Black Cat Bone

Alligator Tales vol.17


06-10-30 MON.




ロイ・ブキャナンの AL-4741、When A Guitar Plays the Blues に続いたのは、ふたたびジョニー・ウィンターで、AL-4742、Serious Business でした。
Steinburger らしきヘッドレス・ギターを構えたジャケットは、Firebird で慣れた目にはちょと違和感がありますねえ。もちろん、ダメってことはありませんが。
このアルバムではリズム・セクションに Johnny B. Gayden と Casey Jones が投入され、ボトムを固めています。
ま、ご本人のヴォーカルが、なんだかちょっとリキみ過ぎ、って感じで、聴いてるとだんだん「息苦しい(あ、ここはゼヒとも、いまは亡き桂 枝雀師匠の「夏の医者」のあの口調で⋯)」てな気分になって来て⋯

続く AL-4743 は Real Blues に戻り、Albert Collins、Johnny Copeland、そして Robert Cray っちゅう三人の共演、SHOWDOWN! でした。
ジャケットでは三人が三様のギターを構えている写真が使われておるのですが、もちろん Albert Collins は「例の」テレキャスターだし、 Robert Cray はストラト。
でも、なんと言ってもここでの注目は Johnny Copeland で、それは、おお!ビンたれの味方(?)、あのミシシッピー・クロニクルズでも確か登場していた偉大なる安物ギター、Peavey ではあ〜りませんかっ!
そうそう、まだ「売れてない」ブルースマンは 355 どころか、335 だってなかなか買えない、っちゅーのが現実らしいですからねえ。Gibson なんて⋯

てなことはともかく、なんたってこのアルバムでは「あの」Black Cat Bone がいいですねえ。
最初の 2 コーラスを唄った Johnny Copeland のヴォーカルもいいし、Albert Collins に続いてとる 2 コーラス目のギター・ソロも、おお、これが Peavey の音か!てな感慨もひとしお(って、そんなのはワタシだけなんでしょが)でございます。
ま、他に、ワタクシがこの曲を特に「気に入ってる」ワケは、あんまり好きになれない Robert Cray が「存在してない」せいでもあるのでございますが。
ま、別に Robert Cray にこれと言ってウラミがあるワケじゃないんですが、あれ、なんの映像だったのかなあ⋯ Robert Cray がストラトを抱えて弾いてるとこを見たときに、そのギターの「持ち方」が気に喰わなかったのでございます。
え〜?そんなことで?バッカみたい!と言われることでしょうが、ワタクシ、そゆ変なとこにこだわるんですねえ。
同じよに、その持ち方で、あ。ダメだこいつ!と思ったのは他にリヴィング・カラーとかゆうとこのヴァーノン・リードたらいうギタリスト。
ただし、ワタシのいう「ダメ」ってのは、ギタリストとして、あるいはミュージシャンとして、はたまたブルースマンとして「ダメだ!」ってワケじゃなく、偏屈なワタクシとは「ソリが合わない」ってだけのこってすから、みなさまはもっと寛いココロで音楽を楽しんでくださいませ。

あ、そう言った舌の根も乾かないうちにナンですが、Johnny Copeland はインタビューで、ホントは Clarence "Gatemouth" Brown に Albert Collins、そして Johnny Copeland の共演で、というのが話の始まりだったのだが、なんたってそこはクソじ⋯うっぷす、お、大物、諸条件が折り合わず、Gatemouth が「降りてしまった」ため、やむなく Robert Cray が呼ばれたのだ、と⋯(ついでながら、「憧れの」Clarence "Gatemouth" Brown とは Verve 移籍後のアルバム、Catch Up With the Blues でミゴト共演を果たすことができました)
この SHOWDOWN!、バッキングは「もちろん」の Johnny B. Gayden、Casey Jones のコンビに、オルガンが Allen Batts っちゅう布陣でございます。

変わって AL-4744 はワタシは好きなんですが、世間的にはさほど通用してないのか、あまり名前を聞くことがない Jimmy Johnson の Bar Room Preacher でございます。
でも、実は自社制作ではなく、これまた「おフランス」のレーベル Black & Blue のために、パリの Sysmo Studios で録音され、Blue Phoenix BP 33.720、Heap See としてリリースされたものでした。
Alligator が付したクレジットを信じれば、カヴァー・デザインは Alligator でやり直したらしいので、オリジナルのジャケットはデザインが違っていた可能性があります(本来のオリジナルと同じ「かもしれない」Black & Blue からの 2002 年再発の CD では、なんでか鉄道の駅構内と思われる情景をバックに 335 を弾く Jimmy Johnson のモノクローム写真が採用されています。ま、たぶんこれがオリジナルじゃないか、とは思うんですが⋯)。
ただ、じゃそのオリジナルっつうか、最初の Blue Phoenix 盤 Heap See は「いつ」リリースされたのか?ってことでは、あちこちのサイトで記述が入り乱れ、あるとこじゃあ 1983 年、またあるとこじゃあ 1987 年(それじゃあ Alligator よりも後、ってことになっちまう?)と、多少の混乱がみられます。
もっともその Black & Blue レコードの Blue Phoenix レーベルを Alligator ではタイトルも変えてリリースしたワケですが、それを 1983 年、としている資料も多く、なにやらかなり「混同」されているようで、「たぶん」フランスでは 1983 年、そして Alligator からは 1985 年!ってのが「信頼できそう」。



今日はまた穏やかに晴れ上がり、柔らかい陽の光が気持ちいい一日でした。


夕方近くには雲もほとんど消え、おそらく北海道から南へ向かうジェットが曳航する航跡が夕陽に輝いています。
それを見ると旅心が疼き出す⋯

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