After the New Bloods Alligator Tales vol.22 06-11-05 SUN. | さあさあ、ブルースだい好きな熱心なマニアのみなさん!一日、間を開けちゃいましたから、いまかいまかと待ってたでしょ? え?いいのいいの、タマにはジョークも入れてかないとね⋯ いろんな意味での「大作」THE NEW BLUEBLOODS でちょと息切れしかけたけど、気をとりなおして通常レンジのアルバムの紹介です。 1987 年の AL-4753、Little Charlie and the Nightcats による All the Way Crazy ってのは、実はちょっと毛色が変わっております。 まずこの連中は Sacrament を中心に活動する「白人だけ」からなる四人編成のバンドで、基本はダンス・バンドってとこなんでしょうが Alligator では Blues, swing and jump master と紹介していますねえ。 ダミった低重心なブーギの上に、いかにも白人っちゅう「ロカビリー」のヴォーカルをのっけたような TV Crazy で始まるそのサウンドは、しかし基本はやはり「ろけんろー」、それも舌先系のカラ元気っぽいダンサブルなナンバーがメインで、それだけにパーティなんかじゃ、彼らが出る、となれば踊りたいやつらが詰めかける、ってのも判るよな気はいたします。 でも、こー言っちゃなんですが、Living Hand to Mouth、Suicide Blues あたりのナンバーじゃ、ジョニー・ウィンターよりもよっぽど「ブルースを感じる」なあ。 ⋯そんなこと言ってるアホは私だけなんでしょね、きっと。 ま、だからと言って、これを Alligator でリリースする必然があったのか?なんてことになると、そりゃね、埋もれていた才能を発掘してくる、っちゅう「期待される Alligator 像」ってとっからはハズレているかもしんないけど、Alligator だってショーバイですから、「売れる」タマは多いにこしたことはないワケで、このよーな存在がまた、海のもんとも山のもんともつかない(?)無名ブルースマンに「賭け」に出る際の余裕につながる、と⋯ ワタクシはこのひとたちの存在すら、こーやって Alligator Tales を書き始めるまでま〜ったく知りませんでしたが、いやいや、その後も「どっちゃり」アルバムをリリースしてますからねえ。かなりその売り上げで会社の経営健全化に貢献してるのかもしれませんよ。 変わっての AL-4754 は Koko Taylor の 1987 年 1 月の 8 日から10日にかけて Illinois 州 Berwyn にある FitzGerald's に出演した際のライヴ録音ですが、え?それなのに Live From Chicago たあ不当表示じゃねえか、って? いえいえ、そこら三鷹市のライヴハウスで録音しても LIVE in TOKYO って言うのと同じよなもんで、シカゴの郊外みたいなもんですから。 「ライヴ in 三鷹」で判るのは東京周辺のひとだけでしょ?それと一緒。 ここでの I'd Rather Go Blind、またまたずっしりと「重く」仕上がっておりますねえ。 もちろん、そこら好みの別れるところでもありますが。 この Koko Taylor の Live from Chicago には - An Audience with the Queen、というサブ・タイトルがついておりましたが、次の AL-4755 もまた Live from Chicago をタイトルとし、サブとして - Bigger Than Life! が振られています。 そ、以前、ワタクシに冷たくあしらわれた Big Twist and the Mellow Fellows のライヴ盤でございます。 まあねー、聴いてみると演奏のレヴェルは高いし、ツボは心得てるし、まっことソツのない仕上がりではあるのですが、なんでかワタクシには「なにひとつ」訴えかけてくるものが感じられません。 どうも、この手の音楽ってのに Sly and the Family Stone のような期待をしてしまってるのか、どの曲も一緒の一本調子(あ、そーワタシは感じる、ってだけで、そんなことはないんでしょうが)、つまらなくってしょーがないんですよ。 そこ行くと Sly and the Family Stone のライヴなんて、まあ「どシロート」の集まりっちゅうか、バランスは悪いし、キメもボロボロだったりするんですが、でもそのコンセプトが「ただもんじゃない」ってとこで圧倒してくれるんですが、そのヘン、この Mellow Fellows じゃあ、確かにウマいことはウマいけど唄ってるのは「ありきたりな」世界、ってとこなんでしょね。 う〜ん、ワタシにはこいつらの良さ、なんて永久に判りそもない⋯ モミジの紅葉ってのも悪くはないけど、どっちかってえと、こんな黄色系のほうが好きかも。なんとなく「実り」の色、って感じがして⋯ 夕闇が降りて来るころ、東の空には、やや赤みを帯びた満月が浮かんでいます。 あらら〜、今夜が仲秋の名月だったら良かったのにね。 |
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No.1658