Backin’ to the Street

02-09-13
エピちゃんが、Epiphone’s Blues:サイト設立への思いで、あらためて自分のサイトの意義を検証しています。
エピちゃんは最初、ただ「ストリートミュージックが好きなのでそれに関する事を何かしたいなぁ」ということでこのHPを立ち上げたようですが、多くのミュージシャンと触れ合って行くうちに、ギモンにも出くわしてるみたいです。

エピちゃん自身はストリートにおいて「溜まっているものを吐き出すことによって自己浄化しつつ、ウデも磨く。
そして聴いてくれる人には、出来る範囲で惜しみなく尽くす(は、ちょっとオーヴァーだけど)」事を主眼としているようなのですが、なかには『夢を追いかけて路上でやっている』人や、逆に『プロになりたいからストリートはやらない』という人もいるみたいで、ともかくストリートやってる人たちを「応援」したい、と始めたサイトのありようを、一度キッチリと考えてみたかったようです。

一方では、ストリートで、他の人の演奏に接する時と、逆に自分が演奏する立場にある時の「ストリートの概念」が「違う」ことにも気付いているようで、そこを、どう折り合いつけるのか、探っているんでしょうね。
私自身はストリートの経験が無いので(文字どおり、路上で演奏したことはありますが、それはイヴェントの一環として行われたものであって、そこでそんなことやってるとは知らなかった通行人を、自分の音の「実力」で引き止めたワケじゃないんで)、そこにどんなヨロコビや悲しみや栄光や屈辱があるのか、あり得るのか、について語ることは出来ません。
しかし、ストリート・ミュージシャンたちを『ストリート・ミュージック』というひとつのワクでまとめることはギモンだ、というエピちゃんの考えには賛成です。
もし自分がやるとしたら、と考えると、あくまで「趣味の音楽」であるブルースを、「自分の好きなように」やりたい、と思うんですが、しかし、デビューへのチャンスが転がっているかもしれない、と人生を賭けてるヒトたちからすれば、そんなやり方は「問題外」、街になんか出てくんじゃねえ!と言われるのもムリはないワケです。
またデビューなんかしなくていい、街で生きていければ!と、その日の「上がり」をメインに(弘前周辺じゃ冬の吹雪とかがありますから、あまりいないと思うんですが)ストリートを生活の場にしている人たち。
エピちゃんは「(ただひたすら、同じように『路上』で音楽をする、という行動面での)『ストリートミュージシャン』として」応援しています。
要するに、「夢を追いかけているから頑張って、とか、下積み生活大変だろうけど、頑張って、とかでは無く。」という姿勢でサイトを運営して行くようですが、それが正解だと思います。でないとムダな細分化でコマギレになっちゃいますからね。

「プロになりたいからストリートはやらない」という人も中にはいたんですね。
ストリートからプロになる人もいるし(そりゃ、パーセンテージで言えば、ストリートからプロに、ってのは確かに、かなりゼロに近いでしょうが)、オーディションで見出される人もいます。
一見、ストリートに向かない音楽ってのもありそうな気もしますが、でも、演奏者が、なんの先入観も持たない「無色」な聴衆と出会うことの出来る「貴重な場」であることにかわりはありません。
そこで得られたリアクションをどう捉えるか、は本人の資質に関わる問題であって、「ストリート」に問題があるワケじゃありません。
ストリートでの「受け」を狙うと音楽的に偏ってしまう?たしかにそうでしょうが、問題は「狙うと」のとこなんですよ。狙ったのはあなた自身ですからねえ。

それに、偏る、というイミではどの形態でも同じでしょう。
たとえばCDデビューなら、それなりの「作り」をプロデューサーあたりが寄ってたかってやるワケだし、ライヴハウスでも、そこを意識した「受け」の狙い方が必ずあります。
オーディションだっておんなじ。ウケるノウハウってものがそれぞれにがあるんだから、結局はそうゆう「すり寄り」をしないでも通用するだけの「ズバ抜けた才能を持つ」ようになるまでツっ張るのか、それとも、まず懐に入ってから徐々にそこから脱して行くのか、そこまでちゃんと考えてみた上で、しかも、なにをもってプロというのか、も考えたあげく「プロになりたいからストリートはやらない」と言うのならそれはそれでいいんですが。

プロになるだけが「音楽への関り方じゃない」ってえのがわたくしのシンジョーでございます(実は、なれなかっただけ、という声もありますが)。そして、音楽の世界が、プロを頂点としたピラミッドだ、なんてゼ〜ンゼン思ってない私としちゃあ、そんな薄っぺらい価値観で「プロになりたいからストリートはやらない」なんて決めつける行き方はあんまり好きにはなれませんね。
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