Try A Little Tenderness

Katie Webster


06-03-25 SAT.




この Try A Little Tenderness では、そりゃもうワタシにとっちゃ「なんと言っても」Otis Redding なのでございますが、一方で Female Singer ときたら、まず名前が出てくるのは Aretha Franklin でございましょう。
そこ行くと、この Katie Webster はちょっとマイナー(もちろん知ってるひとは知っているんですが)なポジションにあって、やはり Aretha ほどの広範囲に渡る崇拝者には恵まれてはおらぬようでございますねえ。

この Katie Webster って、よく言えば器用っつうか、キーボード類も相当にこなし、その守備範囲も広い(同じこの Alligator の Deluxe Edition アルバムに収録された、あの Ray Charles のナンバー Hallelujah, I Just Love Him So ⋯あ、女性が歌ってるんで Love Her So じゃなく Love Him So になってますね。これなんて、もろニュー・オーリンズ・スタイルのピアノでキメてます!しかもケッコー巧い!)のですが、逆にそれが仇となって(かどうかは定かではありませんが)、どうも Singer としてのプレゼンスが「やや」軽くなっているのかもしれません。

そこら、この Try A Little Tenderness でも感じられるのですが、同じ曲の Aretha ヴァージョンが、とても「間を詰めてくる」、リスナーに「肉薄してくる」ような傾斜を感じるのに対し、この Katie Webster のこの曲では、それに替わって「空気感」はたまた「透明感」、なんかしらそんなようなものが支配的なような気がいたします。
ただ、その「温度の低さ」みたいなものが、けっして曲を殺してはいない、というか、むしろ、この歌い手と曲との距離感、これも「あり」だな、という、ある種の説得力は充分に獲得しているように思います。

1988 年、Chicago の Streetville Studios での録音で、他のパースネルは、ギター Andrew Jones、ベース Russell Jackson、ドラム Tony Coleman。
あ、オルガンはもちろん Katie Webster 本人ですが、後日ミックス・ダウンで差し替え(他人の演奏と、じゃなく、自分で、もっとタイトなバッキングに?)してる可能性はあるかもしれません。

昨日に比べると、たぶん 5 度近くも気温が上昇し、日だまりに駐めといたクルマの中が暑くなってる!ってくらいの「いい天気」になりました。
さすがに雪も消えて通れるようになった畑の中を抜けるアヤしいルート(?)を辿って黒石の「ひさお庵」まで「ぷ」さんと向かいます。
もちろん、ここでは「もり」でございますが、どうやら大曲の地にあって、とめごろおさんも今日は蕎麦と決めたっちゅうレンラクがあり、いや〜お互い、まこと「蕎麦日和(?)」っつーものでございましょか?

いつもながら、爽快感のある(ってどんなじゃ?)仕上がりの蕎麦は、重過ぎず軽過ぎず「ほどよい」調和で、その味わい、香り、さらには見た目でも楽しませてくれます。
特に、その味わいというのは、単純な「味覚」という言葉で片付けるには「難儀」な、かなり多面的な要素を持っていますから、たとえば塩分量、糖分量、さらには風味ってやつやら、その熟成度、加うるに旨味成分の構成比、そして、やや物理的な側面とも言える舌触りやら、喉越しなんてものまでが渾然一体となって形成されておるワケでして、逆にいえば、そのバランスが違うなりに、それぞれの「解」があるワケでございます。
ま、そこが店によって異なる個性の「面白い」ところでしょう。
この「ひさお庵」はワタシにとっての「基準点」ではありますが、だからと言って、この蕎麦だけが「蕎麦」ということではなく、これとはかなり違う位相でありながら別種の感動を与えてくれる蕎麦はあちこちにあります。
そして、そのおかげで「ひさお庵」の蕎麦がまたひきたつ、と。



その後、黒石郊外の、ちゅうか、むしろ十和田湖への途中にある伝承工芸館↑とかゆうとこまで行ってみました。
まだまわりには残雪が多く、さほどの人出もなく、売店も一部、まだ営業してない、てな状況でしたが、それでも団体さんがお食事をしておられましたから、「早春のみちのくツアー」なんてのでしょうか?
みなさん風邪ひかないよにね。

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