Already Eddie, enough!

American Blues Legends


06-09-03 SUN.




およそ Eddie Taylor の熱烈なファンだったら、彼がイギリスのブルース系ロック・ミュージシャンをバックにして吹き込んだあの Ready for Eddie を「聴いたことがない」などということは「無いハズ」でございます。
ま、このアルバム自体はバックが「不純である」てな偏見から低く評価されたりすることもあるようですが、ワタクシといたしましては、我々自身が手がけた「ホンモノのブルース・ライヴ」として、ここ弘前に呼んだ唯一のリアル・ブルースマン、Eddie Taylor の、至近距離で被爆した彼のブルースってもの、それとイチバン「近い音」がする、というイミでも、このアルバムは特に忘れ難いものがあります。

その Ready for Eddie を結果としてもたらしたのが 1974年の American Blues Legends というツアーなのですが、どうやらそのときのステージを録音した音源が存在したらしく、それがこうしてナゾのレコード会社 North Side Records によってリリースされたのでございましょうか?
この Eddie Taylor の録音はどう見ても「場内隠し録り」てなクォリティじゃなく、なんだったら Live at XXXXX としてリリースしよか?てな「本気モード」での録音になっていますねえ。
おそらく 1974 年の 2 月か 3 月にイギリス London、Belmont Street 1A の Chalk Farm Studios Limited でマスタリングされたもの、と思われます。

さて、一部に存在する頑迷なマニアは全員が黒人じゃなきゃ!なんてウルサいようですが、バックが全員白人であったとしても、トップが黒人で、ちゃんとしてたら「リッパに」ブルースになる、と思いませんか?
あのクソじじ⋯うっぷす、Clarence "Gatemouth" Brown だって彼以外はみんな白人、ってえメンバーでやってましたが、かえって Gatemouth のブルースが「ゆがめられずに」表現出来てて良かったと思うんですよ。
そしてそれは、この Eddie Taylor のライヴでも感じることが出来ます。
ヘンに「ふん、オレのほーがスゴいんだ!」なんてカン違いしてる「ばぁたれドーキンス」みたいな「害虫」にサウンドをめちゃめちゃにされることもないし、主導権争いで場が荒れることもない⋯

ところで、この CD の後半は Big John Wrencher のステージが収録されており、そこでも Eddie Taylor のギターを堪能することができます。
そしてまたこの Eddie Taylor、ひとたびバッキングにまわったときのプレイがまたスゴいんですよねー。
これだけの音源がナゼこれまでリリースされなかったのか?
ちょっと不思議ですよね。
ま、考えられるのは、権利関係がフクザツでその調整に難航してるうちに機会を逃してしまったのかも?ってあたりですね。
特にこれなんて、ツアーを企画した American Blues Legends、Eddie Taylor に Big John Wrencher、さらにバックを務めた現地調達のミュージシャンだって複数のレコード会社に契約関係が分布してたら、それ全部まとめるなんて「かなり」タイヘンそうですからねえ。

ただ、そゆのは(たぶん)当時の事情、ってヤツですよね?
今はどうなんでしょ?そもそも、この音源の所有権と、原盤著作権、さらに録音に参加したミュージシャンなんてのの権利関係は相変わらず「それほどメガ・セールスが見込めるような録音じゃない」ものに対する労力としちゃあ割に合ないのでしょうか?
だいぶ昔の話ですが、あの Magic Sam の Ann Arbor ライヴがなかなかリリースされなかったのも、そこらの権利関係の調整に迷走してたからだ、なんてことを聞いたことがあります。いやあ、なかなかタイヘンなんすよ。ヘタに見切り発車なんぞしちまうと「待ってました!」とばかりに訴訟を起こされて、マージンをまるごと横取りされちゃったりしますからねえ。

ところで、そもそも American Blues Legends ってなんやねん?と軽く(?)検索してみましたが、誰が始めたどうゆう趣旨のツアーであるのか?が判るよな資料には行き着くことができませんでした。
あの American Folk Blues Festival の「カネになりそ!」な様子から別な業者が始めた二番煎じなんじゃないか?思うんですが、どうもそうゆう内情に踏み込めそうな資料は見つかりませんねえ。
案外、また「かなり経ってから」再検索するとその名前でちゃんと一項目が!なんてことになるかもしれません。
いまのとこ、そうゆうのは任せなさい!な Wikipedia でも「該当項目ナシ」になってます⋯

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