Caldonia

Clarence "Gatemouth" Brown


2005-08-11 THU.


いやもう、あまりに有名なナンバーでございまして、誰のを採り上げてもそれぞれに面白いのではございますが、ここは「ビッグ・バンド」とのマッチングがイチバンよろしいこの Clarence "Gatemouth" Brown の Gate Swings Verve POCP-7241 に収録されておる、1996 年11月の18日から 20日にかけて New Orleans の Ultrasonic Studios において録音されたヴァージョンを。

お聴きになれば判ると思いますが、よくある「ブラス・セクション(ま、サックス、トランペットにもう一本サックスだったりトロンボーンだったり、っちゅう三人編成でいちおーその名がつきますが)」なんちゅうもんじゃなく

トランペット
Bernard Floyd
Bobby Campo
Jamil Sharif
の三人

トロンボーン
Rick Trolsen
John Touchy
Brian O'Neil
Richard Erb
の四人

サックスにいたっては
Ray Moore
Eric Demmer
Warren Bell
の三人がアルト

Tony Dagradi
Eric Traub
Anthony Frigo
の三人がテナー

⋯っちゅう超豪華布陣でございまして、こりゃもうリッパな「ビッグ・バンド」でございますよ。
ただし、グレン・ミラーなんぞの時代のサウンドと決定的に違うのは、そのベースでございましょう。

Harold Floyd によるそのベースはもちろんアコースティックでもアップライトでもない、もろ「エレクトリック・ベース」のトロみと歯切れをフルに活かし、ときにスラップ気味のプレイまでも加味した「現代の(?)」ベース・ランニングとなっておりまして、これにドラムの David Peters によるシンバル・レガートがウマくマッチして 20 世紀末ならではの「スウィング感」を演出いたしております。

イントロの Gatemouth のギターは、そのリズムを聴いただけで充分「その気」にさせてくれますが、それをバック・アップするブ厚いブラスの咆哮(?)がなかなかにいい感じですねえ。
とは言え、やはりそこは Gatemouth、いざギターとなると、「いかにも」な Gatemouth サウンドで、その直後の Eric Demmer のアルトによるソロよりもよっぽど遊んでる、ってのが嬉しいところでございます。
ただ、Caldonia ってえとコットンのを思い出す方も多いのでしょうが、あの手の「女声」なりきり演出みたいなもんはありません。
そこらを期待されるとちょとガッカリするかも。

あ、そうそう、これ国内盤なんですが、そうすっとあの長々と語るとこも、ちゃんと歌詞が記入されてるんですねえ。いやいやご苦労さまでございます。

さて、Caldonia ときたら「ぶるうそ辞典(の落第組の晒し首)」!

カルドニア【料理】従来、人名を現す、との解釈が一般的であったが、近年の研究により、料理名であったこと が判明している。
<作り方>まず米(ササニシキなど。コシヒカリはあまり向かない)を軽く洗い、10分ほどザルで水切りをした後 フライパンにバター大さじ 1 を入れ、刻んだ赤ピーマン、玉ネギとともに軽く炒め、塩・胡椒で味を整える。
それをやや深めの鍋に移し、そこに「たらば蟹」を茹でたその茹で汁をさし、やや堅めのピラフ状となるまで炊き上げる。
い わゆる「ご飯」ではないので、何度でも蓋を取って「炊き上がり」を確かめてもよい。
蟹は身をほぐし、一方ミソはきれいに取り出しておく。フライパンで小麦粉、バターでホワイト・ソースを作り、なめらかさが出てきたら先ほどの蟹ミソも加える。
耐熱性のキャセロールの内側にバターを薄く塗ってから先ほどのピラフを底から 2/3 の高さまで平らに敷きつめ、 その上にはほぐしておいた蟹の身をちらす。さらにその上からホワイト・ソースをかけ(下の身やピラフが見えな くなる程度)、トッピングとしてはエメンタール・チーズを糸状に削ったものを大量に乗せ、170 度のオーヴンで15分ほど焼いて完成する。極めて高温であるので敷き板、あるいは少量の塩で落ち着かせた受け皿に乗せて食卓へ。
横浜方面の一部など、これを「カニドリア」と言うところもある。


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