Reissued

Alligator Tales vol.24


06-11-07 TUE.




さて、1985 年の前作までは確かに AL-47XX というブルース「扱い」だったハズのロニー・マックでしたが、この 1987 年にはナゼか AL-3903 っちゅうドクター・ジョンやデルバート・マクリントンと同じグループに配属変えさせられちゃってます。
それはなんでか?ってえと、実はこれ、新録じゃなく、1986 年のドクター・ジョンの Gumbo 同様に他社に以前吹き込まれたもののリイシューだからなんですねえ。
したがってこのロニー・マックの場合も事情は同じで、実は 1963 年11月リリースの Fraternity 原盤(当時はまだ Lonnie McIntosh だったものを Memphis のリリースに合せて Mack とした、とされています。この Memphis は全米チャートの 5 位にまで達しました)FS-1014、The Wham of That Memphis Man! をリイシューしたものとなっております。
Alligator の HP では、その Complete Discography から、すでに「落とされて」いるため、一切の記事が抹消されており、どんなジャケット・デザインだったのか知ることは出来ませんでしたが、後に CD 化したイギリス ACE(オリジナルの Fraternity FS-1014 の 11 曲に未発表の 13 曲を付け足したもの)CDCHD-713、Memphis Wham! のジャケットが Alligator 盤と同じ(という保証はまったくありませんが)だとすると、メンバーは 5 人で、サックス奏者だけが黒人のようです。
で、こんなこと言うとただの意地悪じじいみたいですが、ハッキリ言って 1980 年代のロニー・マックより、この 1963 年の、「ゆるゆるのヴェンチャーズ」みたいな音のほが「面白い!」
ま、これは Alligator 盤には入っていなかったのですが、なんでかビートルズの From Me To You まで(インストで)やってて、そのユルさに思わず笑ってしまいましたよ。
あ、蛇足ながらロニー・マックはん、このあたりからすでにフライング V(おそらくコリーナ?)使ってたようですねえ。

ところで、このロニー・マックの Memphis をリリースした Fraternity Records って、実は Ohio 州 Cincinnati の会社なんですねえ⋯
そ!Bruce Iglauer の「生まれた街」なんですよ。
そこでちょうど 15 才の多感な少年時代を送っていた(⋯なんて勝手に言ってますが、ホントかどうかは「?」)Bruce Iglauer にとって、この曲と、それを演奏していたロニー・マックっちゅう名前が深く刻み込まれたのでは⋯なんてえ可能性も無いとは言えません⋯
ま、それが Alligator がロニー・マックを出し続ける理由だ!なんてことまでは言いませんが(って充分、言ってるよなもんか?)。

続いての AL-3903(これもまた既にカタログ落ちでございます)、ドクター・ジョンの Gris Gris もまた 1968 年の古い(というか彼自身の初リーダー・アルバムらしい⋯ホントはレコーディング・セッションでフロントを務めるハズだったヴォーカルの Ronnie Barron が来ることが出来なくなり、仕方なく「自分が」ドクター・ジョン、というキャラになったのだそうで⋯ Atco 原盤)アルバムのリイシューとなります。
Gumbo に比べると、もうちょっとエスニック風味がキツく、そこに Voodoo のアヤしさを突っ込んだみたいなこのアルバム、やはり同じ Voodoo 系(?)でも、真底「おちゃらけ」てる Screamin' Jay Hawkins の世界(??)とはおー違いでして、なんだかマジメにやってますねえ。ま、そこらがワタクシにとっちゃあイマイチな理由なんでしょが。
やっぱニュー・オーリンズと来たら Huey Smith みたくパッパラパーなのが「いい」なあ。
あ、でも当時、こんなアルバムに興味を持って買いそなのって変にマジメくさった白人のほうが多かったでしょから、ヒョっとして Ronnie Barron が楽しく歌っちゃってたら、こんなに売れはしなかったかも?

1987 年にはこの他に、例のセールス目的(?)の寄せ集めオムニバスの二匹目の泥鰌、Genuine Houserockin' Music II もリリースされております。
収録されているのはもちろん既にリリースされている各アーティストのアルバムからの摘み喰いですから、これでなきゃ聴けない、っちゅー楽曲はただのひとつもありません。
ま、そこら、たった一曲のためにアルバム買うしかないのかよ〜!なんていう「よくある手口」よりはマシっちゅう考え方は出来ますね。
収録されたのは Albert Collins の I Ain't Drunk、Lil' Ed で Pride and Joy、Koko Taylor は I'd Rather Go Blind、Kinsey Report の Corner of the Blanket、"Gatemouth" Brown の Pressure Cooker など。
他にも Professor Longhair、James Cotton、Buddy Guy などなど⋯
前にも言いましたが、すべてそれぞれのアルバムには収録された曲ばかりで、しかも別にこれ、と言ったテーマもなく集められたセレクトは、逆にその時々の Alligator の「興味のありかた」をある意味ストレートに表現している、と解釈することが出来るかもしれません。



去年・今年と二度にわたって来日(っつうか青森「だけに」来た!)The Sons of Blues のピアニスト、Ariyo こと有吉須美人(ありよし・すみと)のソロでの青森公演が決定です!
12月25日、青森市の「青森国際ホテル」を会場に、ビュッフェ・スタイルの食べ放題&呑み放題で入場料は 7,000円。
開場 18時30分、開演 19時となっておりますので、月曜日ですが、市内にお勤めのかたなら充分に間に合うんじゃないでしょか。

夏のフェスティヴァルだけじゃなく、こうゆうライヴも定着していくと、さらに「ブルースの街」として国内では有名になっていくハズ!

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