Cheese & Crackers

Roscoe Gordon


2005-07-02 SAT.


2002 年 7 月11日に New York で死亡した Roscoe Gordon ですが、およそその一年前に New York を襲った惨劇「 9.11 」をふまえて作られた、とされるタイトル・チューンを収録したアルバム、No Dark in America( DUALTONE 80302-01158-2 )。
このアルバムは一説によると、ある若いミュージシャンが彼にインタビューを申し込み、そこで Roscoe Gordon の音楽に対する情熱に感銘を受けたそのミュージシャンによって、この作品が産み出されるようになった、なんてのがありましたが、その「偶然」がなければ、愛妻(?) Barbara Kerr を骨癌で失った哀しみの中で「朽ちて」逝ってしまっていたのでしょうか?

そのタイトル・チューンは、あの 2001 年 9 月11日に触発されて出来た「おそらく」彼の最期の作品だったようですが、本日採り上げましたナンバー、その No Dark in America に収録されている Cheese & Crackers は、もちろん「新作」などではなく、1957 年 1 月にリリースされた SUN 257、Shoobie Oobie のカップリング曲だったもののリメイクになります。

イントロ、なにやらつぶやきつつピアノをポロロンと⋯
そっからいきなり I Don't Know に良く似たトリッキーなナンバーがスタートいたします。
他の曲では Roscoe Gordon 自身のギターが聴けるナンバーもあるのですが、この曲ではピアノとヴォーカルに専念いたしておりますねえ。
途中のよく「こなれたサックス・ソロは Jeff Coffin。
それ意外のパースネルについては、いずれもダブル・キャスティングでございますから、そのどちらがこの曲では演奏しておるのかちと判りません。
いちおー名前だけ挙げておきますと、ギターは George Bradfute と Audley Freed の(たぶん)どっちか、オルガンも Brad Jones(あ、ホントはこのひとベースも弾いてるんだけど)と Lij(このひともベース弾いてる曲があるみたい)のどっちか(ま、この Cheese & Crackers ではオルガンが聞こえてないよな気もするんですが)、ベースとしちゃ Dave Jacques か Sam Baker、あるいは Warren Pash、でなきゃオルガン組のどちらか。
ドラムも Mickey Grimm と Ken Cooner の二本立てでございます。

案外、オリジナルのライナーがあればそこらきちんと判別するのかもしれませんが、なんせ、それナシで、やむなくネット上の資料だけを頼りに書いておりますもので、いささかシャキっとせず、申し訳ございません。
てなことはさておき、このキレのいいリズムと、流すとこの滑らかさの対比がウマいですねえ。
そして、昔はやった(か?)よな、Che-----------(この間、ワタクシのストップ・ウォッチによる計測では、およそ 12.82 秒!)--------ese と、う〜んと声を伸ばすブレイクが、これライヴだったら爆笑ポイントだな、って感じで、なかなかに楽しい仕上がりとなってます。
ま、ウケ狙いっちゃそのとおりなんですが、さすが Screamin' Jay Hawkins ほどイカレてない「良識あるオトナ」のおフザケという感じで、この程度でしたら「おちゃらけ」がお嫌いな、シーリアスなブルース・ファンにも受け容れていただけるのでは?

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