Tanya

Earl Hooker


06-01-26 THU.




そんな寒くはないんだけれど、たっぷり上空で水分を凝結させてデカくなったらしき、花びらのような雪が音も無く降りしきるこんな夜には、いささかクリアかつタイトなブルースよりも、ま、譬えは悪いけど、どっか一本ネジがユルんでるよな、タルいサウンドでしばし「脱力」したいなあ、なんて思い、いつもの(?)Freddie Roulette をまず聴いたんですが、ん〜、今日の気分とはビミョ〜に違う!
ご本尊はともかく、全体のサウンドは意外とかっちり(?)してて、「手練(てだれ)」感がありすぎる(?)。
もちろん、ワルくはないんですけど、いまひとつ「ズレてる」っちゅー味わいが欲しいんですねえ。

そこで、ハタ!と思い出したのが、そう、この Earl Hooker センセですがな。
なんて言うと、熱烈なファンが(って、もしいたとしたら、ね)「な、なんだとうっ!」と逆上して抗議に押し掛けてこられても困るんで言っときますが、ワタクシ、なにも Earl Hooker を侮辱しておるのではございません。
それどころか、だ〜い好きなギタリストでございます。
やれ、ブルースは歌だ!とかギターだけ、なんてのはブルースじゃねえ!なんてゆう「硬派」の雄叫び(?)が時折り風に乗って聞こえてまいりますが、んなことワタクシにはカンケーおまへん。
ワタクシが「ブルースを感じる音楽」を演奏する人が「ブルースマン」なんですから。

だから、どんなに有名だろうが、またブルースと言ったらこのひと!と誰もが認めようが、ワタクシにはそうは思えん音楽は一切、この BLUES日記では( 2003年 7月以降の、という意味ですが)採り上げておりません。
どんなに「偏屈」と言われようが、「嫌いなものは嫌い」。カンタンなことでございましょ。
ここは、ワタクシ個人の「趣味のサイト」で、ついでに(?)、なんか参考にでもなれば嬉しいなあ⋯っちゅうスタンスでやっております。
したがって公正無私、なんてえ美徳はワタクシのどこを探したってございませんから。
っちゅうか、逆に、そんなヤツおらんでしょ。
一切の「私情」を挟まずに「少なくとも」ゲージュツに関したことを語れる人間なんて!っちゅう気がするんですが。

おやおや、またも脱線しちゃいましたねえ。
ま、みなさまも、出来ることでしたら、ブルースに限らず、XXX は XXXXX でなければならん!なんてえ生前硬直したココロは捨てて、もっと柔らかなまなざし⋯は変ですね、音楽ですから。でも視覚における「まなざし」に匹敵する「聴く」上での言葉が思いつかん⋯で受け止めてみてはいかがざんしょ。
ただ、お前だってこだわりってあるじゃねえか!なんて言う方もおられるでしょうが、ワタクシのこだわりは、「ブルースを感じない音楽は採り上げない」っていうだけのことでして、教条主義的に「ブルースは XXXXX でなければいかん!」みたいな、個別の音とはカンケーない次元で切り捨てているのとは「違います」。
聴いて「いい」と思うかどうか、だけ。
ワタクシがまったく白人を採り上げないのだって、白人にはブルースは出来ん!なんて言ってるんじゃなく、まだ、ココロに「来る」ブルースを感じさせてくれる白人がいないだけのことです(いちばん肉薄してるのはエルヴィン・ビショップだけど)。
逆にいくら黒人でも、この現代に、わざと(?)カントリー・スタイルで受けを狙ってるよなのは、どれも「ウソ寒く」って聴いてられまへん。
ま、そこらはワタクシの偏屈さ全開!ってとこですけど。

さてこの Tanya、なんともいえない透明感がいいんですねえ。
複弦でのノートも濁っておらず、単音での余韻を活かした音もスペイシー(?)でヒジョ〜に好き!
1962 年の 9 月に録音された CHECKER 1025 で Put Your Shoes On Willie とカップリングだったナンバーです。
バックのミュージシャンですが、なかなかいいバッキングしてるオルガンは Johnny "Big Moose" Walker、ずっとリフだけてなホーンはバリトン・サックスが Donald Hankins。
そしてワタクシの嫌いな A. C. Reed がテナー・サックス。ベースは Earnest Johnson でドラムが Frank Swan。

おそらく同日に録音されたんじゃないか、と思われる(マスター・テープのシリアルナンバーが連続してるので)Put Your Shoes On Willie もたぶん同じ布陣じゃないかな⋯知らんけど。

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