Mistreated Baby

Jimmy Rogers


2005-12-22 THU.




お馴染みのギターと、そしてその背後を支える Little Johnny Jones のピアノで始まるこのナンバーですが、まさにダディ正井氏が好きそうな「シカゴ・ブーギ」そのものでございましょうか。

ま、ついつい、耳がバックの Little Johnny Jones のピアノに行ってしまうのは、正直なところなのですが。
と言うのも、このブーギ、いささかスローすぎて、ワタクシの好きなスピード(つまり Magic Sam の Mama, Talk To Your Daughter あたりのテンポね。それより早い高速ブーギにはこれまたキョーミ無い!)から逸脱しておりまして、「快い情報入力速度」を与えてくれるのがやはりその Johnny Jones のピアノだからなんですねえ。

じゃあ、スロー・ブルースなんてやってらんないでしょ?となりそうなもんだけど、あ〜ら不思議、スロー・ブルースじゃそれがまったく平気なのはナゼ?
と尋いたって誰もそんなこと答えられるワケ無いよね。
そこら、いったいどうゆう理由によるもんなんだか、この曲みたいなテンポの、それも Jimmy Rogers の伸びやかなヴォーカルの方に集中しちゃうと、なんだか「まったり」し過ぎて、ヘタすりゃ「かったるい」まで行っちゃって、気がつくと居眠りしてた、なんてのが実際にありましたからねえ。

でも同じ Jimmy Rogers の、テンポだって似たようなものと言っていい World's In A Tangle じゃそんなことないとこ見ると、特にこの曲がなんらかの催眠作用があるのかもしんない⋯ なんてバカ言ってないでマジメに行きましょね。
録音は 1952 年、8 月12日と言いますから「真夏の」Chicago ですよ。
バックは前述の Little Johnny Jones のピアノに Bob Woodfork のギター、そしてベースには Willie Dixon とドラム A.J. Gladney となっております。

やはり、しつこいようですが、なんと言っても Johnny Jones のピアノがいい!
なんたって昨日の氏名不詳のあのピアノの後、キリ!っとしたのを聴きたくなって出して来たのがコレでございますから。
いや、白状しちゃいますが、ホントは今日の曲タイトルはそのままで「 / 」の右側の演奏者名を Little Johnny Jones にしちゃいたかったんでございますよ。
同じよなことは以前にも American Folk Blues Festival での録音から、ホントは Junior Wells がフロントなのに Checkin' On My Baby を Freddie Below 名でアップしておりますから前例はあるのでございますが、やはりそれはあの場での Freddie Below の活躍が「すべてを凌駕している」域にまで達しておる、と感じたからなのであって、ここでの Little Johnny Jones は「ちゃんと」場の力学を理解してそのバランスを崩さぬように「泳いで」おり、「めざましいけれど主役ではない」というスタンスで存在しておりますゆえ、思いとどまったのでございます。

それにしても、歌の途中で Jimmy Rogers が大きく声を張ったところで急に残響成分が増えるのがとても面白い!
思わず、ハウリン YOU 娘さんとこの BBS を一時期飾っておった某鉄工所製作の CHESS Chamber(?)を思い浮かべてしまいました。

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