Blues Hangover

Slim Harpo


2005-06-24 FRI.


二日連続で Chicago のハーピストでございましたが、(まったくカンケーないけど)まだ暑い日が続いてるこったし、ここはひとつ、もっと Lazy なとこもイッパツ、てな感じで、次に手が伸びたのはこの Slim Harpo の Flyright LP 520 Blues Hangover : the Legendary Jay Miller Session Volume 4 でございました。

あ、またしてもアナログ・ディスクですねえ。
なんだかこんな「ダル暑い」ときにゃ、混変調歪みだらけ、f 特だって山あり谷ありのアナログ・ディスクの丸みのついた音が意外とスンナリ来ます。
ただし、そんなこと言ってますけど、ワタクシは決してアナログ絶対主義者(?)ではございません。
過去にも何度も申し上げているとおり、たかが 5,000 円くらいのポータブル CD プレイヤーで付属のヘッドフォンで聴く音と同程度のクォリテイ(ここで言うクォリテイとは、ノイズの無さ、とか「ナニも付け足していないこと」、ね)をアナログ・オーディオ+スピーカーで出そうとすれば、その 100 倍はカネがかかるし、しかも世に言うアナログ・ディスクの情報を残さず取り出す、なんてレコード・プレイヤーは確か 200 万円近いお値段でございます。
そしてなにより、一度再生する毎に「必ず」劣化していく「レコード盤」ってもの、こいつがモンダイでしょ。
ですから友人の中でも、貴重なアナログ盤は CD 化したり(その前は MD 化が多かったんですが)デジタル・オーディオに取り込んで聴いてる、ってのが結構いるんですよ。
それでも、ごくタマ〜にスピーカーから大音量で流すアナログ盤の音にゃかなわん、なんてほざいてましたが、でも、それって中身(?)のブルースじゃなく、「音量の快感」に耽っているだけでしょ?
それはもう、オーディオ・マニアと呼んでいい領域じゃないかなあ。
そこらがちょっと違うよな気がしますね。ま、別にいいんですけど。

あ、アナログとデジタルってことで面白いのは、このアルバムのサブ・タイトルになっている Jay Miller の⋯というか結果的には、それをリリースした「 Excello の」なんですが、おそらく Excello で使用していたカッティング・マシーンのヘッドか、あるいは、そのドライヴィング・アンプに由来するのではないかと思われる、例の特有のピーク&ディップが(もちろん CD ではマスター・テープからディジタル化しますから)消えちゃうんですね。
おそらく入手したマスター・テープ(あるいはそのコピー?)からカッティングしていると思われるこの Flyright 盤でも、やはり Excello の「響き」が失せております。
ま、だからダメってワケじゃないんですが、なんとなく、あの Excello のクセが抜け落ちちゃってる音だと一沫の「さびしさ(?)」が漂うのも事実でして⋯

さて、またまたどーでもいいような道草を喰っちまいましたね。
この Blues Hangover、基本的にはインストみたいなもんかもしれません。
なかなかに Lazy なハープを主役に、そこに「語り」が乗っていく、という構成でございます。

Lord, I wonder what done happened
Ain't nobody here but me
All these empty bottles on the table here
I know I didn't drink all this by myself
I must have a blues hangover
What's this?
My check!?!
I don't have change for a grasshopper and that's two crookies・・・

てな聴き取りの歌詞みたいのも
http://blueslyrics.tripod.com/lyrics/slim_harpo/blues_hangover.htm
で見る事が出来ますが、ところどころちょっと違っておるようで、上に掲載したのは、そのサイトにあるものを下敷きにして、実際に耳でチェックして修正したものです。とは言っても、それが間違っている、ということではなく、確かこの Blues Hangover にはフェイド・アウトで終わらない、別なテイクがあったハズですから、そっちからとったものでしょう。
一応、そちらは 1960 年 6 月、Crowley での録音となっておりますが、このアナログ・ディスクのライナーではこのテイクを、それより早い時期のテイクとはしておりますが、正確な日時やパースネルなどは一切、記されておりません。
さすが Flyright(?)でございますが、ま、おそらく、Slim Harpo のバックに流れておるサックスは Willie Parker かもしれません。それ以外はちと「?」。
ま、曲のアタマから流れる彼のハープの「湿度」がなんともいえない居心地の良さを作ってくれてますねえ。ここんとこだけでも充分に価値があります。

permalink No.1158

Search Form