Portrait of a Man

Screamin' Jay Hawkins


2005-10-11 TUE.




「ある男の肖像」なんて気取ったタイトルではございますが、そこはなんせ Screamin' Jay Hawkins でございますからねえ。
副題が A History of Screamin' Jay Hawkins とはまたずいぶん大きく出たもので⋯
ただ、基本的にはこのアルバム、「寄せ集め」でございますから、ダブりを恐れていてはとても買えない一枚かもしれません。

1. Little Demon
1956 年 9 月12日に New York で録音されたもので、どうやら EPIC 47933 CD、つまり Cow Fingers and Mosquito Pie に収録された 2 テイクとも異なる第三のテイクかも?
というのも、一部の Discography ではこの 1956 年 9 月のセッションでは三つの Little Demon が挙げられており、うち二つは Cow Fingers〜に収録、残る一つ、ただし、これだけテープの管理番号が不明、っちゅーアヤしーのが Okeh 7072 として I Put A Spell On You の B 面となった、としてあるからでございます。
で、聴き比べてみましたが、どーも同じテイクとしか思えないんですねえ。
あるいは Cow Fingers〜に収録されたのがトラック・ナンバー CO-56601-8 ではなかったのかもしれません⋯なんてそんなコアな話、ダレもキョーミ無いっすよね。

2. I Put A Spell On You
そしてこれまた完全に Cow Fingers と同じもの。
つまり上の Little Demon とカップリングで Okeh 7072 としてリリースされた「このスタイルでの」オリジナル I Put A Spell On You。

3. Baptize Me In Wine
いよいよワタクシの Screamin' Jay Hawkins コレクション(?)には初登場のナンバーでございます。
まるで洞窟の中で歌ってるかのような「深〜い」残響をまとった Screamin' Jay は最初はなにやら宗教的な祈り(?)かいな、っちゅう独白みたいなんから始まりますがバックのサックスを聴いてると、案外、世俗の世界(?)どっぷりでございます。
ま、それもそのハズ、バチ当たりにも、水じゃなく、ワインをかぶって洗礼を受けよう、なんてコンタンですからねえ。
1953 年 9 月に New York で録音されたもので、次の Not Anymore とカップリングで Timely 1004 という 78rpm SP として 1954 年にリリースされています。
ギターに Mickey Baker。

4. Not Anymore
イントロはモロ Elmore James じゃん!っちゅーギターで始まり、なんだか Screamin' Jay のヴォーカルまで、どことなく Elmore チック(最初だけ、っちゅう感じ?)。
ホント珍しく「ブルースっぽい!」なんて言うと叱られるかも。
この 1953 年の 2 月には Elmore James の I Believe が R&B チャートを駆け上がり、最高 9 位まで言って 3 週間チャートに居続けましたから、そんなことがエイキョーしてるんでしょか?

5. I Hear Voices
こちらは Voodoo Jive : the Best of Screamin' Jay Hawkins ─ Rhino R2 70947 に収録されたトラックとまったく同じもの。

6. Just Don't Care
こちら上と同じ。この 2 曲はシングル Enrica 1010 の A/B 面として 1962 年 1 月に New York で録音されたもの。

7. Ashes
上と同じ 1962 年、おそらくは上に続いて行われた Philadelphia での録音で Move Me ─ YEAAH! YEAAH 30 と同じもの。この一緒に歌ってる女性ヴォーカルが、後にハワイで Screamin' Jay を刺しちゃう Shoutin' Pat Newborn ざます!

8. There's Something Wrong With You
これも Cow Fingers〜に収録されたもの。ギターがケニー・バレル。

9. Strange
1964 年に New York で Roulette Records に吹き込んだもの。次の The Wammy とカップリングで、シングル Roulette 4579 としてリリースされています。
特徴的なリズムで、そのまま行くかと思ったら突然シャッフルになるのねん。
バックは Sammy Lowe Orchestra。
1990 年録音の Stone Crazy ─ DEMON Records FIENDCD 728 にも収録されてますが、モチロンまったくの新録音。
こっちのほうがストレートで歌も「ワル」があまり入ってません(?)。

10. The Wammy
上とカップリングになった曲で、これもワタクシのストックにはこれまで無かったテイクでございます。
1988 年のおフランスはパリ、オテル・メリディアンでのライヴ盤 Live And Crazy ─ EVIDENCE ECD 26003-2 にはもちろん 24 年後の「新しい」ヴァージョンが収録されております。
最後、Moan⋯Moan⋯Moan⋯Moan⋯と消えてくとこがいい(?)ですねえ。

11. All Night
聴きようによっちゃ大相撲の触れ太鼓にも似てる(?)ライトなジャングル・ビートに乗せて Screamin' Jay と Leroy Kirkland 率いる女性コーラス陣とのコール&レスポンス(か?)がおバカでよろしい。
William Butler の「気の抜けた」ギターがまたユルユルでヴォーカル陣の熱気とは対照的で面白いですねえ。
これは SPELLBOUND ─ Bear Family Records BCD 15530 とカブってます。

12. Poor Folks
もっと新しい録音( 1983 年 Paris )が Real Life ─ Charly R&B CD CHARLY 163 にも収録されておりますが、これは 1965 年に New York で Providence Records のために録音されたもので、次の Your Kind of Love とカップリングでシングル Providence 411 としてリリースされたものです。もちろんワタクシのとこには初登場。
バックは Walter Young Orchestra とクレジットされております。
どんな構成か不明なんですが、なんだかベースのかわりにチューバあるいはスーザホーンを使ってるよな音なんですよね、この低音が⋯

13. Your Kind of Love
これも当然、上と同時に録音されたもの。これも Real Life で新録音をやってますねえ。
こちらのオリジナルでは割りと「ちゃんとした」ピアノが特徴で、もしかすると、このピアノは Walter Young Orchestra のひとかも⋯

つづく─ 全部で 26 曲も入ってるんで、残りは明日にまわします。

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