Love Her, Don't Shove Her

Carey Bell


2005-06-01 WED.


Albert Collins のベースでも知られる Johnny B. Gayden のステディなダブル・シャッフルのベースが揺るぎないパターンを基礎に打ち込んだ上に Willie Hayes のやや上ついた、でもタイトであることにかわりはないドラムが疾走し、後打ちのやや軽薄な(?)ピアノは Johnny "Finger" Iguana( Iguana?)。

まあ、この三人が作り出す High-Riser なリズムの雲に乗って Carey Bell のハープも軽々とスタント飛行をキメてくれてる、みたいなイントロがまず快いですねえ。
ついつい、これまで一曲( Lurrie Bell との Ballbuster )を除き、すべて Alligator ALCD-4828 DEEP DOWN の収録曲ばかりを採り上げておりましたが、いくらあのアルバムが好きだからってねえ、そればっかり、っちゅうのは「あんまし」と言うものでございますよ。
そこで本日は、これも Alligator のアルバム、ALCD-4854 GOOD LUCK MAN からの思いっきりチョーシいいナンバーでございますよん。
このアルバムでは Little Walter のナンバーやマディの曲も採り上げているのですが、この Love Her, Don't Shove Her は Carey Bell の自作のナンバーでございます。
時系列から言うと、DEEP DOWN の方が先なのですが、時々、あっちの方がファンキーさってえとこで「後」のよな気がしたりいたしますが、逆にこちらのほーが「もっと」ブルース(?)っちゅうことでしょか?

しかしまあ、このドラムのキモチいいこと!
こんなドラム、いないかなあ?

おやおや、大鰐の阿闍羅山の山頂まで行って帰ってくるコースに「君は足をつかずにこのコースを走破できるか!」なんてサブ・タイトル(?)がついてますねえ。
すんごい登り坂が続いても足つかないのが上級者だと?バカじゃないの!

ワタシだったら、なんの難関も無いコースを、ただ走ってるだけで楽しい!と感じられるサイクリストこそが「最上級者」だと思ってるんですけど。

前にも書きましたが「数々の困難を乗り超えて完走できたよろこび、そこに感動がある」てなイヴェント作りってヤツ「大っ嫌い」です。
楽しいサイクリング、ってのは最低限、雨や雪「じゃない」こと。暑すぎず寒すぎず、風は横からの微風で、コースには「ゆるやかな」と表現できる程度ならいいけれど、いちばん低いギアを使うような「坂」が無いこと。
そして路面はあくまでもスムースで、舗装路と言っても継ぎ接ぎだらけのアスファルトはダメだし特にレーサーのような細いタイヤなら未舗装路を走らせるなんて論外です。

なにかっつうとそうゆう仕組まれた困難を意図的に配して「克服した感動を味わわせよう」てなイヴェンターが多いけど、ほんとうに「サイクリングが好きなひと」ならキモチよくマイ・ペースで走れるだけで「幸福」なのです。そんなウソ臭い「達成感」なんて「子供だまし」でしょ。

そして責任逃れのために「ヘルメット着用が必須!」なんてぬかしくさる。ま、自転車屋はヘルメットも売れるから大賛成でしょうけど!
事故ったらヘルメットの有無が効いてくる、っちゅう以前に「そんなキケンの少ないコースを選ぶほうが何倍も大事」でしょ。
つうか、え〜?ヘルメットしなきゃダメ、なんてそんなのイヤだ!参加しない!ってひとを増やすだけだよ。

そしてもっと大事なこと、それはサイクリストはアスリートとは違います。どんだけ早く走れるか、どんだけキツい坂が登れるか、どんだけ長く走り続けられるか、なんてゆうのは「比較のための他人を必要とする」実に卑しい根性なんですよ。

自分にとって充分な速度で、気持ちよく走れたなという距離をこなせたらそれがサイクリストにとっての「至福」っちゅうもの。アスリートとは別な世界なんですよ。

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