Gambler's Blues

Sam "Lightnin'" Hopkins


2005-04-25 MON.


Gambler's Blues と来たらそりゃもう 1972 年の Ann Arbor Blues & Jazz Festival ( Atlantic P-5090〜1A )での Otis Rush でございます。
チューニングがちとアヤしかったり、後半ややダレとるとは言え、やはりあの Gambler's Blues は忘れ難い出来なのでございますよ。

⋯てな導入部を見ると、えっ? Lightnin' があの曲を?ってダマされるかもしれませんが(なんちて、そんなひとはいないって)、ま、たぶんみなさんご存知のこってしょうが、こちら、まったくの「同名異曲」でございます。

知ってると思うけどワシゃギャンブルで稼いでたことがあるのさ
じゃがそれも束の間じゃった
アっちゅう間にすかんぴんだよ
カネは天下の回りものっちゅうワケだな

有り金ぜんぶすっからかんさ
ロクでもない賭けに手を出しちまってな
いやあついてねえよ
他に稼ぐアテもなし、ギャンブルするしかねえ


てなやたら景気ワルい前半と、このクリアーなギターを活かした落ちついた重心の低いブルースがまことに良くマッチして、そっかあ、そーだよなあ、悪銭、身につかず、っちゅうしね。ギャンブルなんてロクなもんじゃねえ・・・と思わせといて

おまえさんがそのロクでもねえカネを全部スっちまったら
ガックシうなだれて座り込むよな
なあに翌朝にゃそんなことケロっと忘れて目を覚ましな
なんたって俺は街一番のギャンブラーなんだ、ってな


ま、最後の一節、I'm the best gambler in this town ってのが、言い聞かせてやってる相手の「お若いの(たぶんね)」に、そんな気概でもって邁進せよ!なんて意味じゃなく、ワシ(つまり Lightnin' )は街一番のギャンブラーなんだから、その言うとおりにしな、ってことかも。

ま、どっちにしても、こいつら、いくらカネをスろうと、ぜ〜んぜんコリちゃいねえ、ってとこは共通してますねえ。
日本でも「ギャンブル依存症」っていうか、Sara-kin から借金してまでパチンコやらスロット・マシンにつぎ込んでるビョーキの方が増えておるのだそうで、タバコをやめられないのと一緒でリッパな中毒症状ですよ。ヤメない理由をあれこれ屁理屈で糊塗してるとこも同じ。

だいたいやね、現に「借金がある」ってことだけで、絶対に収支はマイナスだ!ってことに気付くハズじゃん、まともな思考能力があったらさあ。
そこが「中毒」で麻痺してますから「勝った」時の印象しか残らないよになってるらしく、「オレってウデがいい!」なんて思っちゃうんでしょね。
それでも、中にゃあ「ホントに」それで稼いで暮らしてってるひともいるようですが、その手のプロを追ったドキュメンタリィなんて見てると、やはり一般人が足元にも及ばない研鑽を重ねておるんですわ。
それ、遊び半分でやってるアマチュアがタマに「ラッキー」にブチ当たることはあっても。毎回「必ず」は勝ててないでしょ?現に借金してるんだからさあ。

ギャンブルも、毎日同じよな繰り返しの生活にちょっとした変化を、ってな具合に「遊べる」んなら「趣味」のひとつでいいんですが、それ無しで生きられないなんてのは「ビョーキ」です。
フツーに生きてるだけでじゅーぶんギャンブルだと思うんだけどなー。いつどんな事故に巻き込まれるか判んないし。

おっとっと、ついつい Lightnin' からさまよい出ちゃいましたねえ。
こちら P-Vine/Jewel の The Jewel Recordings 1965-1969 や Bluetab BTAB CD 1000 the Ultimate Texas Bluesman などに収録。
ただ、一部の歌詞サイトではこの曲を 1967年の録音、としているところがありますが、これって 1965年の録音じゃなかったっけ?
ピアノは Elmore Nixon。

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