Steal Away

Valerie Wellington


2005-12-20 TUE.




いかにもゴスペル系?っちゅう感じのへヴィーなヴォーカルでドラマチックに追ってゆくナンバーでございます。
これまた Night Life を思わせるコード進行で、こんなムードには、このハムバッキング PU ながら「歪ませない」粘っこいギターのトーンが実に良く合いますねえ。

ヴォーカルがこれだけ歌えると、全体の音作りもあまり緻密にせず、必要最小限、そう、ちょうどイントロの Fred Rakstraw のピアノみたいに、ちょっと弾いて Valerie の歌を「待つ」みたいな演出も、さすがにまったくムリがありませんね。一時的なアカペラみたいなものでございます。
ただ、その「巧さ」がときとして歌の内容の世界を「深める」方向に貢献するのではなく、ややもするとそのテクニックに耳をそば立たせてしまう、という一面もまたあるように思うのはワタクシだけでしょか?

張る部分と流す部分、出てくるところと後退するところを自由自在に操り、奔放なまでに歌い上げているのを聴いていると、(そりゃ多少の「ひがみ」もあるのはマチガイ無いけど)、フと、もっと日常的なテンションでの、ハナ歌チック(?)な取り組みで「その曲自体への愛情が感じられる」よなトラックも欲しい、なんて思ってしまいます。
もちろん、もはや彼女はすでに「天国に召されて」おり、そんなこと言ったってせんないことではございますが、あの Sippie Wallace みたいにババ⋯うっぷす、ご、ご高齢になられて、やや枯れた味わいが実にヨい、なんてえあたりまで、唄い続けて欲しかったと思うのでございますよ。

ただジャニスみたいなキバるのが「ブルースだ!」なんて思ってるヤツには、このほーがウケがいいのかもしれませんけど(ワタシゃあ大嫌いですが)。

本日もまた Biography に 4 人ほど追加して、もう(まだ?)W の項でございます。
もうちょい、ってえとこなんですが、ま、そこら、ヘンに気張ったりせず、担々つけ麺と⋯じゃなかった、淡々とコナしてまいりましょ。
だって、ひとまずはひととおりアップしたとしても、もう既に「要改良点」ばかりが目について、もいちどアタマから再点検しなきゃあ、てな雲行きです。

ま、このスタイルの日記に記載しておく「メモ」程度として見たら、「まあまあ」なとこまで行ってるようでも、やはり Biography として考えると、あの Robert Night Hawk なみに「突っ込んで」行けたら、それに越した事は無いワケで。
でも、そんなこと言い出したら、モノになるのが果たしていつになることやら⋯
そこらもアセらず、マイ・ペースで中身を充実させて行きましょ。

この程度の内容で無断で引用するなだとうっ?とワタクシを「激怒」させた某専門サイトの記載は「とっくに」凌駕して溜飲を下げたのではございますが、ちょとそれとは次元のちゃう「?」も出てまいりました。

とゆうのは、どうやら日本のブルース・サイトって(あ、全部が全部そうだ、ってことじゃないんですが)、かな〜り「伝説」好きみたいなんですね。
モチロン、ワタクシ、それを否定するものではございません。
そーゆードラマチックな側面があれば、より一層そのブルースマンに親近感やら存在感を感じる、ってんなら、それもよろしいでしょう。
ただワタシとしちゃ、そのヘンの伝説ばっかりがひとり歩きをして、あんまり確かとは言えないそのイメージを、さらに虚像化しちゃうんじゃないか?てな畏れを抱いておるのでございますよ。

何年にどこで生まれ、何才で音楽を始め、どこでどんなふうに暮らし、いつどこで死んだか?それが判ったからって、そのブルースマンの「人生」を理解できるワケじゃありません。
そして逆に、どんなエピソードを集めても、それもまたそのひとの一面を「強調し(過ぎ)た」いびつな鏡でしかないのではないか?という疑いを拭いきれません。
なにをエラそーに、と言われるかもしれませんが、確かなものは「そこにある録音」として残っているものだけじゃないか、って思うんですよ。
ワタシはそこで聴いて「感じた」そのブルースマンのイメージ(ま、これも所詮はイメージなんすけど)ってのがイチバン信じられるような気がしています。

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