Rock Me

Hound Dog Taylor


06-09-01 FRI.




別に行く夏を惜しんで、っちゅうワケじゃないんですが、このところ無茶な暑さも影を潜め、ようやくこの手のパワー・スライドを堪能できる気分になってまいりました。
特に昨日の Lil' Ed の細く美しい(あ、あくまでも Hound Dog Taylor と比べて、ね) Singing Slide なんてのを聴いちゃうと、やはりもっとラウドでダーティ、パワフルかつパンキッシュな(?)破壊力を秘めた Hound Dog Taylor をまたじっくりと聴きたくなっちゃうんですよねー。

そしてやはりこの Rock Me なんて聴くと、Lil' Ed には無くて Hound Dog Taylor にあるもの、そう、たぶん「悪党力(?)」の差が如実に出ておるのじゃないかと⋯
いえいえ、別に Hound Dog Taylor が希代の悪党だ、なんて言ってるんじゃないんですよ。逆に Lil' Ed がマジメ過ぎる、っつうか「ひとが好い」よな気がするんですねえ。

と、ここで余談ではございますが、人が好いと名料理人にはならないよね。人が悪いヤツが料理では名人になる!とトンデモな持論をブチかましたところ、あ〜!そうなんだ!それで判った〜!言われて「こっちが」驚いたことありましたっけ⋯なんですか「いいひとなんだけど、作る料理はイマイチなんだよな〜」思ってた相手がいたんだそうで、ワタクシの暴論でナットクしちゃったみたい⋯

ところでワタクシ、Lil' Ed とも Hound Dog Taylor とも「と〜ぜんながら」面識はございませんし、あくまでもその録音された「音」から受ける印象だけで語っておりますので、そりゃもう、「語り」と言うよりは「騙り」に近いかもしれませんねえ。

ま、あからさまに言ってしまえば、おそらく Hound Dog Taylor ってのがもうめちゃめちゃスゴ過ぎるんでしょうね。
ワタクシ、あの Elmore James の跡を継ぐ、なんてポジションで Hound Dog Taylor を語るのにはモーレツに反対いたしましたが、同様に Hound Dog Taylor の後継者、なんてのもいる「ワケがない!」
Elmore が Elmore James っちゅう独立した「いちジャンル」を確立してるのと同様、この Hound Dog Taylor もまた、彼の名を冠したジャンルを確立した、と考えています。
それで行くと Lil' Ed の場合、なかなかいいセン行ってるんですが、まだそこまでじゃないよな気がしますねえ。これからに期待、ってとこでしょか。

さて、Rock Me、もちろん皆様ご存知の Rock Me, Baby なんですが、なかなかおおらかでいいですねえ。
歌詞なんてホントはナマ臭いものもあるんですが、そこら勢いで押し切るっつうか、んなことどーだっていいじゃん!てなゴリゴリぶり(?)がかえって清々しい(のか?)。
この曲って、もうかなりヨボヨボのジジイなんかが「ムカシはワシも⋯ぐひひひひ」と思い入れたっぷりに歌うとこにその対比の妙があるんですが(ホントか?)、この Hound Dog Taylor、ナゼか「やらしくない」のは、やはりフトコロの深さでしょ。
なまじマジメだとなかなかこうは行きません。

なんちて、まるで Hound Dog Taylor が大悪党みたいな書き方になっちゃってますが、それもこれもソンケーするが故、でございますからね! ま、ビョ〜キは重いほうがエラい、ってのに似てる(?)⋯

今日から 9 月。
炎熱の(?) 8 月とは違って、少しは落ち着いてくるでしょうか?
なにを見ても、陽炎のなかで揺らぐようだった夏の色に対し、秋はもう少し深みのある色合いを見せてくれます。
特に「ブルー」。
花の色にしても、日陰で輝きを収斂させるような不思議な引力を放つ「青」。

そして見上げれば

確実に夏とは違う「相」を見せてくれる雲たちの背後で静かに光る蒼空⋯

お昼を食べた後、ちょうどいい腹ごなし(?)に友だちのとこまで CD を届けに ROCK 4400 で行ってきました。その途中で見上げた空は、やはり「秋のもの」ですよね。
なんだかずっと見ていたいような雲たちでしたが、でも、意外と変化ってゆっくりです。

そのくせ、ユダンして目を離してると、次に見るとけっこう変わってたりして⋯

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