Hey Bartender

Floyd Dixon


2005-08-12 FRI.


おそらく、この曲はブルース・ブラザースの演奏したのがイチバン普及(?)してるかもしれませんね。
それのプロト・タイプとなったナンバーですよ。

ちょっと色気のある(?)ヴォーカルにバックのブラスがからみ、あまりピアニストっちゅう側面は活かされてないテイクではございますが、もちろんピアニストとしても(?)知られております。
ただし、ここで、彼が Blues Piano Chicago, Plus に一緒に収録されておるからと言って、たとえば Little Johnny Jones などと同じ傾向のピアニスト、と思っちゃうと、ちょっとちゃうようなんですが。
そこんとこ、ライナーを書いてる Pete Lowry によれば、彼は Versatile Performer であり、さらに Ray Charles に通じるものがある、みたいな指摘もされております。
ま、有り体に言えば、このひとを Blues Piano Chicago, Plus に入れちゃうってのがそもそもちと無理がある(あ、そこら、日本盤解説の日暮氏は『シカゴ・プラス』の『プラス』ってのがこの Floyd Dixon だ、なんて言ってますねえ)ようで、そこら、なにより「音」を聴けばナットク、てなもんじゃないでしょか。
いやまあ、「こりゃシカゴじゃない!」なんてゆーほどのアレでもないですが、「う〜ん、シカゴねえ?」てな疑問符はつきそうな音って感じかも。

ちょっと正確なフル・ネームには辿り着けなかったのですが、1929 年 2 月 8 日、Arkansas 州と Louisiana 州にも近い Texas 州東部の街、Marshall で J. Riggins Jr. が生まれました。
この街はテキサス州の入り口、という意味で「テキサスの玄関」やら「テキサス州の文化的州都」はたまた「テキサスのアテネ(!)」などと呼ばれておるようでございます。
2000 年の国勢調査では人口が 24,000 人弱というところで、かってはここでもテキサス大学への入学を巡って公民権運動の高まりを見せたこともあったのですが、しかしその時にはすでに Riggins 家はそこを離れ、Los Angeles へと移動した後でした( 1942 年、彼が 13 才のとき)。
ただし、彼がブルースやゴスペル、あるいはジャズといった音楽に親しみ、歌とピアノの両方を覚えたのは、まだテキサスにいたころだと言われています。
Los Angeles に来た彼は Charles Brown と接触を持ち、そこから大きな音楽的な影響を受けたのではないでしょうか。
そしてどうやらこのあたりから、あの Floyd Dixon という名前になったようですが、そこら、由来やら必然性やらエピソードなんてのもちと見当たりませんねえ⋯
ここで彼が入ったのが Johnny Moore's Three Blazers で、後にそのバンドのベーシスト Eddie Williams とともに Aladdin や Combo に Charles Brown スタイルのナンバーを録音したりもしています。

ただし自己名義では 1949 年に Modern と契約してジャンプ系のナンバーを録音し、そこでは Dallas Blues ( R&B チャート 10 位のヒット)を始め、(それには及ばなかったけど) Mississippi Blues などをリリースしました。
続いてかれは Aladdin に変わり、そこでは 1950 年の Sad Eyes というヒットを出しています。
さらに Telephone Blues 、そして Call Operator 210 までが Aladdin。どうやらここまでは Johnny Moore's Three Blazers がバックを務めていたようでございますねえ。
1952 年になると、こんどは Specialty に移り、さらに 1954 年には Atlantic の子会社だった Cat に移籍。
この Hey Bartender は、その Cat に吹込まれ、Cat 114 としてリリースされたものです。
そしてお馴染みブルース・ブラザースによって一躍有名になった(?)この曲ですが、Koko Taylor もやってるんですよね。
あ、そー言えばビル・ワイマンのリズム・キングスもやってるんだそーです。

ま、ざっとこーやって見て来ますってえと、どー考えても、ウエスト・コースト系のジャズ・フィールドとややオーヴァー・ラップするミュージシャンかな?って感じで、まあ、テキサス系と言えなくもないでしょが、なんだかシカゴってえセンはやはり薄いよな気がしますねえ。
ま、たまたま Blues Piano Chicago, Plus を編纂する際に、この Cat の録音も活かそうぜ!てなノリで一緒にしちゃったんでしょね。「いいんだよ、だからプラスなんだから。」てなもんで・・・


久しぶりに iTunes の Radio でブルースを聴いてみましたが、やっぱしロイ・ブキャナンとか白人もゴッタ混ぜなのねん。
ま、ブルース・チャンネルっつーより「ブルースっぽい」チャンネルってことかな?
これだったらゼンゼンちゃうジャンルのほーがいいかも?ってんでクラシック・チャンネルも聴いてみました。
でも最初に選んだとこ、ハープシコードっての?あのきらびやかな音でごてごてとしたバロック系のばっかで、これまたウンザリざます。
タマにだったらいいけど、ぜ~んぶそんなんじゃ疲れちゃうなあ。
⋯とゼータクばっかこいてますが、やはし自分でセレクトして買い込んだ CD 聴いてるのがイチバンなのね、っちゅー面白くもなんともないケツロンに達しました。

でも、クラシックだと一曲ごとに曲名がきちんと出るのに、ブルース・チャンネルはその URL にアクセスしてページを表示させとかないと曲名が判んないのね。
この時代にずいぶんとまた不便なこと。

午後からは雨になって気温が下がるかと思ったんですが、それは殆ど変わらず、湿度がぐ~んと高くなったぶん、めっちゃ蒸してまっせ!
カラっと暑いぶんにはアキラメもつくってもんですが(?)こんなふうに「蒸し蒸し」で暑いのはヤですねえ。
ところで、いつも行くスーパーの食品フロア、なんだか最近「抹香臭い」と思ったら、一隅に「お盆用品」コーナーが出来てて、そっからお線香らしき匂いが流れて来てたのね。
いつもなら美味しそーなパンが並んでるコーナーに立っても、ちっとも食欲が湧かないのは、どうやらそのお線香の匂いのせいらしいです。
ふうむ、お線香に食欲を抑圧する効果があったとは⋯
誰かやらない?お線香ダイエット!なんちて。

permalink No.1207

Search Form