Don't Lose Your Cool

Alligator Tales vol.13


06-10-26 THU.




1983 年は AL-4730、Albert Collins の Don't Lose Your Cool で始まりました。
このアルバムでもベースはモチロン Johnny B. Gayden で、中でも Ego Trip でのパターンっぽいベースがワタクシのお気に入り。
あ、それと今回キーボードを担当してる Chris Foreman ですが、とうぜんハモンドでの参加がメインで、Collins 好みのバックを作り上げております。でも、ワタクシにはそんな彼が華麗な(やや「華麗すぎる」?)転がりっぷり(?)を繊細に散らした ... But I Was Cool でのピアノが「来ます」ねえ。
ところで、このアルバムのライナーではやはり、このバック・バンドにも the Icebreakers の名が与えられておるのですよ。
ま、そこら、あの Elmore James と Broom Dusters みたいなもんなんでしょね。聴衆にとっちゃ、フロントのメインさえ一緒だったら、そのバックなんてどーだっていい(⋯はあんまりだけど)ワケで。
ただ、ワタクシとしましては、これまでの A.C. Reed に加え、その後、もっといい(なんて言うと語弊があるか?)バッキングをしてくれる Abb Locke のサックスが加わっているとこに注目なんですけど。
このアルバムでは( Percy Mayfield の)My Mind Is Trying To Leave Me、Melt Down、そして Ego Trip の三曲でソロを取っていますが、なんたっておヘソが曲がったとこについてそうなワタクシですから、A.C. Reed よりも「いい!」なんて言ってしまうんですねえ。
ま、結局は「好み」の問題ですから。
ワタシには A.C. Reed が合わないってだけでしょ、きっと。

続く AL-4731 は Lonnie Brooks の Hot Shot です。
ほんとこのひとのブルースってソツがなくって流れるように聴けちゃうんですが、そのぶん、あまり後に残るモノが無いってゆうか、テクスチュアが稀薄っちゅう気がすんですよねー。
こんなこと言うと、またひがみだろ、なんて思われそうですが(しかも当たってるし?)、声が良すぎるんじゃないのかなって気がすんですよ。
唄い方にしても洗練されてるし、そこらもな〜んにも文句はありません。
でも、そのぶん「刻みつけて」去っていく、じゃなく、こっちのココロは無傷なまま。さっ、休憩が終わったから仕事に戻るか!てな日常への復帰が「容易」なんですよねー。

⋯てなことはともかく、このアルバムでもサックスに Abb Locke が参加しています。で、ん?これって PCM のディジタル音源じゃねえか?っちゅう疑い濃厚なピアノは Ken Saydak。ま、別にいいんですけどね。
しかしっ!⋯なんてリキむのもなんですが、このアルバムでイチバン重要なのは(って、ワタシにとっては、ってことですけどねん)、アレンジャーとして、「あの」Dion Payton の名前がクレジットされてること!
って、それが言いたいがために「やや」クドクドと「のーがき」タレて来たよなもんでして。
ところで、このアルバムに収録されている Brand New Mojo Handって曲、おっ! Lightnin' のあれのリメークか?なんて思わせるよなタイトルですが、まったく、ぜ〜んぜん似ても似つかないタイプの曲ですのでそこらよろしく(?)。

で⋯と来て、ここで軽くひとつタメイキ。
つーのも、次の AL-4732 をどう「考え」たらいいもんだか悩んでいるからなんざます。
Big Twist and the Mellow Fellows っちゅう名前からしてアヤしいじゃん?
で、聴いてみるってえと、これがまた、ん〜、特にこれと言って「イヤ」だ!なんて部分は別に無いんですが、でも、こいつらいったいドコを目指しておるのか?っちゅうコンポンテキな疑問がフツフツと⋯
この Playing for Keeps ってアルバムは、旧来の R&B のクリシェをふんだんに盛り込み、それでもってこれまでの R&B とは違う方向を模索でもしてるんでしょか?
上で名前が出て来た Dion Payton が、むしろ外部のエレメントを導入して(ま、それゆえに「こんなのブルースじゃない」とか「これじゃロックじゃん」なんて言われちゃうワケですが)All Your Affection Is Gone という唄い継がれる名曲をモノにしたのとは対照的に、この音はあくまでも「ありきたりな」、いえこう言っちゃ悪いけど、なにひとつ Inovative なものが無い、よくこなれた音楽を今日もまた、ってえヤツじゃないのかなあ。
いやまあ、この後だってアルバムは出してますから、それなりの売れ方はしてるんでしょね。
ま、そんな「冷たい」ことを言うのも、今から 44 年も前に、あの STAX のスタジオで起きた奇跡をひとつのトップ・ケースとするならば、この録音は「ずいぶんと」それから隔たったシロモノだなあ、なんて無いものねだりがアタマをもたげるからかもしれません。
そしてこの 1983 年ってのは、あの整形して白人になろうとするマイケルがまだ黒くて(?)Billie Jean や Beat It 、そして Thriller を連発した時期だし、Prince なら Little Red Corvette 、ちょと畑はちゃうけど Herbie Hancock の Rock It が出た年ですからねえ⋯
そう考えると、この古き佳き音(?)ってのはどーなんでしょ。
ま、もっとも、この Mellow Fellows だってあっちこっちのクラブでのナマじゃあ、みんなを熱狂させてたのかもしれませんけどねえ。

さて、この 1983 年にも Reggae(たぶん、ね⋯)のリリースが続きます。
ただし、それらはすでにカタログから落ちているものばかりではあるのですが⋯

AL-8306 ; Mutabaruka Check It!
AL-8307 ; Augustus Pablo King David's Melody
AL-8308 ; Pablo Moses In the Future

の三枚がリリースされております。
各アーティストの正確な紹介などは、各自、検索などしてお調べくださいませ。
なお、ここで(ワタクシの知る限りでは)Alligator 初の EP( Extended Play の略で、回転数は毎分 45、収録曲は裏表二曲あるいは四曲。この場合どちらか、ってのは記述が無いため不明。なお 33rpm のものは、たとえサイズがシングルのサイズであっても EP とは言わない)AL-501 ; Mutabaruka Johnny Drughead ってのもリリースされているようでございます。
そのへんの知識にはまったく欠けておるため(あ、教えてくださらなくてケッコーですよ〜っ!頼むから放っといてちょーだい!)、なにも言うことはございません。

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