Last Night

Carey Bell


06-04-12 WED.




1995 年リリースのアルバム、Delmark 622、Carey Bell's Blues Harp からの、まことに印象的なスロー・ナンバーでございます。
あの Blues After Hours を思わせる特徴的なベース・パターンに乗せてゆっくりと唄っていくこの曲、最初に聴いた( 1970 年代中頃 )ときから、とても強く印象に残っておりました。
特に派手なことをするワケじゃないのに、聴けば聴くほど味が出てくる Eddie Taylor のバッキング・ギターなぞ、ワタシにとっては、これこそがシカゴ・ブルース!っちゅうくらいインパクトがありましたっけ。
あ、インパクト、なんて言うと「ガツ〜ン!」と来るよなイメージでしょうが、そうじゃなくて、ジワジワと来るタイプの、ま、「絞め殺し(?)」型、って意味でね。

もちろん、この「ちょっとクセのある」Carey Bell のヴォーカル自体も気に入ったのもありますが、なんというか、総合的なサウンドって意味では、あの当時の CHESS の「音」につきまとう(あ、これ、もちろんワタクシひとりの「思い込み」ですから、理詰めで反論されても困るんですが)「余裕の無い飽和感」みたいのとは少し距離を置いた、「澄んだ」感じ、ってんでしょか?そんなとこがとても新鮮で、かつ聴きやすい、と思った理由だったように思います。
それって、なんのコンキョも無い誤解なのかもしれませんが、どうも CHESS 録音「すべて」に感じる共通した「逼迫感」みたいなものなんですね。
ただ、それが逆に作品の商品性を高めた、って部分もあるのでしょうけど。

ま、案外ワタクシがマディやウルフ(ウルフの方は最近、それほどでもなくなってきましたが)を好きになれなかったのも、意外に、そんな CHESS の音作りから来てるとこもあるのかもしれませんけどね。
なんちて、それ以上に、あのマディのご面相にゃゼッタイ慣れないけどね⋯ええ、そう!ワタクシの極端な偏見「ニンゲンの中身は必ず外観に漏れ出てくる!」ってのからしたら、近づかないほうがいい部類の代表格!ってとこだよ。
実績やら功績なんぞに誘導されない「直感重視型」ニンゲンからしたらね。

ただ⋯正直に言うと CHESS に「ダメだこりゃ!」と距離を置くようになったのは、ワタクシがリクツ抜きでイイ!思った Buddy Guy(もっちろん VANGUARD 盤ね) でしたが、その Buddy Guy の CHESS での録音が、どれも「ロクでもねえな!」と感じたのが契機でした。
CHESS の「ブルース観」自体がワタシとあまりに違う!なのに自らを「聖典」とでも思ってんじゃねえの?ちゅう不遜な(?)態度に反発し、忌避するようになっていったものでございました。
あ、Little Walter 以外はね。

そうですねえ⋯決定的な違和感ってのはワタクシがブルースってものに見出してる魅力ってものと、CHESS が「これぞブルース」と盲信してる部分のズレから来てるんじゃないのかな。
ブルース界にあっては、その「聖地」ってことにされてるらしい Chicago、そこを代表するレーベルって自負してるらしい CHESS ってゆう介在者が「どれも」単なる「商業化」の成功した「いち」パターンってだけで、CHESS だけでブルースは語れないな、って直感からの CHESS 軽視でもあったんでしょう⋯

もっとも、ブルースったらシカゴ!レーベルは「と〜ぜん」チェス!っちゅう無垢な大衆は存在いたしますから「チェスなんて要らねえ!」なんてことは言いませんが(言わないだけ?)、ワタクシにとってはチェス?うん、そゆのもあったねえ⋯程度のプレゼンスなのでございますよ。

おっととと、ただひとつ CHESS LP 1527、Left My Blues In San Francisco だけ(!)は「好かんチェス録音」のなかでは「唯一」認めておりますけどね。
とゆっても一連の VANGUARD での録音、特に VANGUARD VSD 79290 This Is Buddy Guy、あるいはワタシにしてみたら、こっちこそ「これがバディ・ガイだっ!」みたいなコッテコテの Buddy Guy 濃度(?)で攻める 1969 年11月、 New York にあった VANGUARD のスタジオでの録音 VANGUARD VSD 79323 Hold That Plane! こそが当時の Buddy Guy のブルースの「最大値」だった!思っておりますよ。

シツレ〜ながら、チェスなんぞ(?)に彼の良さや可能性が判るワケ無えよ思ってますから。
なんちて Carey Bell に始まって「なんでこ〜なるのっ?」てな罵詈雑言の数々、狂信的なチェス擁護教団から刺客を差し向けられることでございましょう。

もっとも、その罵詈雑言にしたところで「ワタシのなかじゃね」ってだけでございますので、スジガネ入りのチェス信者のみなさまには痛くも痒くもないハズ。

と、さんざん好き放題アバレてマンゾクしたので本題に戻りましょ(?)

Carey Bell's Blues Harp : Delmark DE 622

A1 - I'm Ready♠︎
A2 - I Got To Find Somebody
A3 - Blue Monday At Kansas City Red's
A4 - I'm Gonna Buy Me A Train Ticket♠︎
A5 - Come On Over Here
B1 - I Cry So Much
B2 - Sad Dreams♠︎
B3 - Everything's Up Tight
B4 - Last Night
B5 - Rocking With A Chromatic

♠︎を除くパースネルは⋯
Guitar - Eddie Taylor
Guitar - Royal Johnson
Bass - Joe Harper
Drums - Sidney Thomas

じゃあ♠︎は?ちゅうと⋯
Piano - Joe Willie "Pinetop" Perkins
Drums - W. Williams
そしてGuitar - くそたれドーキンス
がはははは〜!

このポストは稀に見る偏見だらけの悪口大会で終わるのだ!

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