Woman Loves A Woman

Michael Coleman


06-03-01 WED.




Alligator の ALCD-7707、THE NEW BLUEBLOODS からはこれまでにかなりのナンバーをピックアップしてきましたが、この Michael Coleman はなんでか手つかずでしたねえ。
いえいえ、別に嫌いってえことはありません。
ま、強いて言えば、他の New Age(?) Blues に比べると、なんだか本質的なとこで「オールド・スクール」っぽい、っちゅうか、それこそ James Cotton のあのライヴが当時持ってた「新しさ」みたいなものがそのまま残ってるよな、つまり、あまり年代で語るのは好きではないのですが、'70年代サウンドと '80年代サウンドの違いっつうか⋯

さすが James Cotton のバックにいただけあって、とても完成度は高いし、アレンジのツボも心得てる、って感じはするのですが、それが逆に、そっから手足がハミ出しちゃってる(?)Dion Payton やら Kinsey Report なんかとは根本的に違う、いまひとつ「破壊的な(?)」魅力に欠ける、なんて言ったら「酷」でしょか?
ギターもヴォーカルも、相当なスキルに裏打ちされた、文句のつけようがない仕上がりを見せているのですが、なんだか、それがこのアルバム全体として見た場合、彼をいまひとつ埋没させてしまっている原因なのではないか?てなふうに感じてしまいます。

つまり、キツいことを言うようですが、「言いたいこと」が、持っているスキルを上回っている、というある種のアンバランスな状態のみが持ち得るパワーってものが、彼のこの曲には「欠けている」と言うのでしょうか、なにかいまひとつ「溢れ出してくるもの」が無い、と。
もちろん、それは、前述の Dion Payton などの音の後で聴くから、ってのが大きいワケで、おそらく Alligator じゃなく、Delmark の Do Your Thing! あたりを聴くとまた違ってくるのかもしれませんね。

この Michael Coleman は 1956 年の 6 月24日、Chicago のウエストサイドで、Little Junior Parker のドラマーだった Cleother "Baldhead Pete" Williams の息子として生まれています⋯とサラ!っと流そう思ったけど、なんで父親と苗字が違うんじゃ〜!尋かれても今のとこそれ以上の情報が出て来ませんねん⋯
と、ともかく彼はかなり早くっからその父のそばで音楽に親しみ、僅か 8 才ですでにギターを弾いていた、と言いますから、楽器のキャリアで言えばワタクシよりも長いんですねえ。え?お前のことなんてどーでもいい?がははは〜でしょねえ。
さらに 11 才のときには Johnny Christian( 1936 年 8 月18日に Mississippi 州の Cleveland で生まれたブルースとソウルのシンガー兼ソングメイカー。Johnny Christian And the Chicago Playboys というバンドも組んでいた。Michael Coleman が関与していたかどうかは不明です)をヴォーカルに、とゆうバンドを組み上げてた、ってんですからスゴいです。
1979年からは James Cotton のバンドに参加して Alligator でのアルバム二枚に付き合い、さらに Junior Wells や Carey Bell、さらに Billy Branch や(って、ここまで全部ハーピストなんですねえ)Syl Johnson とも共演し、特に Syl Johnson についてはその 1982年のヒット、Ms. Fine Brown Frame でもバッキングを務めているようです。

1979 年に James Cotton のギターとなって Alligator での High Compression / Alligator Records – AL 4737 で

A2 - Ying Yang
A5 - No Cuttin' Loose
B1 - Ain't Doin' Too Bad
B3 - Superharp
B4 - Easy Loving

の 5 曲でギターを弾いています。

そして AL - 4746 Live From Chicago - Me. Super Harp Himself にも参加。
結局、James Cotton のとこには 7 年いたらしいですね。

その後何度かのヨーロッパ・ツアーの際に、録音されたアルバムもあるようですが、2000 年には Delmark でのアルバムを残しています。

Do Your Thing! / Delmark DE - 747

1 - The Train
2 - Help Me
3 - Message Of Love
4 - Cold, Cold Feeling
5 - Do Your Thing!
6 - Messin' With The Kid
7 - You Don't Have To Go
8 - Black Magic Woman
9 - Let's Straighten It Out
10 - Dock Of The Bay
11 - Tin Pan Alley
12 - Breakfast In Bed

このジャケットでは「ど〜見てもストラトキャスター」ってギター弾いてますねえ⋯
Alligator のサイトでの画像で見る限り、そのギターは 335(ヘッドが画面に入っていないのでゼッタイっちゅうことはありませ〜ん)っぽいですが、なんだかブリッジ側の PU を見るとボビンが Black & White らしいので、もしかすると Seymour Duncan あたりに換装してたりして⋯

さて、この Woman Loves A Woman でのタイトかつシュアなドラムは Roy Allison。
もっと Johnny B. Gayden みたくカツヤクすればいいのに、とちょっと不完全燃焼的「物足りなさ」を感じさせるベースは Noel Neal。
もちろん他にも、ブラスやキーボードも入ってはいるのですが、なんだか「ありきたり」な存在で、あまりプレゼンスも感じないので割愛しちゃお。

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