Grammy?

Alligator Tale vol.04


06-10-16 MON.




1970 年代の前半、Alligator はその所属ミュージシャンのライヴを積極的に組み、「彼らの」Recording Artists の浸透に努めました。
この時期、Alligator が手がけたライヴは年間 150 以上もあった、と言われています。
そのような「前向きの姿勢」はやはりブルースマンたちからも注目されるワケで、それがまた「良い」契約につながる、という理想的な方向に進むこととなったのではないでしょうか。

1963 年に USA レーベルに初吹き込みを経験し、ただそれはパっとせず、Chess で Willie Dixon の手になる Wang Dang Doodle がヒットして、一度は上昇機運を掴んだかに見えた Koko Taylor( Cora Walton; born in Memphis, 1938 )が結局どちらもいまひとつだったアルバム 2 枚の後で Chess を離れ Alligator を選択したのも、そんな Alligator に可能性を見出したからかもしれません。
どちらかと言えばそれまでは制作サイドの言いなりのように、あてがわれた曲をあてがわれたバッキングで録音していたワケですが、この Alligator での Koko Taylor の「最初の」アルバム、AL-4706、I Got What It Takesでは、まるでそれまでの反動であるかのように、バック・ミュージシャンはすべて Koko 自身がセレクトした、と言われています。

ギターには、数々のバッキングを通じ、いろいろなブルースマンの名盤の完成に貢献してきた Mighty Joe Young と Sammuel Lawhorn!
特に Mighty Joe Young は Koko 本人、Bruce Iglauer とともにプロデュースでも一枚噛んでいます。
そしてキーボードには、前年の Fenton Robinson の Somebody Loan Me A Dime に引き続き、(江戸川スリム氏によると)現在はデトロイトに住み、ギネス認定の最長ヒッチハイク距離の世界記録を持つだけあって、その放浪の途中、日本に立ち寄った際に覚えた(?)デタラメな日本語で歌をうたってる(!)っちゅう Bill Heid、そしてサックスの Abb Locke( Otis Rush の Cold Day In Hell や Albert Collins の AL-4730、Don't Loose Your Cool にも登場)に Cornelius Boyson のベース、そしてドラムは Vince Chappelle。

⋯この厚遇に Koko はかなり満足したようですが、せっかくその前年には年二枚のペースになりかけた Alligator がこの年には、この Koko Taylor 一枚で終わっているというのも、そのへんの「経費」が影響しているのかも(スタジオだって「いつもの」Sound Studios じゃないし)?
ま、もっとも、それ以外にも、この 1975 年というのは、Alligator Records が初めて「従業員」を雇い入れた年であり、同時に、これまでのアパートの一室から、ノースサイドの一戸建(寝室が三つ!)に「社屋」(もちろん Bruce Iglauer の住居でもある⋯)を移転した年でもありましたから、そちらの経費の問題かもしれませんが。
それはともかく、受賞は逃しましたが、この Koko Taylor の I Got What It Takes は Alligator にとって初の Grammy 賞ノミネート作品となったのでした。

そして翌 1976 年、こんどは別なアルバムがグラミーにノミネートされます。
それはその前年、1975 年の 12 月 17 日に癌のために死亡した Hound Dog Taylor のライヴ録音からなるアルバム、AL-4707、Beware of the Dog でした。
いずれも 1974 年の録音で、1 月 18 日に Illinois 州 Evanston の Northwestern University で行われたライヴを WXRT-FM のために録音したものと、同年 11 月、22 から 24 日までの三日間 Ohio 州 Cleveland にある Smiling Dog Saloon でのライヴを、これも WMMS-FM のために録音していたものです。
さらにこの 1976 年にはもう一枚、Son Seals の二枚目のアルバム、AL-4708、Midnight Son がリリースされています。
Bruce Iglauer によれば、Rolling Stone 誌が、「過去 10 年間で最も優れたブルースアルバム!」と評したせいもあって、このアルバムから Son Seals が売れ始め、ライヴの予定が次々と入ってくるようになった、と⋯
やはり媒体の力って大きいですね。

ところで、この Son Seals の Midnight Son では再びジャケットの Special thanks to... に Bob Koester の名が「復活」しております。
ただ、Very special thanks to... という「より上級の」感謝目録も登場してはいるのですが(もっとも、その Special もつかない、「ただの」Thanks to... のクラスもいるので「いいほう」なんでしょか?)。


おやあ、毎日、確実に日が短くなってる、ってのが、いつもの時間に買い物に行くスーパーから眺める夕陽が「終わりに近づいてる状態になってく」ので判りますね。
最近じゃスーパーに入る前にすでにあたりがちょっと暗くなってるようだし、買い物を終えて出てくると、もう「夜」ですよ。

だいたい、午後四時前だってのに、もう光線の色温度が下がってて、明らかに「赤」にシフトしてますよね)。
心なしか青空の色までが、どっか「紅」を含んでいるように見えます。


そして、さすがに陽が落ちると、一気に気温が下がる感じで、フと気付くと、街往く人々はみな晩秋仕様(?)の服装になってるんですねえ。
どれ、それじゃそろそろ鍋料理なんぞ復活さしてもいいかもね。
いつも、秋から冬へ、という季節の変わり目に最初にやる鍋、ってのが「必ず」ポトフでございます。今年はタマにゃあ「和風」に振って、「湯豆腐」あたりから初めてみよかな?
ま、厳密にゃあ、湯豆腐は鍋じゃねえ!なんておっしゃっておられた方がいたような⋯気のせいだな、きっと!

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