Don't Love You No More Screamin' Jay Hawkins 2005-08-27 SAT. | 「天災は忘れた頃にやって来る」なんてえことをここで言うと、「ワシは天災かっ!」と Screamin' Jay の亡霊がバケて出てくるかもしれませんが(う?それとも案外、「うっひっひ、そうともワシゃ天災で天才じゃ!」なんておバカな悦に入りかたをするかも?)、忘れたころにまたまた Screamin' Jay Hawkins でございます。 ちょっと「わざとら」かつドラマチック(?)なピアノから始まる一見、フツーのスロー・ブルースですが、そんなハズは無いのでございますよ。 モチロン Screamin' Jay Hawkins のヴォーカルときたら、まったくもって「不必要なまでに」フル・パワーで、おまけに、叩きつけるよな彼自身によるピアノのコード・ワークもなかなかに騒々しいのではございますよ。 で、そのまま Screamin' Jay Hawkins 自身によるピアノ・ソロ(?)に突入するのですが、それはまあ、妙にスっとぼけててなかなかよろしい。 腐っても鯛(?)っちゅうか、なんだかんだ言われつつもやはり彼なりに「ツボ」は押さえているんですねえ。 でもモンダイはギターなんだよな〜。 それに続く Frank Ash のソロは、まずコーラス・エフェクトをかけたそのトーンもイマイチだけど、フレーズもダッサ〜!で。ギターもいたのね?てな存在証明てなつっまらねえギター⋯ Screamin' Jay Hawkins って、やはりネがキーボーダー(ホントか?)のせいか、どうもギターのクォリティには無頓着なのかもしれませ〜ん。 ワタシだったらこんなギターはゼッタイにクビにしちゃうんだけど! なんだか自分に酔ってるみたいな、「伝わって来るものがほと〜んど無い」ギターに終止し、その直後に Didier Marty のサックス・ソロが始まったとたん、客席からまるで「待ってました!」的な拍手が起こるくらいでございます。 ラストは奇声大会(?)つーよりも、ギター・ソロがあっていいんだったら、奇声の「ソロ」もあっていいよな、っちゅーノリでございましょうか。 あ、もしかすっと Screamin' Jay Hawkins にしてみたら「ギターソロなんて奇声と一緒」てな認識だったりして! おいでになっておられる聴衆のみなさん(あ、そうそう、言い忘れましたが、このアルバム LIVE at OLYMPIA, PARIS 1998 はそのタイトルでお判りのようにパリのオランピア劇場でのライヴ録音なのでございます)も、そこらよくご存知のようで。 たとえば Albert Collins ちゃんなんかだと、サイド・ギターにまで目を光らせて(あ、実際に目がいつも光っててコワいんだけど)、トータルなバランスみたいのを調えてるよな気がするんですが、この Screamin' Jay の場合、そこら「いい加減」と言うか、あまり気にしてないようで、彼のトラックで意外とショボいギターが入ってるの、ってケッコーありますよねえ。 やはり自分の弾いてる楽器についちゃあウルさくても、それ以外は「おまかせ」ってえミュージシャンは案外多いのかもしれません。 LIVE at OLYMPIA PARIS 1998 ー 1988 年にフランスでライヴ録音した LIVE AND CRAZY からちょうど 10 年後、1998 年 4 月15日( Discogs など、一説では 5 月)に行われた、パリ、オランピア劇場でのライヴをレコーディングしたものです。 1999年にアルバム『Live 』 Last Call / Wagram 3052562 WAG 343 としてリリースされました。 全編を通して Frank Ash のギターが激ショボ! (最後に付け足しで Frankly Speaking が収録されてますが、これはまったくの別録音です) 上でも書いてますが Discogs ではナゼかこの録音時日を日付は明記せずに五月である、としているようですが、ワタクシが持っている『Live 』 Last Call / Wagram 3052562 WAG 343 のライナーではかなり詳細なパースネルなどのデータとともに、1998 年 4 月15日に Paris の L'Olympia 劇場でのライヴ録音であること、ボーナス・トラック Frankly Speaking だけは 1997 年の 7 月に「あの」Sam Phillips Recording Service で Jim Dickinson のプロデュースで行われた、AT LAST のレコーディングから、となっておりました。 そうゆう詳細な記入っぷりからしても、1998-04-15 録音っちゅうライナーの信憑性は高い、と判断いたしましたが、あるいは「もっと詳細なデータ」をお持ちで、それによると録音時日は 4/15 ではない!と断定できるかたがおられましたら、サイトの POST ページからご連絡ください。 あ、そうそう、Sam Phillips Recording Service とは、その名前から連想されるとおり、あの「 SUN 」の栄光のスタジオ「そのもの」でございまして、Sam Phillips* が 1969 年に SUN を Mercury Records の Shelby Singleton に売却していますから、それ以降は彼の手がけている録音は無いのですが、そのスタジオは彼の名を冠してその栄光を後代にまで伝えているようです。 * ー Sam Phillips ; 彼の SUN Records は⋯ 1958年 には Johnny Cash が Columbia に去りますが Sam Phillips は社屋を Madison 街 639 のワンブロックに移し近代的なスタジオを二つ新設しています。 ただ、それとカンケーあるかどうかは「?」ですが、妻の Becky と離婚し、1955 年に入社していた Sally Wilbourn と一緒に暮らし始めています。 1961 年には Nashville にもスタジオを設けますが、1964 年には売却してしまいました。ナッシュヴィルでは American Federation of Musician のガイドラインがレコーディングの時間当たりの曲数まで制限していたため嫌気がさしたもののようです。 STAX がブラック・ミュージックに集中して行ったのとは対象的に、どんどん R&R に特化していった SUN でしたが、1960 年代の中期からは Columbia / Capitol、あるいは Mercury、さらには Atlantic などからも買収の話が持ち掛けられるようになっていました。 Sam Phillips は各種の条件を摺り合わせて検討した結果、1969 年の 7 月 1 日に Shelby Singleton に SUN Records を売却しています。 |
permalink
No.1222