Sloppy Drunk

Leroy Carr


2005-04-19 TUE.


Sloppy Drunk と言えばみなさまはどなたのヴァージョンを思い浮かべるのでしょうか?
いちばん多いのは Jimmy Rogers でしょうかね?もちろん B.B. だ、なんて方もおられるでしょうし、ワタシみたく、そりゃもう Eddie Taylor がヨい!なんてのもいて、あるいは Sonny Boy Williamson を忘れちゃいけませんぜ!つーお方もおられるやもしれませんねえ。
特にピョコピョコと跳ねまわるよな Blind John Davis のピアノと、「酔っぱらい」にふさわしく千鳥足ウォーキングを披露する Ransom Knowling のベースに乗って展開する(録音は 1941 年 7 月 2 日 Chicago ) John Lee Williamson の Sloppy Drunk はなかなかいい味を出してますからねえ。

ま、でもたいていの方々は 1954 年の Jimmy Rogers の Sloppy Drunk を思い浮かべられるのではないでしょか。
そこいくとワタクシが自分でもこの曲を演奏するようになったキッカケである Eddie Taylor、Ready for Eddie での Sloppy Drunk っちゅーのは少数派でしょうね。

で、もしかすっと同じくらい少数派かもしんない、ってのが、この Leroy Carr の本家(?) Sloppy Drunk でございます。

特徴的なリフを低音弦で唸らせるピアノに Francis "Scrapper" Blackwell のちょっとか細いギターが絡んでくるイントロは充分に特徴的で、そこにもはや酒無しじゃ生きて行けねえ、みたいな確信犯的「酔っぱらい」ソングが綴られて行きます。
え? Scrapper Blackwell は密造酒を生業としてたんだからよけい酒をススメる方向に持って行きたかったんだろ? あははは、そりゃあるかもね〜
Scrapper Blackwell のギターまでもが煽られて酩酊気味のソロ(でも勢いはありまっせ)で「つきあって」さらに盃は進む、と。
う〜ん、この勢いで呑んでたら、そりゃカラダ壊すよなあ。

まさにこの世界は彼の現実でもあったようで、みなさまご存知のよに、言わば「呑み過ぎ」で死んだよなもんですからねえ。
この録音( 1930 年 9 月 9 日 Vocalion へ)から 5 年後の 1935 年 4 月、徹夜のパーティで呑み倒した Leroy Carr が文字通り「倒れ」て還らぬ人となりました。
みなさまも呑み過ぎには気をつけてねん。

あ、ついでと言う

ついでながらそのかっての相棒 Scrapper こと Francis Hillman Blackwell が Indianapolis の路上で撃たれて死んだのは、う〜んと後の 1962 年10月 7 日のことでございます。この事件はそのまま迷宮入りとなったようで、動機・犯人ともに不明だとか⋯

例のライトニング・イン・ア・ボトルで King Bee でのベースなんですが、ちょとしつこ〜くスロー再生、コマ送り再生しつつチェックしてますが、なんたって後方にいるもんでピント合ってないし光量不足で不鮮明じゃ「わっかるワケ無い」ほでございます⋯

つ〜か見れば見るほど、なんだよ〜この人選はっ!てハラ立ってくるな。
ワタシがプロデューサーだったらゼッタイこんなヤツ出さねえっ!ての多過ぎ!ソロモン・バークにロバート・クレイ、ドクター・ジョン、ジョン・フォガティ、ケブ・モ、オデッタ、ボニー・レイット、ヴァーノン・リード、スティーヴン・タイラー⋯まったくロクなもんじゃねえな。
まあ、スポンサー・サイドに押し切られてんのかもしれんけど、見られてよかった!ちゅうのは David HoneyBoy Edwards に Hubert Sumlin、Gatemouth に Buddy Guy ってとこかな。

まあ、薄っぺらな好奇心程度でこれを見て、そっかブルースってこうゆう音楽か、なんて思われるのはイヤだよ。
まあ、この「映像作品」は別に学術的資料を目指したワケじゃないから「こんなもんだろ」ってとこか⋯

permalink No.1092

Search Form