Cash Talkin'

Albert Collins


2005-11-22 TUE.




Jimmy McGriff のオルガンをフルにフィーチャーしたファンキーなナンバーですね。
もうね、ここでの Johnny B. Gayden のベースが大好きなんですよ。
Tight as a clock work !! てな感じでスラップも混ぜてしかも弾き過ぎず、バックに徹しつつも充分に活躍してる、ってえそのスタンスが実にいいざます。
もちろん、「正当的な」ブルースのベースとしてはあまり認められそもないし、Ransom Knowling なんてえ大物をさしおいてこう言っちゃうとまた反発もくらいそうですが、ワタクシの認めるブルース・ベーシストのトップですね。
ま、ワタクシの嗜好がかなりイカレてる、ってのは、ベスト・ドラマーとして Ted Harvey を挙げておるところからも判るっちゅうものでしょ。
おそらく Freddie Below を挙げる方は多いと思いますが(あ、ワタシだって彼、嫌いじゃありませんよ)、あの端正な、かつ「スキルフル(なんてコトバがあるかどうか知らないけど)」なドラム、確かに感嘆いたしますが、なんでかドタバタでドガチャカな Ted Harvey のドラムの方がココロに「来る」んですねえ。
ま、それとはまたちょっと違う次元(?)なんですが Peck Curtis のドラムもいいな。なに考えとんじゃ〜!言われそなとことかね。

さて、そこいくと、ブルースのベースってえ話題で名前が挙がってくるのって、前述の Ransom Knowling や、ちょっとちゃうポイントでしょが Willie Dixon かなあ?
でも、そのあたりって、シカゴ・ブルースを支えた、とか貢献した、なんてタームでしょ。本気でそのベースのフレーズを聴き取って、ってのとは違うよな気がするんですが⋯
ま、以前、ちゃうとこで言及いたしました、ひところの Albert King のベースのパターンが「いい」、ってのはベーシストの資質に関わることではないんですよね。
そーじゃなくて、ベーシストとして、そのスタンス、プレゼンス、さらに必要にして充分なスキルと、それを律する「センス(これが重要!)」も併せ持っている、って意味でこの Johnny B. Gayden は「何度も」ワタクシに「おっ!」と思わせております。

もちろん、このアルバム、Alligator での最後の録音となった 1986 年の Cold Snap では、いつもの Icebreakers「じゃなく」、彼にとっては(ことオルガンに関する限り)アイドルだった Jimmy McGriff を迎え、さらに管も A.C. Reed じゃなく the Uptown Horns( Crispin Cioe、Bob Funk、Arno Hecht、Hollywood Paul Litteral )を揃えるなどして、それまでのアルバムとはちょっと違う方向にシフトしてるよなとこもあるのですが、そんなときでも、やはりベースだけは、その Icebreakers から Johnny B. Gayden が参加しているワケです。

そうやって出来たこのアルバムのオープニングの曲がこの Cash Talkin'。
しょっぱなから Albert Collins のギターが咆哮いたしますが、そのバックでは適度な重量感を伴った Morris Jennings のドラムに絡みつくように Johnny "B. Goode" Gayden のベースがガイン・ベキンと「お上品に」遊んでおります。
そしてこの Albert Collins のヴォーカルを評価しない向きが多いのは充分に承知いたしておりますが、ワタクシは前にも言ったとおり、「いい」ヴォーカルだ、とおもっておりますので、聴いてて快いのでございますよん。

んっ!い、いま、「血を見るど!」って言わなかった?
ま、まさか Albert Collins が、そんな日本語を使うワケないよね?
ってんで急いでアタマに戻して最初っから「検聴」。
うひゃあ〜、歌の一番のケツのとこ、

・・・Now he didn't say yes,
But he didn't say no,
He just shook my hand and

Showed me the door

これがどしても「血を見るど!」に聞こえる!
ううう、惜しいなあ、その前後にもそんなのがあれば「空耳アワー」なのになあ。

しっかしまあ、それにしても別に例の連載なんてやってないのに、List を見ると、この Albert Collins ちゃん、もの凄〜い場所とってる、っちゅーのは、いかに彼のナンバーがしょっちゅう採り上げられてるか、って証しだよね。

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