She Caught the Katy

Albert King


06-03-13 MON.




どうやら正式(?)なタイトルは She Caught the Katy and Left Me A Mule To Ride のようですが、ま、だいたい She Caught the Katyでハナシは通じる、と。

これは Albert King が 1960 年代末から STAX に録音した「変わった」作品群、たとえば 1969 年の St. Louis Symphony —つまり「セント・ルイス交響楽団」との共演、さらにエルヴィスに捧げた(?)Blues for Elvis なんてのに混じって「あの」Muscle Shoals で、いつもの STAX ラインとは違うサウンドを求めて(か?)後には Dire Straits や Phoebe Snow などのプロデュースも手がけるキーボードの Barry Beckett も擁する 1967 年に結成された The Muscle Shoals Rhythm Section(他にベースの David Hood、ドラムの Roger Hawkins、そして Chicago のブルースマンと同姓同名ながら、おそらく「世界的には」こちらのほーが有名では?と思われるギターの Jimmy Johnson からなるのですが、この Lovejoy ではその Jimmy Johnson は参加していません)を基本に、そこにジェシ・エド・デヴィスやらジム・ケルトナーなんてのを「投入して」新しいサウンドを目指そうとした(のか?)らしいアルバム、と言うことも出来そうですが、はて、それが「成功している」と言えるのかどうかはビミョーなところかもしれません。

ま、ある意味、面白いとこもあるんですが、たとえば、「これから初めて Albert King を聴いてみたいと思ってるんですが、最初はなんてアルバムを買ったらいいでしょうか?」なんて相談されて、このアルバムを薦めるひとは「たぶん」いないと思う⋯
え〜、ワタシの場合は、この She Caught the Katy が入っているっちゅうことで、まあ、その、なんだ、モゴモゴ⋯

ただし、こー言っちゃなんですが、こーやって採り上げてるのも、半分は「 BLUES日記としての」アリバイ作りみたいなもんでして(?)、これはかなりの方々のご賛同をいただけるのではないか、と思うのですが、少なくとも、この She Caught the Katy という曲に関する限り、「もっといい出来」のがある、と思いませんか?
そ!あのブルース・ブラザースでんがな!
確かにそのヴォーカルでは、ちょと粗さも目立ちますが、この Albert King のいささかキンチョー感に欠ける(特にバックで鳴ってる、ちゃんと音程を合せろよ!と言いたくなるよなスライドでの「和音」のふにゃふにゃぶりとかね)出来に比べると、あの「錚々たる」バックが紡ぐサウンドのクォリティたるや、実にもうサマになっております。

がっ!⋯なんて、そんなリキむこともないんですが、あえて言わせていただきたい。
She Caught the Katy のマイ・ベスト・トラックは、なんと言っても「あの」Wet Willie のライヴ Drippin' Wet に収録された She Caught the Katy でございます!
Wet Willie っちゅうと、やはりオールマンやレイナード・スキナードの陰で(?)さほど目立ちませんが(とゆーより知らないひとも多いんじゃないの?)、ワタシにとっちゃ「サザン・ロック」と言えば Wet Willie!てなもんで、ふつーのみなさまとはどうやら順位が逆のようなのでございます。
なんと言っても、ヴォーカルの Jimmy Hall がいい!
そしてそのハープも好きですねえ。
さらには the Williette's というバック・コーラスのおねえちゃんたち(注;30 年前の、ね)がまた「いい!」のですよ(「当時の」彼女たちの勇姿は http://www.ktb.net/~insync/wet_willie.html でどうぞ)。

ところで、Katy ってなに?と思われるでしょが、例の歌詞サイト harry's Blues Lyrics Online によれば Katy ってのが実は「 K.T. 」、つまり K&T= Kansas and Texas Railroad のことらしく、一方の Mule ってのはロバと馬をかけあわせたもので「どんくさい」の代名詞らしいですね。
つまり、なんでも「ちゃっちゃっ」と決める切れ味のいい彼女はドン臭いオレをおいてけぼりにして都会に出てっちまった!てな歌なようでございます。
そーなると Katy ってのが新幹線で、Mule ってのが見捨てられ、自治体もカネ出してやっとこ運転を続けてる並行在来線の第三セクター鉄道てなもんでしょか?

もっともそんな比喩なんかじゃなく、じょ〜だん抜きでラバにでも跨って来いや!てな捨て台詞だったりしたのかもしれませんけどね⋯
あ、ラバっつ〜のはウマとロバの混血らしいです⋯

気まぐれな冬?

朝起きたら、道が真っ白になっていました。
気温もどうやらマイナスかな?この冷え込み方は。

季節が萎れてゆく晩い秋から冬の兆しへ、という時期の同じような雪や寒さは、やがて来る長く雪で閉ざされる「モノクロームの冬」の予感に満ちて、ただただ厭わしいものでしたが、もはや春がいったんはここまで足を伸ばし、ひとつ油断したスキを衝いたようなこの「つかの間の」雪景色は、いかにも「戻り冬」という風情で、むしろ「名残惜しい」とさえ思ってしまいます。

いつものカフェからの眺めも「彩度」が落ちているように見えますよね。

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