Robert Nighthawk

#2


2005-10-21 FRI.




1937 年から 1940 年の St. Louis 時代(?)には Bluebird に 21 曲、そして Decca に 4曲の録音で Robert Lee McCoy や Rambling Bob、さらには Peetie's Boy( Peetie Wheatstraw のバック)などの名義を使っています。
また他のブルースマンのバックを務めたのはおよそ 80 曲ほど。
この時期の St. Louis は後に Chicago にその「栄誉」は移ってしまうものの、まさにブルース・タウンと言って良い盛況を呈していたようですね。
その彼がシカゴに移ったのは 1940 年ですが、その前に 1937 年の曲「 Prowling Night Hawk 」から取って名前を Robert Nighthawk に変えた、と(これについては、ふたたび Arkansas を訪れた彼は自分がミュージシャンとしては忘れられた存在であることに気付き、しかし Prowling Night Hawk はいまだに人々の記憶に残っていたようなので、それを名前にした、という話があります)。

1937 年 5 月 5 日、Chicago からほぼ真西に 40km ほどの Aurora にあった Bluebird のスタジオ(と言ってもホテルですけど)に Henry Townsend の A 型フォードに 7・8 人がギュウギュウ詰めになって到着し、そこには Sonny Boy Williamson( Bluebird ってことでお判りでしょーが、これは Sonny Boy I 世の方ね)と Big Joe Williams、そして Robert Nighthawk が揃い、あの名曲、Sonny Boy I の Good Morning Little School Girl が吹込まれたのでした。さらに Blue Bird Blues や Sugar Mama も。
次にこんどは Big Joe Williams の番で、そして次は Walter Davis。その各 8 曲づつに Nighthawk はバッキングで参加し、いよいよ彼の番となって吹込まれたのが

Tough Luck
Lonesome World
G-Man
Don't Mistreat Your Woman
Prowling Night-Hawk
Sweet Pepper Mama


Robert Lee McCoy: The Bluebird Recordings 1937-1938 RCA 07863 66723-2 に収録。

でしたが、Prowling Night-Hawk がヒットとなったのでした。
そしてこの年には 11月11日にも録音が行われています。

My Friend Has Forsaken Me
Mean Black Cat
Brickyard
Mamie Lee
Take It Easy Baby
I Have Spent My Bones*
CNA


* ーこの曲だけ Sonny Boy が参加していません。また、正しくは Bonesではなく Bonusを Bluebird が誤植したものらしい。
Robert Lee McCoy: The Bluebird Recordings 1937-1938 RCA 07863 66723-2 に収録。

翌 1938 年の 12月18日にはピアノに Speckled Red を迎え、She's Got What It Takes や Every Day And Night(元ネタは Tampa Red の Don't Dog Your Woman らしいのですが、それを指摘した Document の CD、Robert Nighthawk: Prowling With the Nighthawk でライナーを執筆している J. Harris によれば、この曲は彼が最初にヴォーカルをとった曲じゃないか、と言ってますが、え〜?それじゃ前年の Prowling Night-Hawk の立場はどーなるの?)などを吹き込み。

Every Day and Night
Ol' Mose
You're All I've Got To Live For
She's Got What It Takes
Next Door Neighbor
Big Apple Blues*
Freight Train Blues*
Good Gamblin'*


* ─ Sonny Boy が参加
Robert Lee McCoy: The Bluebird Recordings 1937-1938 RCA 07863 66723-2 に収録。

Every Day and Night は Sonny Boy が 1941 年に Million Years Blues として、また B.B. King は 1954 年に When My Heart Beats Like A Hammer としてカヴァーし、これは R&B チャート 8 位まで上がったらしいのですが、B.B. にはほとんどキョーミの無いワタクシには「あら、そう」てなもんでございます。

1940 年 6 月 5 日の Decca でのセッションでは Peetie's Boy を名乗っています。
ここでの 4 曲のうち 2 曲では 1933 年からの Laura Dukes に変わる新しいガール・フレンド(?) Ann Sortier と一緒でした。
Laura Dukes が「ドサ回り」の相棒だったのに対し、この Ann Sortier はもっぱら Chicago で一緒に演奏していたらしく、サウスサイドではみんなが知っていた仲だったようです。

Gonna Keep It for My Daddy: Ann Sortier がウォッシュボードで参加?
Never Leave Me *: Ann Sortier-Vocal
Mama Don't Allow Me To Stay Out All Night Long
Friars Point Blues


* ─ Ann Sortier 名義。他の三曲は Peetie's Boy 名義
Robert Lee McCoy: Prowling Nighthawk Catfish ( UK ) に収録。

ただし Robert Nighthawk の初録音経験は 1937 年 5 月 5 日ではなく、その前年、1936 年10月23日に Chicago で行われた Vocalion の Jack Newman(ヴォーカルとピアノ)のバックで 4 曲を吹込んでいます。ただし、その録音はいまだにリリースされてはいないようですが⋯

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