Low Down And Dirty

Luther Allison


06-06-04 SUN.




よーやくブルースが聴ける!っちゅー状態に戻りました。
さて、それでは最初になにを?って考えたときに、ともかく「カラ元気」でもいいからメチャメチャ「活きのいい」ヤツ、しかもバリバリ系(?)っちゅうことで選ばれたのがこれ!

え~、Alligator AL-4849、Luther Allison のドイツ RUF 原盤、Reckless(向こう見ず)でございます。

1 - Low Down And Dirty
2 - You Can Run But You Can't Hide
3 - Living In The House Of Blues
4 - You Can, You Can
5 - Will It Ever Change?
6 - Just As I Am
7 - There Comes A Time
8 - Drowning At The Bottom
9 - Playin' A Losin' Game
10 - It's A Blues Thing
11 - Cancel My Check
12 - Pain In The Streets
13 - You're Gonna Make Me Cry
14 - I'm Back

RUF 原盤とはいえ、録音とミックスダウンは、パリの Woodstock Studio で録音された Playin' A Losin' Game を除き、Tennessee 州 Memphis の 315 Beale Studios、RUF 用のマスタリングは、同じく Memphis の Cry Rock、後の Alligator 盤はさらにそれを再マスタリングして(とーぜん、at Monster Disc!)発売しています。
参加ミュージシャンは(⋯と、このアルバムでだけ急に詳しくなるのはなんでか、っちゅうと、Alligator の Discography ではそのクレジットが完全に欠落しておるからなのでございます。つまり、他のは同社のサイトを見れば判るんでいちいち書いてないけど、これはその穴を埋められる、ってワケね)

ギターに James Solberg(一曲目となる、この Low Down And Dirty の作者でもある)と、息子の Bernard Allison( Playin' A Losin' Game )
ハモンド B-3 は Mike Vlahakis(電子ピアノも)と Kurt Clayton( Just As I Am )Rick Steff( Living In The House Of Blues )の三人
ベースは二人で Dave Smith と Ken Faltinson( Pain In The Streets )
ドラムでは Lloyd Anderson、Darin James( You Can Run But You Can't Hide )、Steve Potts( 3-4-8-10|~14 )、Willie Hayes( Will It Ever Change? ) の四人

がクレジットされています。

そして録音スタジオのとこで出てきたパリ、Woodstock Studio での Playin' A Losin' Game にアコースティック・ギターと絡んでくるハープは Maria Glen ってゆう 1960-01-03 シカゴ生まれのシンガー・ソングライターらしいですが、ワタクシ、まったく判りません。江戸川スリムさまなら知ってるかなあ?

バックに入るホーンは、これまたお馴染み(?)の the Memphis Horns ⋯Andrew Love-ts. / Wayne Jackson-tp.って、?ふたりだけかい。

まあ、なんと申しますか、このアルバム、全編を通しまして「良くも悪くも」Luther Allison そのものですねえ。
彼のブルースを好きなひとだったら、うん、Luther Allison はこうでなくっちゃ!てなもんでしょし、逆に嫌ってる、あるいは高く買ってないひとからすれば、そりゃ、クソミソに貶すまでは行かなくても、まあ Luther Allison だもんなあ、こんなもんだろ⋯なんてツメタく片付けられちゃいそ。
確かに「ブルース・ジャイアント」とは呼ばれそうにない、どっかうわずったよなヴォーカル、なんだかチャラチャラして聞こえる前のめりなギター⋯

「神様」視するファンって、このひとにはいないんじゃないか?っちゅう庶民性(?)を感じちゃいます。
まことにヘンなたとえで、どっちにもシツレーかも?ですが、シカゴの大御所やら神器ルシールを抱えた王様あたりが「XX神宮」クラスだとすると、この Luther Allison って、ヒョイと入った横丁の「XX稲荷」って感じなのね。

なんだかいつまでたっても「ホントはあんまり歌、得意じゃないんだ」てな感じの(あ、ホントはどうなんだか判りませんよ。凄え自信があったのかもしんないし!)ヴォーカルを聴いていると、逆に「それでも」歌いたいんだ!っちゅう強い意欲みたいのを勝手に感じてしまうんですが、もちろんそれはワタクシだけの「誤解」である可能性、きわめて「大」なんですけどね。がはは

ジャケット表面の画像を信じれば Gibson Les Paul Standard のゴールド・トップ(でもジャケ中の画像じゃレッド・サンバーストの Les Paul なんだよな〜)で、それこそバリバリにスライドかまして(あ、Hound Dog Taylor みたいな「暴れ」方じゃないんですけどね)、ちょっとロック・テイストを強めにした「悪そうなブーギ」で闊歩する、って感じですが、でもどっちかってえとそのギターよりも Luther Allison のヴォーカル自体の方がよっぽど破壊力アルんじゃないでしょか。

ところで面白いのはこのアルバムで Thanks:、つまり以下の方々のご協力に感謝いたします、てな一文で、Gibson Custom Shop ってのが挙げられてるんですねえ。
とゆーことは(もし実際に彼の使ったのがこのジャケットに写っている Les Paul STD. とすると)どーやらオールド・モデルとかじゃなく、かなりスペックに注文をつけたセミ・カスタムのワン・オフ、それもバリバリの「おニュー」だったのかもしれません。
ついでながら、そこには Dean Markley の名前も挙っておりましたから、その Les Paul には Dean Markley の弦を張っていたのでしょう。ま、だからどう、ってワケじゃないのですが⋯

でもまあ、やはりこうして聴いていると、この Luther Allison の「声」がだんだん「滲みて」来ますねえ。
最初はもっぱらそのギターに気を取られ、いえ、それどころか「歌はたいしたことねえなあ」なんて思っていたものでしたが、なんだかこのごろ、この声がミョーにココロヨいのですわ。
決して「うっとりするよな」美声ではありませんし、歌うことのスキルもシンプルさが目立ちますが、逆に「それ故に」ココロを打つ、てな部分があるよに思うんですよねー。
モチロン、だからといって、ブルースじゃ、歌がウマくちゃいかん!なんて言うことじゃないんですが、ウマ過ぎるヴォーカルがときとして鼻につく Junior Wells みたいな存在と相補完して広大なブルースのレンジっちゅうものを形成しておるのではないか?てな暴論に傾きつつあるのでございますよ。

ワタクシも以前は、ブルースを歌うのにあまりにウマいひとは向いてない、とか、「ありがちな」ブルースはXXXXXでなければ、みたいな「思い込み」があったのですが、この BLUES日記でいろんなひとのいろんなブルースを聴いたおかげでしょか、「ブルースはXXXXXでなければいけない」みたいな決めつけ自体が、実はいちばん「ブルースじゃない」のかもしれんな、と気がつきました。

つまりね、ブルースってのは、聴くひとがそこにブルースを感じたらブルースなのよ。ひとそれぞれ違うでしょうが。
ま、違って当たり前なのよねー。
お前のブルース観はマチガっとる!と言うより、それがキミのブルースなんだね。っちゅうスタンス、これですね。

なに?淡谷のり子?んなもんブルースじゃ⋯

あ!

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