I Believe I'll Dust My Broom

Robert Johnson


2005-08-23 TUE


考えてみると、この Robert Johnson に関しては 2003 年の10月29日から11月 2 日までの連載(?)でその生涯を追った後は、今年 1 月 5 日に Cross Road Blues を採り上げただけで、意外と疎遠になっておったのですねえ。
ま、某ロック雑誌のベスト 100 ギタリストには 5 位とかで登場してたから(ちなみに 4 位が E.C. だと?)ってワケじゃないですが、久しぶりに Dust My Broom の「ふるさと(?)」を訪ねて、っちゅう感じでしょか。

別にリキんでるふうでもないのに、なんかヒタヒタと迫ってくるものを感じるのはワタシだけ?
むしろバックにバンドなどつかず、彼ひとりでギターと歌の両方をやっていることが、その独特なテンションを産み出しているのかもしれませんね。
しかも、ひとりであることで、ヘタなバンドよりもよほど効果的に曲を活かしているのかも。
やや重めのブーギを切りつつも、ところどころにいれるフィルが実に効果的に引き締めているように思えます。
後には Elmore によってもっと派手に演出される半音スライド・アップする和音にしても、必要にして充分、まさに絶妙のバランスで成立してるんじゃないでしょか。
でも、もはや Robert Johnson に関してはすでに多くのことがいたるところで語られております。ワタクシごときが新たに付け加えるよなものも無いし、ヘタな紹介はこのくらいにしておきましょ。

さて、その R 誌のランキングにはワタクシのだ〜い好きな Albert Collins ちゃんも Clarence "Gatemouth" Brown クソじ・・・うっぷす、翁も、 Michell Timmins や Eriott Randhall クンも Amos Garrett センセも入っておりませんが、むしろ「入ってないことに」安心(?)いたしております。
その顔ぶれを見れば、トップの Jimi Hendrix と、この Robert Johnson 以外(上位では、ね)はワタシだったら圏外だなあ、ってのばっかでございますから、そんなとこに逆に「認められなくて」ケッコーてなもんざます。

それはともかく、例えば Jimi Hendrix が、ロックにおけるギターの存在ってものを不可逆的に改革しちまったのと同じように、ブルース界ではこの Robert Johnson が、それを 70 年近くも前に行っていたとも言えるワケで、ま、たとえ E.C. より下とは言え、上位に入ってたってだけでも、ああ、まだ少しはモノの判る読者もいるんだろうな、って一縷の望みをつなぐことはできました。
でも、全部見てくと、なんでこんなのが!っちゅうのがゴロゴロいますが、逆にヘヴィメタやパンクの兄ちゃんとかは Robert Johnson を、「なんでこんなのが!」って言ってるかもしれませんねえ。ぎゃはは

国内でも某 P 誌などがベスト・ギタリストなんてのをやってたことがありましたが(って今もやってるんでしょ?)、それ見ても、単に人気ポップ・グループのギタリストを「機械的に」書いてるだけ、っちゅう投票が多そうでしたよね。
そして自分でもギターやってるヤツとやってないヤツじゃ選びかたがぜ〜んぜん違うし、そこら一緒くたじゃ、単なるファン投票になっちゃう。売れてるヤツが勝ち。
売れてる=スゴい、っちゅー単純な価値観で生きてるひとにはそれでもいいんでしょうね。
ま、ミュージシャンズ・ミュージシャンなんて言われる、玄人ウケするひとたちの存在は秘められているほーがミステリアスでいいのかもしれません(?)。

ま、ベスト・ギタリストっちゅうの、みなさまが「このヒト、ベスト・ギタリストじゃない?」と思い込んでるランキングと考えるとイロイロと面白いですねえ。
実際、そゆとこに名前が挙がるのって「真にスゲえギター弾く」んじゃなく、大ヒットを連発したグループのメンバーだからみんな知ってる、っちゅう「有名度ランキング」でしかないんだよな。

今から半世紀以上も前、バンドを組んでた仲間たちってのは、当時バクハツ的な大人気ポップ・グループのナンバーを演るなんてことケ〜ベツしてましたっけ。
だってねえ、そこで挿入されてるギターにしろベース、ドラムも「ぜ〜んぶ」こんなんがロックでしょ?ちゅう安直にして浅薄な解釈でもたらされたフラグメンツをテキト〜に散らしてあるだけ(ま、だから「あんだけの」大衆に支持されたんだよな)。いっこも勝負してない、ってのがバレバレなんですから。
そこには「オレだからこ〜なっちゃうんだよ!」っちゅう個性ならではの必然性じゃなく、あくまでも予定調和の「このくらいがちょうどいい」っちゅう忖度で撓められた「翻訳されたロック言語」でしかないワケ。

そのころ、付き合いでその「世界的有名バンド」のナンバーを手伝わされたことあったけど、そのギターってのが「隅から隅まで」なんのキンチョ〜ももたらさない、ちょっと楽器できたらスグ弾けるよな〜っちゅう演奏なんだよ。
もっちろん、こんなクソつまんねえギターやってられっか!ちゅうてアドリヴ入れると「違う!」ぬかしくさる。この通り演れ!だとよ。だったらオリジナルの音源流して全員アテ振りでいいじゃん!アホくさ!
実際、あいつって凄えギター弾く!なんてヤツじゃなく、「そこそこ弾ける」クラスのヤカラがコピーして、「その曲だ!」ってだけでヨロコぶ衆愚が持て囃す⋯

え?いまでもやってるヤツいる?
あはははは〜、いつの世も大衆に阿る偽ミュージシャンってのは生き残り続けるんだろな。
特にこのモノマネを基幹産業とするサルマネ天国ニッポンじゃ!

permalink No.1218

Search Form