Six Cold Feet In The Ground

Leroy Carr


2005-11-15 TUE.




まさに彼の最後の吹き込みとなった(この二ヶ月後の 4 月29日 ─ そう!記憶力のいい方ならハ!っと、思い至るやもしれませんが、なんとあの Otis Rush が「生まれたまさにその日」に死んでいるのです)1935 年 2 月25日の Bluebird への吹き込みで録音された有名な曲でございます。

ま、その有名なワケってのには、この不吉なタイトルのナンバーそのままに、埋葬されてしまうことになった、てないささかエピソード好きなロマンチストのみなさまをシゲキするよな展開があったから、っちゅうのも大きいように思います。

この 2 月25日には、お馴染みの相棒 Scrapper Blackwell の他にもうひとり、サイド・ギターの Josh White を加えた Rocks In My Bed や When Sun Goes Down 、Bad Luck All the Time 、そして Big Four Blues の 4 曲に、Just A Rag なども収録しているのですが、その 4 曲の後、契約のことで話がこじれたらしく、Scrapper Blackwell はスタジオを出ていってしまう⋯
そのことが Leroy Carr にどんな影響を与えたのでしょうか?
ピアノだけで歌われるその後の録音にはどことなく寂寥感があるような気がするんですが⋯

しかし、そんな中でも、続けて聴いて行くと、この Six Cold Feet In The Ground では、どうも最初っから「密度が違う」って感じがいたします。
イントロのピアノの音にビミョーな間引き感を受けてしまうんですが、気のせいかなあ?
ま、なにも、そっから彼にはすでに自分の死の予感が「あった」なんてふうに持ってくことはいたしませんが、どことなく漂う「脱力感」が、ここでは Scrapper Blackwell のギターも無しで、ピアノの弾き語りになっているせいだ、ってだけに決めつけちゃうのもなー。

Six Cold Feet In The Ground⋯ホントに印象的なタイトルですよね。

あ、よけーなことかもしれませんが、この日、Scrapper Blackwell は「自分の」吹き込みを行っており、そこでは D Blues と A Blues っちゅう「そのままやん!」っちゅうタイトルの二曲を残しております。
そして Leroy Carr の死後、7 月 7 日のセッションでは My old pal blues にサブ・タイトルとして「 Dedicated to the memory of Leroy Carr 」としてあります。

やはりピアニストの Dot Rice とコンビを組んで同じようなスタイルでブルースを演奏しようとした時期もあったようですが、すぐに「情熱を失い」またもやコツコツと(?)密造酒造りに戻ったようですが、禁酒法の撤廃により、その業務も以前ほど実り(?)多いものでは無くなってたと思うのですが。
ま、それはともかく、彼の消息は音楽業界からカンゼンに消失してしまいます。1959年までは、ね。
ブルース・ファンの Duncan Scheidt によって見出されたとき、彼はもう 15 年以上も演奏していなかったことになります。
Duncan Scheidt は彼が演奏を再開できるように尽力し、それは Document の CD として結実しました。1959 年に「再発見」されるまで、完全に音楽シーンからは離れていた Scrapper Blackwell ⋯

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