Blue Jay

Eddie Burns


06-03-30 THU.




このアルバム、Evidence 26024、Detroit( 1993年)には、このピアノをフィーチュアした Blue Jay 以外にも Orange Driver 、Inflatuion Blues 、Butterfly 、なんてスロー・ブルースが収録されてるんですが、なんだか、どれも独特の「空気感」みたいのがあっていいんですよ、意外に。
⋯あ、「意外に」なんて言っちゃシツレーですよね。

なんだか、Detroit って同じ北部の都会でありながら、Chicago の暑苦しい(これまたシツレイ)までの「接近戦っぷり」っちゅうかハクリョク、距離感ってのと(特にこの Eddie Burns ね)かなり違ってて、なんだか一歩(も二歩も)退いたスタンスで、粗いながらもひとつひとつの音がはっきりと分離した「見通しのいい」世界が構築されているよな気がいたします。
それに、なんと言っても、彼のハープ!
この、まあ、こんな表現が適切であるかどうか、はともかくとして「寂しさをそこはかとなく漂わせた」音、ってのが、この手のスローにはまた独特の味わいを与えておる⋯ってのは独断が過ぎるんですが。

ときに Blues After Hours みたいな(ちょと)クドい左手が耳につくけど(ま、そんだけ全体の音数が少ないんで目立っちゃうってことなんでしょが)ほぼ全編にわたってバックを紡ぎ出してゆくピアノは Joe Hunter。
そのピアノとハープ、そしてヴォーカルという「すかすか」になりそな構成なんですが、その割には濃密な、しかしそれでいて適度な距離感を保った演奏は、ときどき Otis Spann を思わせる Eddie Burns の声がまたよくマッチして、ゆるやかに流れて行き、どっちかってえとヨーロッパの聴衆にウケそうな仕上がりになっています。

それにしてもまあ、「実直」ってえイメージのハープですねえ。
ま、ワタクシ、はっきり言ってハープにはまったく詳しくないので「とんでも」な見解かもしれませんが、あの Billy Branch のハープってのが、「多才」の極北であるとすれば、ただワケも判らずハープを銜えたまま呼吸してるだけっつうフォークのド下手ハーモニカ、ってのが最底辺だと思うんですよね。
それで行くと、この Eddie Burns のハープって、その軸線とは少し違う、なんだかちゃうとこを見据えておるような感じをウケるのでございますが、どーなんでしょね。
そのヘンはスキルのモンダイっつうよりスピリッツにカンケーしてそな気がしますから、ハープに詳しいからって答えられるもんじゃないのかもしれませんが⋯

昨日の続きになっちゃいますが⋯
「歴史的価値」というのは、別にいついつまでの時期じゃなきゃダメ!と線を引き、それ以前のものだけを対象とする!てなものではないハズです。





その建造物が出現したことによって、この街に有形・無形の変化をもたらしたもの、あるいは、ある時期の建築の流行を「よく留めたもの」、それらの全てが歴史的建造物だと思うんですが。
ですから歴史的建造物はいま現在も生まれつつあるものでもある、と。

ただ、これはかつて Blues After Dark 内の、いちコンテンツ「偏見だらけの弘前ガイド(現在はすでに非表示にされています - 2023 )」でも書きましたが、それを言うには「遅すぎる」のかもしれないんですけどね。
昭和 4 年に建造された旧聖愛高等学校の木造校舎や、さほど素晴らしいとも思えない現在の市役所の前にそこに建っていた、かつての弘前市公会堂(縮小模型では見ることは出来るけど)、などなど、どれも「近代化」の名のもとにカンタンに消えてしまいました。
さて、今もこの街では同じような「抹殺」を無意識に行っているのではないか?

未来の市民から、「なんで残そうと思わなかったのかなあ。ホントにものの価値が判らないヤツばっかりだったんだな、きっと!」なんて言われないようにしたいものでございます。

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