Orange Colored Sky

Screamin' Jay Hawkins


06-07-05 WED.




こちら、もともとはヨイショ⋯じゃなかった、ユイショ正しい(?)M. Delugg と W. Stein の手になる美しいナンバーなのでございますが、そこらまさに、さすが Screamin' Jay Hawkins、もうミゴトなまでにフンサイし(?)実にファンキーな(??)アヤしい仕上がりとなって、ワタクシのようなマニアの顔を綻ばせてくれるのでございます。

最初は「やや」まともに滑り出すのでございますが、いきなりスピード・アップしたあたりからは、もうヤツならではの暴走が始まり、もはや一気呵成、いつもの「ふらちな」おちゃらけワールドの出現でございます。
しかしまあ、いつものことですが、スジが切れそうな Screamin' Jay Hawkins の絶叫こみのヴォーカル部分を除けば、実にもうハイ・クォリテイなこのバッキング、まったくもって「もったいない」っちゅうか、こんだけのレヴェルだからこそアホが引き立つ⋯ じゃなかった、「笑かすときは、マジメにやれ」っちゅうセオリーどおり、ってヤツなのでございましょうね。
まったくパースネルが不明だっつうのがもったいないよな素晴らしいサックスのソロや、これまたなんとも効果的なチェロのアルコのあしらいなどなど、これぞプロ!っちゅう仕事で聴かせてくれますが、判明しておるのは唯一、バックに美しく和音を流して、ときにはスキャットっぽく彩りを添えてくれる「例の」Ray Charles Singers だけ。そう!あの Temptation と(おそらくは)同じセットでの録音でしょうねえ。
よって、この曲でも Discogs の推測(?)を流用すれば、

the Leroy Kirkland Orchestra
Ernie Hayes: piano
Mickey "Guitar" Baker; guitar
Al Lucas: bass
David "Panama" Francis: drums
"Big" Al Sears & Sam "The Man" Taylor: tenor sax ⋯

ではないか?ちゅう可能性はある⋯かな?ただし Leroy Kirkland Orchestra 自体のパースネルの資料に出会えず、チェロが弾けるメンバーがいたのかどうか、は不明でございます。

ま、この 1957 年 New York 録音の Orange Colored Sky ですが、そのオリジナルと言われる Nat King Cole でも、突然の遭遇のサプライズ部分はいきなり音量も上がってコーラスが登場したり、そこそこの演出はしておるのですが、それでもこの Screamin' Jay Hawkins みたく、スピードまでバカっ早くはしてませんし、さらにサビ部分での理不尽なまでの「力み」はモチロンございません。
まあ、そこがそれこそ「さすが Screamin' Jay Hawkins 」てなもんでしょ。
強引なまでの拡大解釈っつうか演出過剰というか、案外ヴェルヴェット・フィールな Nat King Cole の世界に風穴を開けたかったのかもしれませんねえ。
オリジナル(あ、この Screamin' Jay Hawkins の歌う Orange Colored Sky の、って意味ね)は EPIC LP #3448、At Home with Screamin' Jay Hawkins に収録されていましたが、現在では EPIC LEGACY EK 47933、Cow Finger & Mosquito Pie や RHINO R2 70947、Voodoo Jive、さらに Collectables COL-CD-5456、I Put A Spell On You などに収録されています。

なかなか「お洒落な」Nat King Cole のも悪くはありませんが、タマにはこの Screamin' Jay Hawkins の疾走感あふれる(というよりは「暴走感」か?)Orange Colored Sky もお楽しみくださいませ。

⋯さて、今日のこの曲、ブルースですか?と尋かれたら胸を張って答えられそうです。
「いいえ!」ってね。

さて、この春には大江戸組が三日間通ったルネスの CAFE JEEBA ですが、全体の構造変更に伴って一階から二階へ移転することになり、現在その工事のあと内装の仕上げの最中のようでございます。
そこからの視界が大きく変わりますからねえ⋯どんな感じじゃろ???

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