Nominated or not?

Alligator Tales vol.11


06-10-24 TUE.




さて 1981 年の続く AL-4725 は Albert Collins and the Icebreakers の Minesota 州 Minneapolis の the Union Bar での同年 3 月の 5 日から 8 日にかけてのライヴをレコーディング・モービルを派遣して録音した Frozen Alive でした。
この時点で the Icebreakers というバッキング・グループの名前が登場するワケですが、どうやら、さほど厳密なものでは無さそうです。
一応、この時点でのメンバーを挙げておくと、サイド・ギターには Marvin Jackson、オルガンに Allen Batts、ベースは Johnny B. Gayden、ドラムに Casey Jonesといったところで、サックスには A.C. Reed が入ってます。

合計 7 曲が収録されているのですが、ワタクシのお気に入りは、ってえと「とーぜんじゃん!」の Cold Cuts!
そう、Johnny B. Gayden のスラッピングがドたっぷりと聴ける、まるでインストナンバーかいな?っちゅう曲で、いやもう、このベース・ソロなんて何遍聴いても飽きませんねえ。
あ、でも、このアルバム自体は、例の Molten Live なんてえ「くそアルバム」よりはうんといいんですが、Ice Pickin' なんかに比べると(ワタシとしちゃね)ちょと「落ちる」かな?
ま、Caldonia もやってる!っちゅうんで期待して聴いたら以外とゆったりのんびりしててアテが外れた、なんてとこが影響してるだけ、っちゅうウワサもありますが。

次にリリースされた AL-4726 は、あの 1970 年、Monterey でのライヴが有名な Johnny Otis Show⋯いえいえ、正確に言えば、Live at Monterey とはシンガーが「全とっかえ」状態だった The New Johnny Otis Show With Shuggie Otis でした。
だってその顔ぶれが Linda Dorsey、Delmar "Mighty Mouth" Evans、Vera Hamilton、Wendell D. Perry、David Pridgen、Charles Williams となってて、でなくてもベンキョー不足なワタクシには、ただの独りとして「知ってる」のがおりません!
なんたって Johnny Otis が教会でのゴスペル活動を通じて集めたシンガーらしく、それじゃ判らないのもムリないなあ⋯ってワタシには、ね。

⋯というところで、この 1981 年に Alligator からリリースされた後半の三枚、昨日の Koko Taylor から、この The Johnny Otis Show までは、いづれもグラミー賞のノミネート作品となったのでした。

明けて 1982 年にもグラミー賞のノミネート作品は続きます。
AL-4727、Hound Dog Taylor の Genuine Houserocking Music がそれ。
もちろん Hound Dog Taylor はすでにこの世のひとではないので、新録音など出来る筈はなく、実はこれ、最初に Hound Dog Taylor の、それこそノン・ストップ・レコーディングで録りためたものから 1971 年の AL-4701、Hound Dog Taylor and the HouseRockers、同じく 1973 年の AL-4704、Natural Boogie としてリリースした「残り」だったのです。
なんて言うと「カス」みたいに聞こえますが、ああた、それは Hound Dog Taylor のなんたるかを知らないヒトの言うことよ。
Hound Dog Taylor のテイクはすべてカスっちゃカス、宝石っちゃ宝石!どっちだと思うかはああた次第ですがな。
ワタシゃあもちろん宝石派でございますから、このアルバムだってだ〜い好きざます。ま、配分から言って Brewer Phillips クンの活躍する曲が増えてはおりますが、それだって The HouseRockers のサウンドですからねえ。
しょっぱなの Ain't Got Nobody からガッガ・ガッガと骨盤がスウェイするよな「腰に来る」ブーギで迫ってくれます。
ま、Kansas City も面白いし What'd I Say なんてとこもなかなか。
⋯あ、どうも Hound Dog Taylor にはつい点が甘くなっちゃいますねえ。

で、別に、それにひきかえ⋯てな文脈では決して無いのですが、ここまでそれに触れてきてますから言わせていただくってえとグラミー賞の候補に「ならなかった」のが次の Magic Slim のアルバム、AL-4728、Raw Magic でした。
サンバーストの Fender Jazzmaster、それも最後期型のネックにセル巻き、ブロック・インレイっちゅう(ワタシの嫌いなタイプのネック!)ギターで隠しきれない、すでに Slim とは言えんのじゃないか?ってえ太っ腹ぶりのジャケットが微笑ましい(か?)このアルバム、実は Buddy Guy 同様、フランス録音でございます。
ヨーロッパ・ツアーの途中でツールーズの Condorcet Studios において Isabel Records のために録音した二枚のアルバムから、Alligator が選りすぐって一枚にしたのがこのアルバムでした。

さすが Jazzmaster!と言うか、ミョーに中途半端なサステインや、飽和と歪みの中間みたいなどっちつかずな潰れ具合、なんてのが持ち味なんでしょか?
それってヴォーカルにも、ギター・プレイにも共通するようで、良くいえば「ほのぼの」、ま、見ようによっちゃあ「タルい」あるいは「詰めが甘い」てな印象も受けちゃうでしょうねえ。
「あの」Mustang Sally だって、このひとの手にかかると、やたら牧歌的な、この程度の荒馬ならたいしたことねえや、なんてスケールに感じられるところが人徳(?)でございましょう。
特に Mama, Talk To Your Daughter なんてのは、オリジナルの J.B. Lenoir はもとより、あの Magic Sam っちゅう偉大なる先達も採り上げておるだけに、モロ比較されちゃうワケで、でも、そんなのお構い無しにやっちゃうとこがまた Magic Slim ならでは、っちゅうものかもしれません。

さて、とある方からメールをいただき、HP のコンテンツ、REMARKS のなかの Paramount Records について、場所がもう少し判るようにした方が良いのでは?というアドヴァイスをいただき、さっそく Lake Michigan から始まるように原稿を書き加えました。
どうも自分では判ってるものの、読む方は「そうとは限らない」ってことを改めて考えないといかんなあ、と反省しております。
ま、そんなことを言いだしたら、あそこもここも地名だけじゃ判らん!ってとこばっかしですから、こりゃ気長に「老後の楽しみ」としてポツポツと改訂して行きましょうかね。

ん?誰だ、もう充分、老後だろ、なんてぬかしたのは⋯


それじゃ、それにふさわしい(?)画像ってことで今日の夕焼けでも。

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