Key to the Highway

Carlos Johnson


2005-08-25 THU.


このところ、Otis Rush 関連の話題がちょくちょく出てまいりまして、それに関連して、この Carlos Johnson が(ワタクシの場合、ね)ふたたび意識されるよになり、そー言えばこの IN AND OUT も、そのタイトル・チューン In and Out と Spirit の二曲だけで終ってたなあ、てんで今日はこれまたどなたもご存知の名曲 Key to the Highway を採り上げることといたしました。

なんだか情緒たっぷりな、まるでアカペラで歌っているよな(?)ギターが空気を整えた後、うわっついたとこの無い低空飛行のヴォーカルが、じっくりとゆっくりと、しかし徐々に重みも加えながら展開されてゆきます。
そしていささか「きらびやかな」、おそらくデジタル音源であろうと思われる華やかさがちょと「浮き」気味ながら Roosevelt Purifoy のピアノ・ソロが中盤に大きく変化をつけて、さらになだれこむ終盤、いよいよ Carlos Johnson のギターが「鳴き」まくってドラマチックにフィニッシュを迎える・・・

あ、誤解しないでいただきたいですが、ワタクシ、ピアノがデジタル音源じゃ「良くない」なんてことはゼンゼン思っておりません。
最近のキー・アクション付きのデジタル・ピアノなんて(そりゃギターに比べればまだ少し重いかもしれないけど)慣れた自分のキーボードを持ってギグが出来る、ということで、いつもクラブ備え付けのアクションはガタガタ、調律だってところどころ耳を疑うよな怪音を発する、なんてゆーアヤしいピアノにいっつも苦労させられてるピアニストにしてみたら、まさに「次善」の策ってヤツかもしれません。
Ariyo の日記でも、そこらの「狂ってる」ピアノに苦労するエピソードが登場しておりますが、デジタル・ピアノだったら、ま、最終的に音が出てくるスピーカー・ボックスのクォリティにもよりますが、そこらをクリアできるワケですからね。

そこら、まるでアラ探しでもするみたく、ヘッドフォンで検聴すればさすがにその違いは判りますが、先日の Billy Branch のライヴでの Ariyo のピアノのように、会場の PA から出てくると、そんな些細な音質の違いどうこうよりも、やはり、そのプレイの方が主役になります。
むしろいくらホンモノとは言え、トーンが立たない「大甘の」某社のグランド・ピアノなんぞ使うくらいなら、例えデジタル音源でも、はるかに分離のいいクリアーなピアノ・サウンドを出してくれるほーがプレイヤーのしてることのディテールまで判って、ワタシは好きでございます。
もっとも、それがpスタンウェイ&サンズとか、はたまたベーゼンドルファーとなると、またそれなりの味もあって良いのではございますが、そんなコンサート・ホール・グレードのピアノを野外でのブルース・フェスティヴァルに貸し出してくれそな太っ腹なホールなんかあるワケ無いっしょ。

もっとも、バンド・ブルースにグランド・ピアノってのもワタクシ的には「違うだろ!」って気がしております。
こんなこと言うとピアニストからはボロクソに言われるかもしれないけど、ブルースにおけるピアノってのは「主役になっていいのはピアノ弾き語り」ってケースだけじゃないか?と思っておりますから。
そしてピアノ弾き語りにギターだけ伴奏扱いで、とゆうのは「それはそれでイイ」のですが、ベースとドラムもいるバンドでのブルースとなるとピアノは主役になっちゃいけない、って気がしますね。
主役になりたかったら、ゼヒ歌うのも自分でやってくれなきゃ!

ワタクシ、ひところ「お手伝い(?)」としてバンド編成にキーボードおよびブラス・セクションの「オペレーター」として参加しておりました。
ず〜っとバックに通奏和音ならぬ通奏リフを「オート・ワウかけたファンキーなクラヴィネット」で散らし、要所要所ではブラス・セクションの音源でカウンターをつける!ちゅうことやってて「とっても楽しかった」ですねえ。
そ、クラプトンの Tearing Us Apart って曲ね。ぜんぜんブルースじゃありません。
他にも同じクラプトンで I Shot The Sheriff も面白かったな。

ま、そうゆう専門外のとこで遊ぶ、ってのはなんか(つ〜か自分のどこかが?)豊かになるよな気がしましたっけ。ケッキョクはなんだってやるからには楽しまなくっちゃ!ちゅうビンたれ精神なんでしょうけど!

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