専制君主?

02-09-18
すぐそばにあった小学校がどんどん解体されていってます。
ただし、いま住んでいるのは、後から引っ越してきたところなので、その小学校に通ってはおりません。(もっとも、通っていた小学校の方はもうだいぶ前に建て直されてしまっていますから、「懐かしの校舎」はとっくに地上からは姿を消していたのですが)
第一と第二の大成小学校、略して一大・二大と呼ばれた(実はもうひとつ、離れたところに三大もありますが)このふたつの小学校が、生徒数の減少に伴って、ひとつに合併してしまいました。
1956年?あたりに戦後のベビィ・ブームで生徒数が増え、収容しきれないので作ったのが二大だったように記憶していますが、ほぼ半世紀を経たいま、出生率の低下と、市心部の人口の郊外への拡散によって、生徒数が激減してしまったのですね。
合併した上で、まず旧一大にみんな通い、その間に二大をとり壊してさら地に戻し、まったく新設計で「大成小学校」の新校舎を建設し、完成したら今度はこっちに移転して来て、向こうを壊す、となんだかアルゴリズムの演習みたいですけど、ホントウです。で、向こうはなんか施設でも作るのかな?

生徒数の減少については、出生率が下がっているのもたしかですが、もうひとつ、市そのものの構造が変化しつつあることも影響を与えているハズです。
東京などとは異なり、弘前という典型的な地方の中小都市は、次第に「クルマ無しでは不便な街」になりつつあります。市心部の地価が高騰し、再開発しようにも権利関係が複雑に絡み合い、大規模店と、それに伴って必要となる大駐車場を新たに確保するコトが困難なため、いきおい郊外にそのような大規模店が配置され、そうなると市心部の客足は落ち、にもかかわらず都市計画税や固定資産税は高止まりですから、採算分岐点を割りこむ商店が出てくるのは当然のことです。
市をとり囲む商圏からのお客さんのかっての足はバスであり、JRや私鉄の電車だったものです。それが、いわゆる「マイカー」の普及によって公共交通機関がマクラを並べて「赤字転落」したため、路線廃止や便数減少など、さらに「マイカーを必要とする」状態になってしまっているのです。

そして、市による市街の改造は当然、かなりの数の「立ち退き」を生み出し、それがさらに中心部の人口密度の低下をもたらしています。
幅員 30mを超える道路を商店街を二分する形で無理矢理ブチ抜くよりは、同じ予算で、駐車場の整備をする方が、よほど市の活性化につながるハズなんですが、なんですか、アメリカのなんたらって街を視察した市長が、弘前もこんな街並みにしたい。とホザいたらしく、それ以来、せっせと弘前固有の細く曲がりくねった趣きのある街並みを親の仇のように破壊し尽くすつもりのようです。
完全にトチくるったエセ科学を錦の御旗にユダヤ人種を虐殺しまくったアドルフ・ヒトラーそっくりですね。

どうしても世界に理想の街のモデルを求める(ってえコト自体ずいぶんおバカだと思うけど)なら、たまたま行った一ヶ所だけなんかじゃなく、もっといっぱい見なきゃあ。
イタリアの山岳都市やイスタンブール、マリ共和国からヴェトナムのフエ、いったいなんだってアメリカなんてえ歴史の無い街並みをモデルにしなきゃいけないのか、これは立派な狂信者ですね。
風土が似ているってコトでは日本各地にある小京都なんて、いくらでもモデルになりそうですが、おそらく、そんなモノマネみたいなコトが出来るか!ってコトなんでしょう。で、よけいタチ悪いことになってるんだけど。

案外こんな風な「目立たないヒトラー」、まだまだまわりに居そうですね。
permalink No.158

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