By KINGSNAKE

Alligator Tales vol.32


06-11-15 WED.




ここんとこヨケーな寄り道ばっかしてて、だから見ろよ、もう 32 回目だってのに、まだ 1988 年をウロウロしてるじゃねえか!
なんて「お叱り」も受けそうな超スロー・ペースですが、まあこーなっちまったもんはしかたがない。今更こっからスピード・アップしてもしょーがないので、またまたマイ・ペースで行きまっせ〜。

その 1988 年の通常シリーズ(?)のラストは AL-4769、メンフィスの永遠の悪童(「世界で最年長のティーンエイジャー」なんて呼び名も)Rufus Thomas の That Woman Is Poison でございます。
このときすでに 71 才の Rufus Thomas ですが、最後まで STAX に残った彼らしく、この 1988 年に企画された STAX Reunion にも顔を出し、その勢いのまま(?)Bob Greenlee の Kingsnake で吹き込んだものが Alligator によってリリース、というパターンです。
したがって、ここでも Bruce Iglauer は録音に立ち会ってはおらず、プロデュースは Florida 州 Sanford の King Snake Production(って名前は Alligator の Discography ではこのアルバムのクレジットでは初登場ですが、それ以前からも Kingsnake Records、Kingsnake Studio なんて名前は出ておりました。すでに Production という名前も存在してたのかも?)の Bob Greenlee。
その人脈からバックにも Kenny Neal が「ハープとして」参加しています。
そのオリジナル・マスターたるマルチ・トラック・テープはシカゴの Streetville Studios に持ち込まれ、ここで Bruce Iglauer も立ち会ってミックス・ダウン、というスタイルは今回も変わりません。
このアルバムで印象的なのは、King Snake Horns と言われる「管」の存在の華々しさ⋯と思ったら、その一画に Bob Greenlee 自身が Baritone Sax で「在籍」してるじゃないの!まあ、まさかそのせいじゃあないでしょが、全編をとおしてホーンが活きています。
逆にギターは、いわゆる「ブルース・ギターが好き」なんて方がこのアルバム聴いたらちょっとガッカリするかも、っちゅう位置しか与えられてないよな感じですねえ( Bryan Bassett と Ernie Lancaster )。
キーボードは Lucky Peterson ですが、あまり活躍の場は多くはありません。

1988 年にはもう一枚アルバムがあるのですが、それは毎度お馴染み、Alligator Recording Artists をゴッタ混ぜで集めた「ご紹介」アルバム(?)、例のシリーズ第三弾、Genuine Houserockin' Music III、AL-103 でございました。
そんなアルバムですから、別に Alligator ファン(?)からの声をもとに、なんて作っておりませんので、まあ、このシリーズは、「なにがなんでも Alligator から出たすべてのアルバムを揃えちゃる!」なんて奇特なマニア以外にはお薦めいたしません。
むしろ末端の販売店、あるいは放送局のディレクターあたり、ようするに、あんましブルースをはじめとするそこらの音楽にキョーミ無さそうな方々に「献上」するのにふさわしいアルバムでございましょう。

てなワケで、ようやく 1988 年を脱出!次いで 1989 年のトップは AL-4770、Lucky Peterson の Lucky Strikes! で始まっています。
で、Lucky Peterson っていうと直前の Rufus Thomas の Florida 録音に登場しているとこからも判るでしょが、これまた Bob Greelee つながりでして、このアルバムも「とーぜん」King Snake Studios での録音を、シカゴの Streetville Studios でミックス・ダウンという公式どおりで完成しています。
ま、唯一、気になると言えば、クレジットから「監修 Bruce Iglauer 」って記載が抜けてるんですよね。
もう安心しきって、現場(ミックス・ダウン・エンジニアは「ずっと」Jay Shilliday )に任せっぱなしだったんでしょか。まさか「もう知らん、好きにやれ!」なんてことじゃないよね⋯
ともあれ、この録音、主だったとこはほぼ前述の Rufus とっつぁんのセッションのメンバーとダブってます。
ま、いちばんの違いは Lucky Peterson がキーボードだけじゃなく、ギターも自分で弾いてるってことでしょか(あ、サイドとしての二人は交代で参加してますが)。
アルバム全体としてはかなり完成度の高い仕上がりで、とても初リーダー・アルバムを出した「新人」とは思えませんが、まあ、それも当たり前、彼の場合はアルバムこそ「初」でしょが、もうずっと前からこの世界では活躍していたのですから、このくらい、どうってことない、と。
ただ、そんな音群のなかで(だからこそ?)彼の声の裏表が無さそうな「軽さ」がちょっと浮いてしまっているかもしれませんね。
あと、才能があり過ぎるひとにちょいちょい見られる、「そこまでやらないほーが、かえって活きるのに」てな部分も無いとは申せません。
特にキーボードでね。

しかしまあ、これもこのひとの個性として、ワタシゃけっこー好きなんですよ。
ミゴトに過不足なく完成してるってのもいいけど、こんなふうに、まだまだ出っ張りやらへっこみがあるミュージシャンもまたそのアンバランスさが一種の魅力となって、案外いいものです。


本日、クルマのタイヤをスタッドレスに換装いたしました。
すると、毎年、思うんだけど、急にハンドルが軽くなって、まるでパワー・ステアリングにでもなったかのような感触なんですよねー。
なんだかクルマの全体的なレスポンスが軽くなった感じがしますが、そんだけ夏用の「トラクション重視」のハイ・グリップ型のタイヤって「転がり抵抗」も大きかったんでしょね。
だから、このまま雪さえ降らなきゃ、燃費もまちがいなく「良くなる」んですが⋯
ま、トシもトシだし(ってクルマの年式が、って意味よん)もうコーナリングの限界を「究める」なんて走りはしないんで、次からは燃費重視、で、ついでに(!)カンキョーにも優しいエコ・タイヤにしよかな?

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