Hoochie Coochie Woman

Big Time Sarah


06-03-14 TUE.




正しくは(?)Big Time Sarah & the BTS Express の演奏っちゅうことになっております。

このタイトルを見れば誰でも判るよに、これ、あの Willie Dixon の Hoochie Coochie Man の「女性版」なんですねえ。
ま、歌が歌でございますから、思いっきりリキんで歌う方が多い「これ」ですけど、ここでの Big Time Sarh は「それほど」じゃございません。
あまりリキみ過ぎると逆効果になっちゃう⋯なんて考えてたかどーかは知りませんが、なんだかちょうどいい「強さ」のよな気がしますね。
そしてその後ろの Rico McFarland のギターがミョ〜に艶っぽくていいんですよ。
滑らかなんだけど Silky smooth ってのとも違う、ある種の粘りを持ちながらもベタつかないっちゅう⋯ま、ギターの音をこうやって文章化すんのがどだい無理なんでしょが、実にいい「ありよう」なんですね。

Delmark 659、Lay It On 'Em Girls に収録されたナンバーですが、このアルバムには他にも、あのテキサス・キャノンボールでのフレディ・キングっぽい(?)Ain't No Sunshine やら、前述の Rico McFarland のギターがべらぼうに「いい」、あの Thrill Is Gone 、そしてこれまたみなさまお馴染みの Summertime なんてえ大スタンダード(あ、もち、デブリン⋯ うっぷすジョプリンみたいなサマータイムでは「まったく」ありません)までが入っておりまして、そこら、なかなかに一般受けする線を狙っておるのかもしれませんね。
はっきり言ってキョーレツな個性ってのは感じませんが、その「ほどの良さ」が聴きやすいアルバム、ってとこでしょか。
ギター・フリークには Rico McFarland がけっこう手応えあると思いますけど⋯

ふと見上げると光は明るい空に満ちているのですが、視界を占めているのは幾兆幾億幾千万の雪片(ゆきひら)。


あの内田善美の『草空間』ではないけれど、地上から昇華していった無数の「魂」が地表に舞い戻ってくるような壮絶な光景⋯

そんな中を切り裂くように ROCK 4400 をとばしてみました。

気温はおそらくマイナス 1 度くらいでしょうか。空いっぱいから舞い降りてくる雪が、夢のような美しさで、その中をまるで漂うように走っていると、なんだかスノーマンになって空を舞っているような気がします。
BGM は Peter Buffett の "Walking in the Air" を心の中で再生いたしましょ。

最初は、雪かあ、とクルマででかけていたのですが、用事も済んでクルマをガレージに入れ、なにげなく空を見上げると、空中の雪で滲んではいますが、オレンジ色に光る太陽がかなりはっきりと見えていました。
それを見ているうちに、なんだか、この降りしきる雪の中を走ってみたくなり、やや厚めの手袋を出してきて、ROCK 4400 で街に出てみました。
頬に触れる冷たい雪片がフシギに気持ちよく、ときどき首筋にも雪が入っては来ますが、こんなロケーションの中で走るのもまた楽しいものです。

おそらく、こんなふうに、雪がいっぱい舞っているのに、下の路面はさほど濡れておらず、ふつうに走れるなんて条件は年に何度もないことでしょう。
初冬の雪の降り始めだと、むしろ気が滅入っていますから、そんなことしようとも思わないんですけどね。

明日はまた気温も平年並みに戻るそうです。

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