Robert Nighthawk

#4


2005-10-23 SUN.




1940 年代の Chess 録音の時期には Illinois 州 Cairo を拠点にしていた、という記述にも遭遇しておりますが、彼の居住地については様々な情報が錯綜しており、ある意味「どれも本当(?)」なのかもしれません。
かなり移動(放浪?)の多い人生だったようですから、「ここ」というものが無いのかも。
Robert Nighthawk 自身はさほど Chicago が好きではなかったようで、言わば Chicago がそのブルースの黄金時代を迎えようとしている 1950 年代には、あまり Chicago にはおらず、遥かに南下した Florida をはじめとして、南部の Louisiana、Mississippi に Alabama、そして Georgia の各州を巡り、さらに Texas から Arkansas、Kentucky から Indiana、Missouri、Iowa、New York などの諸州を移動していたようですが、これを J. Harris は「 Chicago 嫌い」と表現していますが真相はどうだったのか⋯

ところで、「1947 年には、Ethel こと Nanny Mae を Ike Turner から奪って結婚した」というのにも「違う」記述がありまして、それでは結婚した相手の名前が(やはり Ike Turner のガール・フレンドだった ) Hazel Momon で、Clarksdale の Riverside Hotel に一緒に投宿していても、 同時に実は Nighthawk のそれまでの「彼女」だった Ethel Mae「も」同じホテルにいた、とか⋯ん〜フクザツ!
ま、本筋にはカンケーないことなんでどっちでもいいようなもんですが、それにしても、まこと「お盛ん」なことで。
あ、ついでにさらに混乱するような情報ですが、その前年の 1946 年にはドラマー(!)でもあった Beatrice、俗称 Early Bea と「結婚」しており、どうも Sam Carr の回想からすると、主に St. Louis での(?)妻だったのでしょうか?

Jeff Harris の記述も Nighthawk の婚姻関係に関しては混乱を極めており、次の段では、その Hazel をドラマーとしていたり、とワケ判らん状態ですが、それでも 1953 年まで一緒だったらしい Hazel との間には Geni、Robert、Marianne という三人の子供を設けていたらしく、Nighthawk と別れた後も娘の Geni と Chicago で暮らしていたそうでございます。

それはともかく、Chess でのレコーディングの後、彼はこんどは 1952 年まで United の契約下にありました。
まずは 1951 年 7 月12日、ピアノに Roosevelt Sykes(あるいは Bob Call )、ベースに Ransom Knowling、ドラム Jump Jackson で

Crying Won't Help Me: Document DOCD 32-206
Take It Easy Baby: Document DOCD 32-206
Nighthawk Boogie
Kansas City: Document DOCD 32-206
Feel So Bad: Document DOCD 32-206


を録音。

次に 1952 年10月25日にはピアノ Curtis Jones、ベース Ransom Knowling の他は氏名不詳のサイド・ギター&ドラムで

Seventy-Four-1
Seventy-Four-2
Maggie Campbell-1
Maggie Campbell-2: Document DOCD 32-206
The Moon Is Rising-1: Document DOCD 32-206
The Moon Is Rising-2(未完)
You Missed A Good Man
Bricks In My Pillow
Seventy-Four
U/S Boogie


が録音されました。
この United/States レーベル( U/S Boogie の「 U/S 」ってこのレーベル名か?)での録音は、曲ごとに書いたとおり Document DOCD 32-206 Robert Nighthawk: Prowling with the Nighthawk に収録されているほか、全曲が Delmark 711 Bricks In My Pillow で聴くことが出来ます。
そしてこの United 録音をまるでひとつの区切りにでもしたかのように Robert Nighthawk は Chicago を後にして南下し、主に Arkansas 州 Helena、その南南西 18km ほどの Mississippi 州 Friars Point(ついでながら、さらに 20km ほど南南東に下がると Clarksdale という位置関係)などを拠点として各地に演奏に行っていたようで、息子の Sam Carr はこの時期にミュージシャンとして生活できるようになった、としています。Frank Frost やギタリストの Jack Johnson とともに the Nighthawks というバンドを結成していますが、別に Robert Nighthawk の専属バック・バンドというワケではなかったようで、ツアーで来るブルースマンのバッキングを務めていました。

一方、オヤジの方は Arkansa 州 Pine Bluff で出会ったギタリスト CeDell Davis と、ふたたびスタジオでの録音に復帰する 1964 年の直前まで一緒に活動をしています。

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