Robert Nighthawk

#5


2005-10-24 MON.



1953 年からの Robert Nighthawk は Arkansa 州 Pine Bluff で出会ったギタリスト CeDell Davis と、ふたたびスタジオでの録音に復帰する 1964 年の直前まで一緒に活動をしています。
その CeDell Davis というのは特異なブルースマンで、ポリオのために麻痺した腕をカヴァーするために、本来は右利きであったのにギターを左右逆にして、右手に固定したナイフでスライド・プレイをしています（ Fat Possum にもアルバムがありますが、おススメは Texas 州 Denton で 2002 年春に録音された When Lightnin' Struck the Pine。これに収録された So Long, I Hate To See You Gone ─ Reconsider Baby という本来のタイトルで Fat Possum でも録音していますが、こっちのほうがいい！ ─ などいい味を出しています）。
このユニークなブルースマンとは 1963 年までの 10 年間、行動を共にしていたようですが、1964 年には Chicago に再び現れています（と言っても、その間、まったく来ていなかったワケではなく、レコーディング・シーンとしての Chicago、という意味で）。
まずは 5 月に Chicago の University of Chicago、Mandel Hall でライヴを行ったのですが、それが録音されました。
この録音は Testament によって行われたものなのか、あるいは「誰か（もしかして大学側か？）」が録音していたものが後に Testament の手に渡ったものかは今回は特定出来ませんでしたが、このときのライヴはハープに Little Walter、ギターに Johnny Young、という布陣でした。

Merry Christmas Baby: TCD 5010
That's All Right: TCD 6010
Everything Gonna Be Alright: TCD 6010
Anna Lee: TCD 6010
Sweet Little Woman: TCD 6011

末尾のシリアルはそれぞれ収録されたアルバムで

TCD 5010 Master of Modern Blues: Robert Nighthawk/Houston Stackhouse
TCD 6010 Down Home Slide
TCD 6011 Down Home Harp
を表しています。

そして次は「ふたたび」Chess でレコーディングを行いました。
1964 年 6 月30日、バックにはハープの Walter Horton、ピアノの Lafayette Leak、ギターに Buddy Guy、ベース Jack Myers、ドラム Clifton James で

Sorry My Angel: -13304
Someday: -13305

の 2曲をレコーディング。これはいずれも Charly / CHESS CD RED 29、Robert Nighthawk / Forest City Joe : Black Angel Blues に収録されています。

一方では有名な Maxwell Street にもよく姿を表していたようで、そこでは多くの次の世代のブルースマンたちに影響を与えていたのではないでしょうか。
Greg Johnson は Nighthawk の影響を受けたブルースマンとして Big John Wrencher、Johnny Young、Carey Bell らの名前を挙げています。
この時期の彼の姿がドキュメント・フィルム And This Is Free に収録され、そこでは Down At Eli's が演奏されているそうですが、未見のため詳しいことは不明。
また 1964 年 9 月の演奏が P-Vine から And This Is Maxwell Street としてリリースされました。
後にアメリカでも Rooster Records からリリースされていますが、その際におよそ 40分以上に及ぶブルームフィールドによる Nighthawk へのインタビューも収録されました。

（ここに挙げる曲にはどれも Nighthawk のギターが入っています）
The Sun Is Shining : Johnny Young-vcl. Broomfield-g.
Can't Hold Out Much Longer : Vcl & Harp-Big John Wrencher
Juke Medley : Vcl. & Harp-Carey Bell, Little Arthur-g.
That's All Right: accomp.-unknown
Maxwell Street Jam : Vcl. & Harp-Carey Bell, Little Arthue-g.
Lucille : Vcl & Harp-Big John Wrencher
Cheating And Lying Blues: with John Lee Granderson-g., Jimmy Collins-dr.
Honky Tonk: accomp.-unknown
Dust My Broom: with John Lee Granderson-g., Jimmy Collins-dr.
Peter Gun Jam: with John Lee Granderson-g., Jimmy Collins-dr.
I Need Love So Bad: with John Lee Granderson-g., Jimmy Collins-dr.
All I Want For My Breakfast : Johnny Young-vcl., Broomfield-g.
Take It Easy, Baby: with John Lee Granderson-g., Jimmy Collins-dr.
Mama, Talk To Your Daughter : with vcl. & Harp-Big Mojo Elem, other unknown
I'm Ready : Vcl. & Harp-Carey Bell
Carey'n On : Vcl. & Harp-Carey Bell, Little Arthur-g.
Back Off Jam: with John Lee Granderson-g., Jimmy Collins-dr.
Anna Lee - Sweet Black Angel: with John Lee Granderson-g., Jimmy Collins-dr. Broomfield-g.?
Love You Tonight : Vcl & Harp-Big John Wrencher
The Time Have Come: with John Lee Granderson-g., Jimmy Collins-dr.
Cruisin' In A Cadillac ( inst.): Carey Bell-harp, other unknown
Honey Hush: with John Lee Granderson-g., Jimmy Collins-dr.

全トラックに Nighthawk はギターで参加。太字になっている曲（ただしインストの Cruisin' In A Cadillac を除く）は全て Nighthawk のヴォーカル。
Big John Wrencher と Carey Bell のセットでは他に Little Arthur Duncan がギターで加わり、Robert Nighthawk のセットではドラムが Jimmy Collins（ accomp. unknown としてあるものを除く）、サイド・ギターに John Lee Granderson が参加しています。

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