Black Cat Rag

Willie Lane


06-06-19 MON.




昨年の 7 月以来の Willie Lane でございます。
前回は同じ Texas 州 Dallas の Deep Ellum という地区つながりで他のテキサン、Willie Reed や Otis Harris などとの類似性についてちょっと触れましたが、この Black Cat Rag では、むしろ、もっと東、いわゆる Georgia 州 Atlanta なんてえあたりでちょいちょいお目にかかる系統の音との類似性を感じちゃいますね。
なんかこのままギターを 12 弦に持ち替えさせたら「よりピッタリ来る」よな感じでございます。
それは右手の運びだけではなく、コード・ワークに見られる「余韻」を活かすようなコードの選び方などでも感じられるような気がするのですが、ま、そこらあくまでもワタクシ個人の印象に過ぎませんので、あまし本気にされても、ってとこでしょか(ムセキニン!)

なにより、この録音自体が、戦後の 1949 年になされている、ってのがどうもいまひとつ明瞭には言い切れないモノを持ち込んできているんじゃないでしょか。
この Yazoo L-1032、Blues From Western States (1927-1949 )では、この Willie Lane 以外のブルースマンはすべて「戦前の」、放浪するブルースマンにとっては当たり前であった「弾き語り」の時代の中で録音しているようなものなのですが、それを「そのままのスタイルで」1949 年に録音した、というのが、どうもねー、少なくとも時間軸上では「大きく」ズレているワケですから⋯
ま、現代にだってそんな弾き語りスタイルで録音してるのがいるくらいですから、それが戦後すぐだからって「どうってこたぁない」と言われればそのとおりなんでしょうが、なにかしら割り切れないものが残ります。

いえいえ、これアナログ・ディスクですから、聴くときは B 面のアタマっから流してくるワケなんですが、そこで Willie Lane になったからって特別に違和感とかを感じることはありません。でも、だからこそ、その間の 20 年はなんだったのか?とか逆に考えちゃうんですよ。

空は「いつ降り出してもおかしくない」よな雲に覆われていましたが、予報どおり(?)いまのとこ雨は降っておりません。
こんな日にはしっとりと戦前のブルースでも、と思いつつ、けっきょく選んだのがその中でも唯一、戦後に吹き込まれた Willie Lane なんですから笑えますねえ。
しかしまあ、前にも書きましたが、この手のブルースはホントにヘッドフォンや、あるいは「きわめて高品質の」オーディオでの再生には向きませんね。
今回もアナログ・ディスクからディジタルにエンコードしたものを不実(あ、久しぶりの登場!)な FMV にインストールした iTunes に移して、底面についてるその「ちゃちな」狭帯域スピーカーで再生してみましたが、これがもう、ミョーにハマるんですねえ。

あ、別にゼッタイに「お薦め!」なんてワケじゃありませんよん。
たぶん、よほどのモノズキ以外には「アホか!」なんて言われるのがオチでしょうから。

弘前市は、その中心の西側を北上する「岩木川」に接しており、過去には水害も経験しているようですが、上流にダムが出来てからは災害をもたらすほどの増水は経験していないようです。
それによって下町に暮らす市民の間でも、水害の惨事の記憶は遠く薄れ、なかにはすっかり安心しきっているような人たちも見受けられるようになってきました。
しかし、ここ何年かの、台風にしろ大雨にしろ、地球温暖化の影響によるものか「激甚化しやすい傾向」というものを考えると、いつ、「想定値を上回る」増水が起きても不思議ではないワケで、特にその水源地帯を異にする土淵川と寺沢川からの放水路(そのそれぞれの河川の水量が一定基準を超えると、溢水を岩木川に向けて流す地下水路。岩木川の上水道取水口のすぐ下流、河岸段丘にトンネルが開けられて岩木川に合流するかたちとなっているのがそれ)を岩木川に結んだことによって、これまでは無かった、三つの河川の水源地帯に「ほぼ同時に」大量の降雨があった場合、さらに岩木川の水位が上がる、という事態だって無いとは言えませんよね。

治水ってのは、なにもしなきゃ災害は起こり放題で、そこに堤防などの工事を行うことで、その災害が発生する「閾値」を上げて行くワケですが、もちろん、金輪際、ゼッタイに水害なんて起きないようにしてやる!なんてなると、その事業費は莫大なものになりますから、どっかで折り合いをつけなきゃなりません。
悪く言えば一種のギャンブルですよ。
その治水工事の設計で想定した上限水量を超えるほどの雨なんて降らないかもしれないし、でも、降らない!と断言は(誰だって)出来ない、と。

⋯と長々とガラでもないことを書いてきたのは、昨日、ROCK 4400 でおサンポしてて、そう言えば、前にクルマで通りかかったときに、なんか新しい施設が出来てるなあ、とは思ったけど、その時は先を急いでいたので、そのまま通り過ぎちゃった岩木川沿いのバイパスに面した新しい建物を訪ねてみたからなのでございます。

そこ、『弘前地区河川防災ステーション』という施設でした。
どうやら、まだあまり周知徹底されていないのか、入ってみると、「こんにちわ!」と、そこの職員らしいおねえさん二人に張り切って出迎えられてちょっとビックリ、です。
玄関を入って右側は事務スペースらしく、左側が開放されていました。
正面にはテーブルがあって、その上には各種パンフレットが並べられ、なかでも岩木川に生息する生物に関したものが充実してますねえ。
特に『岩木川へ行ってみよう 〜生物ポケットブック〜』なんて文庫本なみの厚さがあって、中には豊富にカラー写真も使われてますから、えっ?これもタダでいただいちゃっていいの?と思わずおねえさんに尋いちゃったくらいです。
間違いなく、これ一冊もって川辺をサンポしたら、特にひとことで「雑草」と斬り捨てられちゃう植物たちが、ちゃんと名前を持ち、どっから来たのか、なんてことも判りますから「外来種」というものの実相がよりよく理解出来るでしょう。

そして今現在、下町で暮らす人たちにとっては「一家に一枚!」と言いたくなるのが「水害ハザードマップ」です。
それもちゃんと用意されてますから、一度、サンポがてら寄ってみたらいいんじゃないでしょか。
お茶こそ出ませんが、冷たいお水は用意されてますから、これからの季節、ひといき入れにどうぞ。

で、中には作業領域もあって、そこでは流木を使った工作だとかを(たぶん)指導のおねえさん付きで楽しめそうですからヒマを持て余した夏休みのガキ⋯うっぷす、おこちゃまなど連れてって、ついでに工作の課題も仕上げちゃう、なんてのはどう?
でも、別な一角にはけっこう重さがあるテトラポッドのおもちゃ(?)があって、それを積んだり並べたりして遊べますから、そっちに行っちゃって工作なんてしてくんない、っちゅうおそれもありますけどね。
また、当然 PC も用意されてて、マウスでいろいろクリックしてくとカワセミの姿(⋯はちょっと小さくて、しかも一枚っきりだったけど)やその生態なんてのが判るように系統づけられてますから、これまた自由研究の一助に、てなもんです。

そして建物の右側の外壁の前には、流木から選りすぐった(?)木材がまとめられ、ご自由にどうぞ、となっていますから、これまた工作の材料として、はたまた DIY にも使えそうです。
もっとも、同じことを考えそうなひとが増えたら、スグ無くなっちゃうかもしれませんが。
で、そんなときは自分で川辺に行って、なんか拾ってくるのもいいかもしれませんね。

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