Otis Redding 7

BIO. VII


2005-10-08 SAT.




Beechcraft の双発機、18 シリーズはかなりのロングセラー機でしたが、Otis が James Brown から譲ってもらった N390R はその最終モデルの H18 と呼ばれるヴァージョンで、このモデルからエンジン・カウルのフラップの開閉が電動になったものでした。

事故の唯一の生存者、Ben Cauley の証言によれば、Cleveland を離陸する際にエンジンの始動がうまくゆかず、昔ながらのニンゲンが手でもってプロペラを「ぶん回し」やっとエンジンがかかった際に Ben Cauley が小耳に挟んだという整備士の「バッテリーが弱っているようだ」って発言してたゆう情報がちょっと「ひっかかる」んですよね⋯
つまり、バッテリーが弱っている、というよりエンジンに直結されたジェネレーターの機械的結合に問題があってうまく発電されていなかったのではないのか?とゆうケースも考えられないワケではない⋯
実はワタシのクルマが一度それでジェネレーターの交換をしてるんですよ。

エンジンからの機械的結合部分そのものに「もし」緩みやガタがあったのだとすると⋯それが Madison-Truax Field の滑走路に向かっている時点でギア・ダウン、つまりエンジン・ナセル後方の主脚を下ろした際に、そのショックでジェネレーターが外れたとしたら?
それなら普段通過する機体のエンジン音を聴き慣れている、という地上の証言者ふたりが同様に証言していた「明らかにエンジンの状態がおかしい、と思わせるような異音」を発するワケです。
そしてそれがついに致命的な破壊を引き起こしエンジン自体の脱落あるいは飛散を招いたとしたら?
それならば証言に見られる自動車事故のような「金属性の」衝撃音の説明がつくんですけどね。
事故現場ではほぼ垂直に墜落したとしても湖底に激突でもしないかぎりそのような衝撃音が発生するとは思えないし、事実その衝撃音の「あと」機体がまだ水上にあって「沈みかけていた」とゆうことからすると、まずはなんらかの爆発性の衝撃とともにエンジンのひとつがエンジンナセルから脱落し、よって機体がバランスを崩して水面に突っ込んだのであればふたりの証言とも符合する気がするんですけど。左の翼が変な角度のまま水面に落ちた、とゆうね。
現に沈んでいた機体がのちに引き揚げられているのですが、その損傷した機体の周囲では左のエンジンそのもの、およびプロペラが「回収できていない」のです。
着水した位置よりももっと手前で「先にエンジンだけが」脱落していれば「そこじゃないもっと滑走路から遠い湖底」を探さなければ左エンジンの残骸は発見出来ないんじゃないのかな?
あるいは慣性の法則でエンジンのみ分離したとすればその時点で水面に向かった機体よりもさらに滑走路に近い「先方」に沈んでいるかもしれない⋯

などというのもこれすべて周辺の証言を頼りに推理していっただけで、本気で証明するためには現地に行って考えられるアプローチ周辺の湖底(および着陸コースと思われる湖の手前の地域なども金属探知機などで徹底的に探査し、エンジンの本体やら補記類に構成部品と思われる金属片などを発見しない限りその説は「成り立たない」のでございます。

まあ、中学生のときから「航空情報」てな業界寄りの雑誌を愛読してた航空機マニア、いえ、正直に言えば「ひこーきオタク」であったワタクシとしては、各種陰謀論やら「そのほうがオモシロい」てなだけの無責任なデマに関わってるヒマがあったら、冷静に状況を分析してどんな可能性が「あるのか」をしっかり考えていただきたい、思うんですよね。
まあ、それが出来るだけの知識てなもんも必要かもしれませんけど、それが欠落してるっちゅうことを自覚してるんなら、いいかげんなゴシップには距離を持ったほうがいいよ。
かく言う私にしてもジェネレーター自体どっちのエンジンに備わってたのか、またその結合関係はどうだったのかなんてゆう現場のメカニックでもなければ判るはずがない「情報の壁」の前で「あくまでも推論でしかないけど」と逃げるしかないんですよ。いっくらネットで各種情報が手に入るちゅうても当該ビーチクラフト機ではどうだったのか、にまではたどり着けませんでした。

まあ、絶対に無い!とは言い切れませんが、ネットに全ての情報があるワケではないんですよね。

さて、ここで彼の「シングル」を時系列を追って並べておきます。
やはり 1960 年代の Otis にはそれが一番ふさわしいような気がしますので。

1960 ─
10. ? : She's All Right / Tuff Enough : Trans World 6908/Finer Arts 2016
?. ? : Gettin' Hip / Gamma Lama : Alshire 5082
?. ? : Shout Bamalama / Fat Gal : Confederate 135/Orbit 135

1962 ─
12. ? : These Arms of Mine / Hey Hey Girl : Volt 45-103

1963 ─
6. ? : That's What My Heart Needs / Mary's Little Lamb : Volt 45-109
9. ? : Pain In My Heart / Something Is Worrying Me : Volt 45-112

1964 ─
2. ? : Come To Me / Don't Leave Me This Way : Volt 45-116
4.24 : Security / I Want To Thank You : Volt 45-117
6. ? : Shout Bamalama ( over-dubbed ) / Fat Gal : Bethlehem 3083
9.15 : Chained and Bound / Your One and Only Man : Volt 45-121
12.30 : That's How Strong My Love Is / Mr. Pitiful : Volt 45-124

1965 ─
4.19 : I've Been Loving You Too Long / I'm Depending On You : Volt 45-126
8.15 : Respect / Ole Man Trouble : Volt 45-128
11. ? : I Can't Turn You Loose / Just One More Day : Volt 45-130

1966 ─
2.15 : Satisfaction / Any Ole Way : Volt 45-132
5.12 : My Lover's Prayer / Don't Mess With Cupid : Volt 45-136
9. 7 : Fa-Fa-Fa-Fa-Fa / Good To me : Volt 45-138
11.14 : Try A Little Tenderness / I'm Sick Y'All : Volt 45-141

1967 ─
3.21 : I Love You More Than Words Can Say / Let Me Come On Home : Volt 45-146
4.27 : Shake ( Live ) / You Don't Miss Your Water : Volt 45-149
6.30 : Glory of Love / I'm Coming Home : Volt 45-152

1968 ─
1. 8 : Dock of the Bay / Sweet Lorene : Volt 45-157
4. 8 : The Happy Song / Open the Door : Volt 45-163
6.14 : Amen / Hard To Handle : Atco 45-6592
9. 3 : I've Got Dreams To Remember / Nobody's Fault But Me : Atco 45-6612
10.23 : White Christmas / Merry Christmas, Baby : Atco 45-6631
11.11 : Papa Got A Brand New Bag / Direct Me : Atco 45-6636

1969 ─
1.30 : A Love Question / You Made A Man Out of Me : Atco 45-6654
4.28 : Love Man / Can't Turn You Loose : Atco 45-6677
7.15 : Free Me / Higher & Higher : Atco 45-6700
11.20 : Look At the Girl / That's A Good Idea * Atco 45-6723

1970 ─
3.11 : Demonstration / Johnny's Heartbreak : Atco 45-6742
7. 7 : Give Away None of My Love / Snatch A Little Piece : Atco 45-6766

1971 ─
1. 5 : I've Been Loving You Too Long / Try A Little Tenderness : Atco 45-6802

1972 ─
10.23 : My Girl / Good To Me : Atco 45-6907

あと、1976年には White Christmas が再発され、他に例のアンカヴァー・シングル(?) Stone 209、You Left the Water Running / The Otis Jam ってのがリリースされたようです。

また、本文中ではあまりトレースしてませんでしたので、ここで挙げておきますが、Otis と Carla Thomas のデュエットによるシングルは

1967 ─
4.13 : Tramp / Tell It Like It Is : STAX 45-216
7.28 : Knock On Wood / Let Me Be Good To You : STAX 45-228

1968 ─
1.24 : Lovey Dovey / New Year's Resolution : STAX 45-244

1969 ─
4. 2 : When Something Is Wrong With My Baby / Ooh Carla, Ooh Otis : Atco 45-6665
があります。

なお、まったくの蛇足ながら、彼のパスポートではその氏名が Otis Ray Redding Jr.となっております⋯

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