Jelly Roll King

Frank Frost


2005-04-29 FRI.


最初の音を聴くと、そのリヴァーブを深めにかけた音造りなど、同じ Tennesse 州 Nashville の Excello 系にも通じる「弾力」を感じますが、以前にも言ったとおり、あの Excello 独特のインダクタンス成分によるものじゃ?と思わせるクセのある f 特の暴れはさすがにありませんねえ。
それにしても、南部のサウンドに時折り見受けられるこれらの残響成分の味付けって、なんか風土的なものでもあるんでしょか?

てなことはともかく、この Frank Frost の声がまた、このリヴァーブで潤いを持たせると実に艶やかでいいんですよ。
リヴァーブ(それもチャンバーやスティール・パネル、あるいはホール・エコーによるもんじゃなく、あくまでもスプリング・リヴァーブ)の音って必ずどっかに周波数のピークとディップがあって、その「クセ」がなんだか 1960 年代ポップスのノスタルジックなトーンにけっこういい色をつけてくれたりするのですが、この 1962 年 4 月 7 日に Memphis の Sun Records で録音された(しかしリリースは Sun ではなく Phillips International PI 3578。カップリングは Crawl Back 。ただしアルバムでは Phillips International 1975 Hey Boss Man に収録されています。名義は Frank Frost with the Night Hawks。あ、1975 というのはあくまでもシリアル・ナンバーで発売年次ではありません。それは 1962 年!)このトラックでは、そこらへんの「クサい」クセも出ておらず、けっこう時代を考えれば High Fidelity なサウンドでございますよ。

この時のギターは "Big" Jack Johnson(1940年 Mississippi 州 Lambert 生まれ。Sonny Boy Williamson、Jimmy Reed、Robert Nighthawk から Carl Perkins までのサポートを行い、1961年には Memphis の Sun Studio で初吹き込み。彼は1970 年代の晩期からは The Jelly Roll Kings のシンガー、ギタリスト&ベーシストとして活躍し、1980 年代に入ってからはソロ・アルバムもリリース、2002 年には日本にも来ています。成功してからもデルタにとどまり、そこからツアーに出る生活を続けている。)で、なかなか味もクセもあるギター・ワークが活きています。

この Jelly Roll King が収録されているのは

Phillips International 1974 Hey Boss Man
Charly CDBM 36 Jelly Roll King: Charly Blues Masterworks Vol.36
EMI/ the Blues Collection 52 Frank Frost: the Blues Collection
Collectables COL=CD=5921 Big Boss Man: the Best of Frank Frost
HMG/Hightone 1006 Frank Frost & Sam Carr: the Jelly Roll Kings


の各アルバムです。しかし、アルバムタイトルが Jelly Roll Kings となっていても、この曲が入っているとは限りません。なんたって Jelly Roll Kings ってのはこの曲にちなんで命名されたバンドの名前なんですから。
したがってアルバム・タイトルに Jelly Roll Kings ってのがあっても曲の Jelly Roll King が入ってない Fat Possum 0310-2 や Charly CDCHARLY 223 なんて CD や Earwig LPS 4901 なんて LP もございますので、そこんとこよろしく、でございます。

風だけは強いのですが気温も 18 度まで上がり、HARO F-1 で公園まで行ってみます。

さすが好天に誘われて、花見に向かうひともクルマも多く、公園近くはちょっとした渋滞気味でしたが、ゆっくりとは言え流れてはおります。



↑ 定点観測ポイントでの撮影を済ませたら、いったん離脱して混雑地帯を離れ、閑静な住宅街を抜けて下町に降り、桜のトンネルが出来る西濠に行って見ましたが、まだちょと早かったかな。
ケッキョク時計回りに公園を迂回しておサンポを楽しんで来ましたが、一本裏に入ると、そこは表通りの混雑がウソのようにひとひとり通ってないシュールな空間となっていました。ま、ワタシとしちゃ、こゆののほーが好きなんでいーんですが。

permalink No.1102

Search Form