Buster's Boogie

Hound Dog Taylor


2005-09-14 WED.


これまで、どっちかってえと Hound Dog Taylor and the HouseRockers のナンバーでインストっちゅうと Brewer Phillips のギターが主役ってのを採り上げてまいりましたが、今日はモロ Hound Dog Taylor が主役の、いささかダーティかつパワフル、ま、あからさまに言えばちとパッパラパーなブーギでございます。

いやもう、なんたってこの曲の Ted Harvey のドラムがスゴいっ!
けっしてカッコいいとか、決まってる!なんていうのではない、なんだかカッコいいんだか悪いんだか判らないよなズンドコ・ドラムなんですが、此処を先途の張り切りぶりで、その手数の多いこと!
そのぶんキックは単調になっちゃってて、いわゆる等間隔キックになっちゃってますが、先日の誰かさんとは違って、ウワモノがもう「あり得ない」よな獅子奮迅ぶりで、とくにシンバル・ワークなんて反動も利用してますが、なにもここまで、と言いたくなるくらい刻みは細かく、しかも、それがむしろ「増速」方向に思いっきり振ってくるんですよね。

さらにそこにブチ込まれるスネアもまた音としては軽いんですが、いかにも楽しげで、実に饒舌なロールなぞふんだんに配して、まるで疲れを知らないかのような疾走を続けております。
この調子で興が乗れば一曲を一時間ブっとおしで演奏したりしてた、って言うんですから、まったくこいつら、ホントにイカレてるよなあ、と深く尊敬いたしておりますです、はい。

この Buster's Boogie、大好きな曲なんですが、前にも言ったとおり、インストの曲って、やっぱテーマみたいなんは「その通り」に弾かないと「その曲」にならないワケでして、コピー嫌いのワタクシといたしまして、なかなか手が出ないのでございますよ。
ま、それでも、この Hound Dog Taylor 聴いてると、そんなこともどーでもいっか?てな気になりかけるのは、やはり彼の人徳っちゅうもんですかねえ(違うと思う⋯)。
でも、このひとのギターって、アメリカでも日本でも人気投票の上位 100 位にまず入って来ないよねー。
やっぱあの雑誌ってロック系のひとたちが読んでるんでしょ?
そゆひとたちにはこのギター、ワケ判んないのかも。
⋯ということから、ワタクシ、この Hound Dog Taylor が好き、っちゅうひとは「ブルース度」が高いんじゃないか?てなことをヒソカに思っておるのですが、モチロン、なんのコンキョもございません。

一見、ディストーションっぽいこの音なんて、ロック系のギタリストにもウケるか?と思ったんですが、どうやらそんなことはないようでして、なんかもっと「根本的なとこ」で違和感を与えてるようでございます。うひひひ

さて、ディストーションめっちゃバリバリにかけたギターで思い出すのはやっぱ Pat Travers ですねえ。
あの名曲 Boom, Boom, Out Goes the Right をバチ当たりな(?)歪んだギターで弾きまくり「お育ちのよろしいブルースマニア」(あ、ここ大爆笑ポイントでしょ!お行儀のいいチンピラ、みたいな矛盾バリバリ!がはははは)が眉を顰めるの確実!てな暴虐ぶりで Boom, Boom!ゆうと客席が「 Out Goes the Right!」と怒鳴り返すっちゅう、そりゃもう実にココロあたたまる麗しき交流のサマを見せてくれるんですよね〜。

でへへへへこれまで隠しておりましたがワタクシ、Pat Travers 大好きでんねん。
なんたって Born Under A Bad Sign までバリバリにディストーションぶっかけて演るんですぜ!カッコいいっ!
⋯な〜んて、純粋培養の「ブルースっつったらシカゴに決まっておる!」なんぞとぬかしくさる「ヨいコ(いや、年齢からいくと ヨいオッサンやヨイヨイのジイサン、か?)」の皆さんからは裏切り者!とか外道!などと言われそうですが、いいのだ!好きなものは好き!

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