!
モチロン後からそれを追って Diana Ross の歌も入ってくるのですが、このときほど彼女の声が色褪せて聞こえたことってありませんでしたねえ。

そりゃ 1965 年の大ヒット(ま、ある意味、この曲はただの「大ヒット」なんて表現じゃ足りないくらいの「大、大、大ヒット」あるいは「超大ヒット」くらい言わないと足りないくらいのヒットなんですが) My Girl でこの the Temptations の存在は知っていましたが、この 1968 年の I'm Gonna Make You Love Me の出だしであらためてその実力(?)を思い知らされたものでございます。

ま、ここでショックを受けたからって、なんだ Diana Ross たいしたことないじゃん、なんてことにはならず、今でも the Supremes 時代のナンバー(ベストはねえ、意外かもしんないけど I'm Livin' in Shame ─邦題「スラムの鳩」!)は好きでございますよ。
ああ、でもブルースにのめりこんでからというもの、ずいぶん長いことこの手のヴォーカル・グループを聴かなくなってた時期がありましたねえ。

それが、フとワゴン・セールで懐かしい the Platters を買ってから、時々死蔵されてたそんなソースを引っ張り出してきて聴いたりしております。
でも、どっちかってえと、そゆノスタルジックな方向って、あまし調べると( Biography とかね)なんかイメージが変わってきたりするんで、誤解は誤解のまま(??)にしとこうか?なんて気もいたしております。

とゆーワケで Ronnie Bennett はちと引っかかりましたが Diana Ross も Dennis Edwards もほったらかし。

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